「お経」が消えた、シャドウイング効果!〜キッズブックス英語スクール

小さなクラスで英語指導をしていると、ときに生徒が気がかりな、固定しそうな好ましくない英語のクセを出し始めるのに気づく。

一年くらい前のこと、幼児のときから絵本でリードアラウドをしてきたひとりの小学生クラス生徒の英語の一本調子が気になりだした。

そこそこ読めるのだがどうも一本調子なのだ。

「お経みたい」とクラスメートに言われて、ひょうきんな本人も調子に乗って、ますます一本調子に磨きをかけそうで、指導者としてだんだん悩みが深くなっていた。

リードアラウドをずっとやってきて、お経みたいな英語じゃ…。胃も痛くなる。

そこで、試したのがシャドウイング。

この年の子どもに出来るかな、などと心配したのは杞憂だった。

これまでも、手本を読み、その後に続いて読ませていたが、シャドウイングと違って手本を聞いてからちょっと間が空くと、手本などまったく左から右へと、耳から抜けてしまうのであった。

それが、シャドウイングさせたら、どうだ。

まず、難なく後についてこられるのに感心した。

そして、素晴らしい。

指導者の読み方にすっかり「つられて」、読み間違えはないし、自然なイントネーションも表現もちゃんとついているではないか。

なんだ、できるじゃない!

シャドウイング、どこがいいのかというと…

手本のすぐ後をついて読むから、まず聞き耳をたてる。

それから反射的に声に出すから、真似が自然にできる。

第二言語習得論的に言えば、

音声インプットの知覚とほぼ同時に

同じ音声を発音することによる効果だ。

模倣しほぼ同時に再現すること、これがシャドウイングでの習得だ。

この生徒は、おかげで今はすっかり読むスピードも上がり、

文尾でちゃんと音が下がってセンテンスの終わりもわかるし、

微妙なニュアンスもつき始め、あの「お経読み」はまるで、遠い昔の話のように思う今日この頃である。

「CDB!」って言われても〜キッズブックス英語スクール

「継続は力なり」、英語習得は疑いもなくその通りだと思う—なので、小学生クラスは今、土曜日に来られなくなった生徒のために、通常の土曜日の二子玉川に加えて平日1日、用賀に教室を移して同じクラスを開講している。

新学期、平日クラス第1回目。

ドアを開け、

Hi, how are you?

と始めたら、すかさず

I’m hungry.

の声が返ってくる。親しい空気がありがたい。

そうだった。小学生中学年以上の男子、いつも空腹。今春めでたく大学生になったある男子の時も、そうだった…。

経験則では、こういう時は、バナナ。一房用意しておけば、空腹は収まり、口も滑らかになる。

ふた組に分かれてしまったが、この小学生クラスはかなり読める生徒たちのクラス。どのくらい読めるかといえば、英語圏の2〜3年生程度か。それぞれ弱点はあるが、かなり文字の多い本を、容赦ないスピードでのシャドウイングについてこられるし、意味も取れ、本の内容について冗談を言い合ったり、リードアラウドで理想に近い伸び方をしている。

本年度このクラスで使う最初の2冊のうち1冊は、とてもユニークな絵本だ。暗号?で書かれたWilliam Steig(『Shrek』は映画化された) の『CDB!』。

リードアラウドに加えて、これでWriting指導にチャレンジする。

先日の土曜、そして火曜での手応えは…

よい!

Steigのユーモアと、それを体現する味のある、そして芸術性の高いイラストが、1ページ1ページに深みを与えて、「学習させよう」というチャッカリした指導者の魂胆を隠してくれる。

そして学習に必要な、好奇心を喚起する。

「さあ、タイトルを読んで!」

シーン。

「うん?こんな短いの、難しくないよねえ?」

CとDとBだけ!

「絵を見て。男の子が、虫?を指差して言っている、なんて言ってるのかな?」

「この虫は?…そうそう、bee。よくわかったね。じゃ、指差してなんと?」

「このbeeを見てってかなあ?」と生徒。

「そうそう、では英語でなんて言う?」

この瞬間に、土曜のクラスも火曜のクラスもキラリ。誇らしげに、

「See 〜bee!」

「〜のところは?[ D]ってかいてあるね?何?」

「そっか、See the bee! CDB」

と、解読したところで、手元のホワイトボードに英文を書かせる。

嬉しそうに 書いてくれるのが、また嬉しい。

こんな仕掛けで、英文を考えさせ、書かせ、それから「暗号」と絵だけを見てリードアラウドさせて…。

ある場面の「暗号」、「S, N-D」。Yes, indeed.

意外と知らないindeedだったが、ここで多分、みんなの頭に記憶として残せた、N-D。

Writing、まだまだ続く。O, S. (oh, yes) Let’s have some more fun!


