2022年度小学生クラス学習素材その1〜キッズブックス英語スクール

2022年度キッズブックス英語スクールが始まります。

本スクールはできるだけ、第二言語習得論(学)で分かってきた、母語ではない第二言語の、年齢相応の学び方を取り入れるよう努力しています。

中でも、シャドーイングという方法は、子どもから大人のクラスでも常に使っています。

 

これは、シャドー(影)のように、手本の音声をどんどん追いかけるように、声に出して言って行く練習です。

何とおりかやり方がありますが、子どもの場合は文字と音声の一致もさせたいので、耳で聴きながら、文字を指で追わせつつ、声に出して読ませています。

シャドーイングは、英語学習に必要なインプット(聞く)とアウトプット(言う、読む)を同時に鍛錬できるうえ、「認知を超えた上位の認知(メタ認知)」、つまり自分が学習している状態をその場で第三者的に認知する(自分をモニターする)ことができることから、学習効果があることが科学的に示されています。

 

あるとき、スクールでわたしたちが指導した起伏ある表現があって、おまけに子どもらしい生き生きとした表現も加わった、ほぼ満点のリードアラウドを披露してくれた生徒がいました。本人の潜在能力や実力もありますが、素材として渡ししていた音源で、シャドーイング練習をしたということも聞き、その効果を再認識しました。

 

以前はCD付きの絵本を探して、利用していましたが、昨今は出版社がCD付きをあまり作らなくなってしまいました。

そこで、シャドーイングの練習ができるように、新年度はYouTubeにあがっている、officialの音源か、許諾を受けている団体のもので、かつわたしの耳で「これなら」と確認したもの(これがなかなか、ない)、または「門外不出」の私家版などでご紹介します。

 

さしあたり、以下の3本。今回『The Rock From the Sky』はpart1です。

 

  1. David Goes to School
  2. Alligators All Around  
  3. The Rock From the Sky part 1

     

絵本リードアラウド、聞く気にさせる心構え: その3.relatability〜認定講師講座2022年度第1回

2022年度リードアラウド認定講師講座第一回で取り上げた、英語絵本を子どもに読むときの心構え、ふたつは先日のブログ1とブログ2に記した。

 

最後、3つめの心構え、relatability とは関連しうることという意味だが、つまり、聞き手である子どもがその本からの情報を、自分に身近なものと関連づけられるようにすること。

 

今回の課題書を例にとれば、登場しているキャラクターのゾウを、こんな風に結びつける。

「この一番ちいさなゾウは、幼稚園の年長さんくらいの年かな、君と同じくらい?」など。

これは家族で読みあうときに、普通にやっていそうでもある。

 

「こんなこと、したことない?」

「これって、みんなだったらどうする?」

などと、質問もいい。

 

自分のこと、直接知っていることと、本の内容が結びつくと、興味がわいたり、イメージがリアルになって印象深くなるものだ。

関係ないと思っていた英語の絵本の内容を、少しでも頭に留めてくれるだろう。

 

今後は意識的に、積極的にrelatabilityを高めて行きたい。そして、それが読書のため、英語学習のためにもなるということを、保護者にも伝えたい。

 

 

 

 

絵本リードアラウド、聞く気にさせる心構え: その2.exprssion〜認定講師講座2022年度第1回

英語を母語としない子ども、そして「遠慮」とか「行儀」とかよりも「直感」がまだ強い年頃の子どもに、英語絵本を楽しませるには、読むわたしたちに本気の心構えが必要だ。

 

2022年度リードアラウド認定講師講座第一回でも、そうした心構え3つを語ったが、その1がenthusiasmで、それについては先日のブログに記した。

 

今回はその2、expression、表現について。

 

読み手が聞き手に、どう絵本を聞かせるか。

ただ漫然と読むのではなく、表現することなのだ、という心構えをすること。

 

わたしたちの表現は、主に聞かせることであるから、「音響効果」を考えたい。

たとえば、絵本によくあるrepetition。

繰り返しだが、その部分は作者が読み手に「ここを面白がってね」「面白がらせるように読んでね」と願っているところだろう。

効果的に音で、面白がらせる方法をいくつか。

 

ひとつは、節をつけること。

勝手な節ではなく、英語の流れから考えられる節、抑揚とも言える言い回しだ。

歌で言えばサビにあたるところ。

作者も、知恵を絞って「キャッチーな」音に乗せてあるだろう。

リードアラウドでも、子ども心を捕まえる大切なところだ。

 

ここで、つっかえたりするのはご法度。

せっかくの盛り上がりで、効果がガタ落ち。何度も練習したい。

 

しかし、繰り返すので、語り口がゆっくりすぎると、くどくなり飽きが来る。

滑舌よく、音楽のように、リズミカルに、少し速さが必要だ。

 

