「先生、この子は英語が大好きで……」

 先日、小学校3、4年生とリードアラウドしたときのことが忘れられない。30人で『How About a Hug?』をリーダズ・シアターっぽくリードアラウドしたクラスだ。
 この学校のリードアラウドでは、親御さんの参観を歓迎している。そして、参観にこられた親御さんたちに、いつもボランティアでお手伝いをしていただいている。この日も、10人程のお母さんがいらっしゃった。

 帰り際、熱心にリードアラウドしてくれた(見事に読んでいた)ひとりの生徒と一緒になった。
「すっごく上手だったねえ」と、生徒たちの読みの素晴らしさの感動をひきずったままのわたしが声をかけた。すると恥ずかしそうに目を伏せた。
 すると、そばにいたお母さんが、とても気持ちのよい嬉しそうな笑顔でこう言った。
「先生、この子は英語が大好きで……。いつも本を何度も読むんですよ」

「英語が大好き」「本を何度も読む」!!
 この言葉を拡声器で連呼しながら日本中をまわりたいと思った。

 学校の出口付近で、また別の生徒とお母さんと会った。始まってからずっとポーカーフェースだったのに、自分の読む番がくると表現豊かにスラスラ読んでいた生徒だ。
 これまた賞賛できるチャンスと、声をかけた。すると、誇らしそうに背筋をぴんと伸ばして、「ふふふ」といった微笑みを浮かべた。お母さんは、これまた嬉しそうに黙礼。

「30%しか読めなかった!」と、嘆いてきた生徒もいた。「ええ〜、もっと読めてたよ!」とわたし。本当にこれは、たいそうご謙遜の数字なのだ。明るい表情でそういう発言をするのは、これから伸びる証拠。とても嬉しく聞けた。

 ここでは、学校と家庭と子どもがリードアラウドと幸運な出会いをしている。

How About a Hug?
『How About a Hug?』

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