一緒にスクールでリードアラウドを初めて、満1年が過ぎた4歳児。
最近、わたしの言うことを何から何まで全部、shadowingする。
(ちなみに、「シャドーイング」とは…
「英語を聞くそばから、影 (shadow) のように後から追いかけて口に出し、同じように発音し真似する英語学習法」。
「All About」からの引用だが、その利点は以下のとおり。
そっくりモデル音声を真似しなければならないので、棒読みや自己流の読み方は厳禁。ということは……。
リズムとイントネーションがきれいになる
発音がよくなる
英語のスピードに慣れることができる
区切り、ポーズの置き方がわかる)
このshadowing、4歳児はまったく自発的に始めた。
幼児のそんな過程を目の当たりにして、気がついた。
言葉を覚えるときにshadowingは、幼児が自然にとる方法のひとつなのだということ。
「オウム返し」だ。
これを母語で、おまけにわが子に四六時中やられると、うるさくてかなわないから、親が無意識的に止めさせたりすることもあるだろう。
多分そのせいで、子どももあまり長く時期、これを続けないが、英語界では、ずいぶんと勧められている学習法だったのである。
この4歳児の英語のshadowingだが、鳥肌が立つ程うまい。
たまたま、彼がそうしている最中に電話が掛かってきた。
電話に答えるわたしの会話を、彼がすべてshadowingし、それが聞こえた電話の相手はびっくり。
このときは、もちろん日本語だったが、
「まるでエコーのようなのに、やけにかわいらしい声が後に続くので、驚いた」とのこと。
その日のレッスン中、英語だろうが、日本語だろうが、彼のshadowingは続いた。
将来、口にした内容は忘れても、その「口の感触」は、この子にずっと残るだろう。
英語は、中学生から始めてでもどうにかなると、わたしは自身の経験から思うが、幼児期に吸収した英語にはとうていかなわないところがあるのも事実だ。
それが、「口の感触」。
発音、イントネーション、リズム、区切り、ポーズ、スピード。
「口の感触」として残る年から、英語を学ぶ機会を作ってくれた親に、将来この子もきっと感謝するに違いない。