「トコロテン式」発声になっていない?〜リードアラウド研究会

リードアラウドの認定講師講座に新人を迎えて改めて思うのは、せっかくの自分の声を磨こうよ、ということ。

私たち、声をトコロテンを押し出すようにただずるずると出していないだろうか。
「トコロテン式」発声じゃない?

 

以前、ベテランの小学校の先生に言われ、忘れない言葉

「声がいいのは、先生としての才能だよ」。

 

いろいろ授業で失敗して落ち込みそうでも、声だけは出ていたときに、自分を支えてくれた言葉だ。

 

特に素晴らしいのは、この「才能」は誰にでも培われるということ。

少し時間はかかるが、意識して努力を継続すれば身につく。

おまけもある。

いい声をしばらく出していると、なぜか心が晴れてくる。

そして健康にもいいらしい。

 

ということで、私の指導者向けの講座/ワークショップでは、たびたび声、発声の大切さに触れ、実際にその練習もする。

 

リードアラウドの新人も、ベテランも私も、こんな声、こんな話し方を手本にしたい、と思うのが、

Roger Loveさん。

ぜひ、聞いて欲しい。

 

たびたび紹介もして、リードアラウドでも使っているヴォイストレーニングCDの先生だ。

今朝届いたこの最新ビデオでは、

ヴォイストレーニングは歌手だけのものではなく、speakersにも重要だということを、素晴らしいプレゼン力で話している。

 

話している内容もなるほどと思うものだが、その話し方もよく見て聞いて欲しい。

 

声。完全に鼻呼吸で変な息遣いがない。

効率の良い発声。

 

喉。胸。

よく共鳴する、まるで筒のように開いている。

 

話し方。

強弱、イントネーション、フレージング、pitch、緩急など、あらゆる声の要素を取り混ぜて、心地がいい上、聴きやすい。

同じ英語の内容でも、この話し方だと、とても理解しやすい。

 

発音というよりは、fluencyが素晴らしい。

 

目指すは、このようなリードアラウド!

 

 

 

「Davidはバカな子」にはどうYes, andする?〜リードアラウド研究会

ブックハウスカフェで新年度初のリードアラウド。

時間帯を変えていただいたせいか、久しぶりに小学生の多い回になった。

 

本は『David Goes to School』、特に小学生が知っていることだらけの本だ。

パラパラ見ながら、笑い声も聞こえる。

さあ、リードアラウド開始!

子どもたちに質問をし、その答えを「Yes」で肯定、「and」で内容を展開したり深めたりして指導するのだが、

 

第一問、

「この子、Davidはどんな子?」

 

それへの答えが、「ばかな子!」。

 

さあ、どうする。

 

こう言われて、Yes, and で繋げられるのか?

 

よくやってしまうのが、「そんなこと言っちゃだめ」と応えること。

これは、完全に否定だ。

 

じゃ、どうYesする?

 

「ああ、そう言っちゃうか」

 

「そうだな、『ばか』って簡単に言っちゃいがちだけど、他にもいろいろ違う言い方もできるよね」

 

「いたずらっ子、とか?」うんうん、うなずく子どももいて、安堵の空気……。

 

それから、こんなandで繋ぐ。

 

「ほら、この子、叱られることをたくさんするけど、どう?最後は」

と、終わりの実は「いい子」の場面も見せる。

 

「いたずらするけど、実はいい子みたい?ね。じゃ、本を読んでいこうか」

 

こんな感じで、難局を切り抜けた?

 

 

 

 

 

 

 

英語絵本朗読が速攻でうまくなる方法~リードアラウド研究会

カルチャーセンターで一般向けに、英語絵本の朗読クラス(「声に出して読む英語絵本」)を担当している。

 

英語で朗読、なんて考えていなかった人たち。でもなんだか、やってみたいと頭の隅で思っていた人たち。そして、ちょっと英語には自信がある人たちである。

 

そんな人たちが、初回に英語絵本を読むと、だいたい2つの型のどちらかになる。

 

型1. 中高の英語の授業なら、「上手」と言われる、字面は一字一句がほぼ正確、だが表現と言えるものはなく、ただ読みあげたもの。文の意味や場面が浮かばない、つまり物語が見えないもの

 

型2. さまざまなクセのある、一聞「表現ある」読み方。抑揚だったりリズムは、本の内容を考えた表現ではなく、自分のクセだったり型だったりする。本自体の中身が伝わらない

 

この2つ、違って聞こえるが、実は同根。

どちらにも、文や本全体の意味や感情が、読み上げる言葉に乗っていない。結果として、聞く人に物語が見えてこない。

 

「言葉に気持ちを乗せて!」

 

