『ハーフ HAFU the Film』を見た

近頃、日本で生まれる赤ちゃんの49人にひとりが、いわゆるハーフだという。
確かに、少なくともわが家の環境にあっては、ハーフだらけだった。

そんな、親の片方が日本人、もう片方が外国人の子どもたちのうち、20〜30歳が中心になって、自分たちのような人たちの考えていること、していることなどを追ったのが『Hafu』というフィルムだ。

渋谷の東急本店近くの小さな上映会場に行ってみた。
開場を待つ人々は、みんな知らない人たちなのにもかかわらず、どこかで会ったひとかなと思って、数人と顔を見つめあってしまった。

わたしが知っているハーフたちと雰囲気が似ているせいだ。

白人と日本人のハーフには、よく似た顔があると思う。
自慢じゃないが、よそのハーフを自分の子と間違えたことまである。
「おばさん、ぼく、違うよ」と言われて気がついた…。

大雑把に言えば、男なら野口健さんや室伏さん、女なら森泉さんみたいな感じかな。

バイリンガルに育ったハーフには、よく似た話し方もあると思う。
丁寧というか優しいというか、やわらかい。
あと「ふ」の発音。英語の「f」の口をする。

いろいろ、似ているところがある人たちだなと思っていたが、このようなフィルムが出来たということは、自分たちでもそれに気付いていたわけだ。
自分たちのことを一種のtribeだと、言っていたハーフもいる。

このフィルムでとりあげられたハーフは、
日本と、ガーナ、オーストラリア、ベネズエラ、メキシコ、韓国 。
メキシコとのハーフは、まだ小学生だが、あとは20-30代の大人だ。
女性監督ふたりも、アメリカそしてスペインとのハーフ。
流れる歌は、アンジェラ・ユキ。

ハーフに恐らく共通しているのは、100%○○人より、アイデンティティについて考えていること。
それぞれの国に好きか嫌いか、流動的だが、そのときどきで意見を持つこと。
いつも「外国」のイメージを頭の片隅に持っていること。
日本にいて疎外感を感じたことがあることなどなど。

このフィルムのなかのハーフたちの言葉を聞いていて、ぼんやりだが、やはり共通するものに気付く。
文化人類学的な、新しいテーマだろう。
今後の学問的発展に期待したい。

日本は移民に門戸を広げる予定はまだなさそうだが、国の中で生まれたハーフたちとともに、意外と早く多文化化が進んでいるようだ。

フィルムを見て気付いたことのひとつだが、ハーフと言っても、バイリンガルのハーフと、モノリンガルではまたちょっと違うということ。
アイデンティティに対する言語の役目も大きい。

だから、ハーフではないが、バイリンカルの日本人(インター校卒や子ども時代に英語で生活した人)は、普通の日本人よりも多少ハーフに近いところがあると思う。
この人たちにもハーフにも、英語でしかしっくりこない気持ちと、日本語でしかしっくりこない気持ちがある(だから、しばしば言語がチャンポンになる)。

浮かんでいるもやもやしたものを、すくって、「ほらこれを見て、何だか似ているでしょ」とハーフの「もやもや」を、このフィルムで見せてもらった。

さあ、それからどう考えよう。
何を考えよう。
だから何なんだろう。