認定講師審査会【大阪】報告:その1〜リードアラウド研究会

大阪でのリードアラウド認定講師の審査会がまだ肌寒さが残る3月末にあった。

まずは朗読。審査課題書からみなさんがそろって選んだのは『A Big Guy Took My Ball』。

こんな所感を書いた。

たとえばMさん:

声量が豊かで伸びがあるため、聴きやすい声で好感が持てる。欲を言えば、大小・強弱・遠近などに、もう少し変化をつけたい。

 役のキャラクターを考えなければ、一般的なfluencyはあり正確でそつがない。ただ、課題書は朗読劇なので、キャラクター造型が必須。もっと三役を際立たせ、各キャラクターに語らせる。誰の台詞か分かりにくいので、役別にピッチと緩急の開きをもっと大きくする。口だけでなく、体全体で表現して、表情も大きめに差をつけてみるよい。

またはKさん。

 声量が十分あり聴きやすい。また、声に明るさや楽しさが感じられるところがいい。

 台詞の解釈もよくできていて、ほぼ自然な語りに聞こえる。さらにキャラクターを立ち上がらせるには、どんどん言い進むのではなく、ためらい、ため、息遣いを入れたり、大小・強弱・高低の幅を大きくしたりするとよい。キャラクター研究をもう一歩進めることで、自然にそういった要素もでてくるだろう。

そして、ベテランの域に入って来たJさん。

声にボリュームと変化があり、魅力もある。キャラクター造型を意識しているため、表現もより大きく立体的になり、言葉が本から浮かび上がった。視線の動きも自然に感じられた。

 三役の声・口調・緩急の分離をもう少し大きくすると、もっとキャラクターが分かりやすくなる。特にPiggieの幼い可愛らしさに工夫があるといい。幼女のキャラクターは他の本でも使えることが多いので、幼い女の子を観察して今後の参考に。

 正確で安心感のある朗読は、印象付けもあって、楽しく聞くことができた。

こんなところを、審査では聴いたり見ていること、参考に。

認定講師審査会【大阪】報告その2〜リードアラウド研究会

審査会では、指導力もみる。会場の大人を今回は「小学生低学年」に見立てての模擬指導を、『A Big Guy Took My Ball!』『We’re Going on a Bear Hunt』で。

指導力の審査では、どんなところを見ているか。ここにまた、わたしが書いた所感をいくつか挙げる。

認定の「Reader」レベルの審査の所感。

生徒の意見を拾い、andで繋ぐことがうまくできていた。生徒がすべきことの指示もわかりやすい。大づかみさせる質問は、分析を踏まえて出せるといい。

 生徒とのやり取りで進行する方向性は見えたが、語ってしまう場面もあり、今後に期待する。

「Associate Instructor」審査では、こんなところを見ている。

 リードアラウドの約束は安定して指導でき、少し余裕も感じられた。本文の内容への伏線的な発問などがあると、生徒はもっと大づかみでき、読解を進められるだろう。テーマ的な発問など、分析を参考にタイミングよく挟みたい。感情表現を練習させるアクティビティなどを挟み、指導に厚みがでたのはよかった。

 自らが解説するのではなく、生徒に発見を促すこと。また、生徒の発言や反応を聞き逃すことがあるので、うまく拾い、Yes,andして活かせるようにしたい。


そして、「Instructor」審査ではこのよう。

表紙からの導入や、リードアラウドの約束のデモンストレーションをはじめ、発問で授業を進めることができ、そつがなく安定していた。特に生徒の答えや反応をよく拾い、これまで以上によくYes,andを心がけていたのが分かった。即興的にアクティビティを挟む余裕もできていた。

 伏線を敷くなど、計画が練られており、高学年の授業にも対応できる。

 なにかの拍子に、進行を急がなければならなくなった場合、 与えられた時間でツボを拾いつつ、臨機応変にまとめることができるとさらによい。

みなさんそれぞれが、こんな(自分のではなくとも)審査の所感からでも、今年度の目標をみつけて、より表現豊かな朗読とより深くかつこなれて楽しいいリードアラウド指導へと進めていくのもいいかもしれない。

リードアラウドでつける英語のスタミナ〜キッズブックス英語スクール

リードアラウドで学ばせる我がhスクールでは、英語絵本を「教材」に、1冊を3~4回のレッスンで読んで、聞いて、考えていく。途中で、2冊目目を始める。

そして毎年度、12月と3月には家族を招待しての発表会を開くので、「ひとまず」終わらせた既読の絵本も引っ張り出して、再び練習する。

こうした一年間を小学生の時から続けた生徒、まだ多くはないが、そういう生徒を客観的に英語力で見てみると、どうやら英語のスタミナとでもいうものがついているように思う。

英文、それも長めの文を前にした時の、不安とか緊張がほとんど感じられず、すっと読み進める。ちょっとやそっとの、いわゆる「長文」には息が上がらないのだ。

また、一つ一つの単語に拘泥せず、文を大づかみにする習性ができているようだ。

これは、一朝一夕で身につく力ではない。この力がまだないものには、実に羨ましい力だ。継続は力なり、なのだ。小学生時代からの英文インプットが蓄積して、高校生になって力を発揮している。


絵本一冊の、英文の文量はさほどない。だが、表現練習などで知らず知らずのうちに何度も繰り返し、発表会のために一旦しまった記憶を引っ張り出してまた練習することなど勘定に入れると、読む量も脳にかかる英語の(良い)負荷もかなりのものになる。

小学生2、3年までのものと考えられがちな英語絵本だが、もう一踏ん張り、二踏ん張りして、中学までも読み続けてみる価値がありそうだ。そして、英語絵本もそれに対応した、いや、それ以上にも対応できる内容があるものが山ほどある。