わたしも朗読修行時代に、若い先生によく言われた。

 

どうしたらいいのか。方法を模索したその時の苦しさは、忘れられない。

 

文を何度も読み、念力のようなもので感情を絞り出し、それが消えないうちに、乗せるべき文を読んで、成功率を徐々に上げていったものだ。

 

苦しいので、万人に勧める方法ではない。

 

カルチャーセンターでは、わたしがリードアラウド「苦節10数年」で手応えを感じている、ある方法を使う。

そして、それは実に効果的だと思う。

 

これ。

感情の解放作戦である。

 

感情の解放に関して、子どもはうまい。

たいてい「勉強じゃない」と言われると、すぐ解放的になれる。

 

問題は大人。

 

行儀のいい、優等生タイプの大人は、かなり日常は感情を抑えているので、特に感情の解放が難しい。

 

もしかして感情を出す「弁」が退化している?

と思うほどの、頑なに感情を見せない優等生タイプもいる。

 

そこで、感情の解放には、心の柔軟体操が必要になる。

 

カルチャーセンターでは、こんなことをして成功している。

 

例えば、物語に出てくる「tiny tiny」とか「wild wild」といった柔らかい、優しさ溢れる表現。これを硬く、または平坦に、または意味ない抑揚をつけて読んでいたら…

 

言葉回しのゲームである。

 

輪になって、これらの形容詞や、形容詞と名詞(warm furなど)の組み合わせに、何かひとつ感情とアクションをつけて、隣の人に向かって言う。

 

言われた人は、同じ言葉にまず前の人の言い方とアクションをつけてまずマネて言う。

それから、次の人に、新しい違った感情とアクションをつけて言う。

これを回していく。そして、他の語句で続けていく。

 

シアターゲーム(improvisation)の手法だが、とても表現をつけるうえで有効な演習だ。

 

この「柔軟体操」自体、楽しいのも大変よろしい。

不思議なことに、参加者に笑みがこぼれる。

身体がほぐれると、いい表現が生まれてくる。

自然な表現があちこちに現れる。

すると、読んでいるひとの表情が緩み、嬉しそうになるのが面白い。

そして、表情は伝播する。

 

 

 

No Statement!質問することで指導する~リードアラウド研究会

日本で長年、教育を受けると、授業というものはstatementを聞いたり言ったりするところだというのが、身体に染み付いている。

 

でも本当の学びは、疑問を持ちそれを解決する過程にあるのだろう。

 

先生は生徒にstatementを述べるのではなく、教えたいことをうまく質問にして、生徒の答えを上手に導いて伸ばしてあげる。

 

リードアラウドの指導方針でもある。

 

でも染み付いたstatementを述べてしまうクセは、なかなかなくならない。

 

こんなゲームがあった。
Question Game.

 

Statementをしたら相手に得点がいく。

questionsだけで話を進めるのは難しいものだが、いろいろな尋ね方があるのが、この映像でわかる。

ご参考まで。

教訓「生徒のかわいい言動を反射的に笑ってはいけない」~リードアラウド研究会

先日の子どものクラスで、幾つかの「ごめんなさい!」。
お許しください。
David Gets in Trouble

その1.

『David Gets in Trouble』で、手にものをいっぱい持った上、ぶどうジュースの入ったコップを持ったDavidが、それを真っ白な絨毯にこぼしてしまうシーン。

「Davidはどうすればよかったんだろう?」の問いに、

「足で上手にコップをつかめれればよかった」と一人。

 

聞いた瞬間、その子どもらしい、大人が考えもしなかった素晴らしい案に、つい大爆笑。

本気でウケちゃったのです。そしたら…、発言した子が泣いちゃった。ごめん、ごめん。

Don't Let the Pigeon Finish This Activity Book!

その2.

小学生クラスで、Follow the directions、英語の指示に従うという、listeningやcomprehensionの力をつけるタスクとして、このアクティビティブックをやった。

 

例えば、1.大きな円を描きなさい。2.次に小さい円をその中に……などと、指示を与え、それに従う。

この日は、主人公のハトの絵を完成させるというもの。

ふと見た、Tの絵。

 

傑作だった!

「福笑い」の崩れたオタフクの顔のような、どこがハト?になっている。

爆笑してしまったわたし。

 

英語のdirectionsの理解に逡巡があってのことだったのだろう。

いつも堂々としているTが、
「もう、その絵、しまって」としょげている。

ああ、ごめん。

ごめんなさい。

これはただ余興やインプロをやっているのではないのである。

指導者として、油断した。失敗。

イカンイカン。

 

次回、make upしなきゃ。

 

ごめんなさい、NとT!