この部分の調子がいいと、子どもが勝手に真似してくれる。真似をしてくれたら、大成功。

 

表現のための「音響効果」は、声の要素(高低、大小、強弱、遠近など)を駆使してだす。

コツは、いつも自分が思うよりも大きく幅をとること。

 

そしてこのほか、特に日本人のわたしたちは、表現を豊かにするために、

Make a fool of yourself (ばかになる)、を心がける。

 

目の前のいい大人が、たとえば汗だくでゾウの鼻のつもりの腕をふりふり、「フワーン」とか鳴き声まで出して、elephant’s trunkとtrumpet(鼻からの音) を伝えようとしているの見たら、子どもは思う。

「この大人、面白いな」

目の前でmake herself(himself) a foolしている読み手の、表現しようとしていることを考えてくれる。

 

 

リードアラウド指導者のみなさん、

expressionするのだという心構えある読みを、子どもにも、そして家で読んであげる保護者にも、お見せしよう。

絵本リードアラウド、聞く気にさせる心構え: その1.enthusiasm〜認定講師講座2022年第1回

『絵本リードアラウド認定講師講座』の2022年度が始まった。気持ちを新たに、違った切り口からも、英語絵本のリードアラウドそしてReadingのAdvocate(提唱)をしていきたい。

先日の講座でも挙げたが、子どもに英語絵本の朗読を聞く気にさせる、わたしたち読み手の心構えがある。

心構えその1「enthusiasm」

「聞いて聞いて!」「この本の話は面白いから」という読み手(わたしたち)の心の躍動や熱のようなものを持つこと。この重要性をはっきりと意識したのは、ある経験が続いたときだった。

初めてリードアラウドする本があると、参考にするため、YouTubeで主に英語圏の人たちのread aloudを聞いてみる。作者自身の朗読が見つかった場合は、最後までちゃんと聞くことにしている。朗読自体の上手い下手は別にして、作者が意図した意味を読み方から推測できることが多いからだ。

問題は作者以外の人々の朗読だ。第一声で、「これ以上は聞きたくない」と再生を止めてしまうことがある。次の人はどうだろう。「もういい」と止める。次も、次も、次も……。運がよければ、「いいなあ」と感じるものを見つけられるという状態だ。これはどういうことなのだろう? わたしの耳に問題があるのか。耳が肥えすぎた? いやいや、そうではないだろう。なにかが足りないのだ。こんな朗読を子どもに聞かせたら、行儀のいい子以外は席を離れてしまうだろう。なにが足りない?

そして、はっと気づいた。「enthusiasm」じゃない? 読み手が、本の面白さや楽しさを伝えたいと思っていない。それどころか、面白いとも楽しいとも思っていないのかもしれない。面白さや楽しさが、全然表現されていない。「聞いて聞いて!」「この本の話は面白いから」という熱意、ほかの人を呼び込む「enthusiasm」がない。

では、これから読もうとする本に対して、enthusiasmを持つにはどうすればいいか。こう考えた。

  1. 選書を吟味する:面白いと思えそうな本を探すか、教えを乞う
  2. 読解する:自分でだけでなく、プロの解説を読んだり聞いたりする
  3. 好きなところや面白いと思うところを探す

リードアラウド指導者は、自分自身のenthusiasmをギラギラにして、親や大人がこの三点をクリアし、enthusiasmを持って子どもに朗読できるよう導きたい。

A Parade of Elephants

『絵本リードアラウド認定講師講座』今後の課題その2「滑舌」:2021年度リードアラウド認定審査終了〜リードアラウド研究会

『絵本リードアラウド認定講師講座』2021年度の審査会でみなさんのリードアラウドに耳を傾けていて、ときどきまどろっこしくなったり、せっかくのリズムが崩れたりして「もったいない」と思うことがあった。そこでの問題は「滑舌」だった。

今後の認定講師講座の課題のひとつ「語尾」については前回書いたとおり。もうひとつの課題、滑舌も挙げておこう。

滑舌がいいリードアラウドは、強調したい言葉が、記憶に留めてほしい音が聞き手の耳に入る。また、滑舌がいいと、緩急を楽しいくらい自由に変えられる。たとえ早く読んでもはっきり聞こえる。表現に適した速さで読んで、ちゃんと感情を乗せられるのは、滑舌ができているからこそでもある。

表現の幅を広げる術のひとつとして、演劇人が練習する滑舌は、リードアラウドを学ぶ人にもやはり必要だろう。これまでも取り入れてきたが、2022年度の認定講師講座(用賀オンライン)でも、機会があるごとに少しずつでも演習していきたい。

Fox in Socks (Dr. Seuss: Beginner Books) [With CD]