第1回目実習修了!

 実践ワークショップから数日後、第1回目の実習があった。実習生Eさんと打ち合わせをし、「いろいろ臨機応変に」というわたしの「自由形」指導後、ふたりで学校に向った。

 これから実習するみなさんを、萎縮せてはいけないが、なかなかハードルの高いクラスだ。箸がころんでもおかしいらしく、クスクス笑っている5年生の女子、自閉症気味のじっとしていられない男子、表現をことさら理屈をつけて平坦にしようとする6年生男子、英語に不自由がない日英(?)のハーフ、英語に多少勘がきく日米のハーフなどなどの3年から6年生の混成クラス。

 ありがたいのは、その学校の先生たちが大変協力的だと言うこと。この日は生徒に混じって先生が2名参加して熱演。

 黙って、まっすぐ座っていられない生徒がいた場合、それを「障害」だからと無視して進めていいのかは、大変迷うところだ。

 この日は、ほとんどEさんとわたしふたりで進めたDavid Goes to School だった。Eさんは、それでも抜群の滑舌で、子どもたちに「ほ〜」と思わせたのはいい。そのようにウリを作って、引き込むのはいい作戦だ。

 印象付けるのは、なかなか初対面では難しいが、それもリードアラウドの方法のうち。客観的に自分を見て、ウリになりそうなところを、もう少し図々しく、拡大解釈・拡大表現して、子どもたちの前に立ってみよう。

 また普通の部屋で2、3人に話すには十分な声でも、音響の悪いランチルームが会場でもあり、生徒の注意力も散漫気味だ。こんなときは、通る声で求心する力の必要性を特に感じる。

 今後の実習生のみなさんには、出来るだけしっかりした発声で本を読んでおくことをお勧めする。日程は近日中にお知らせが届くはず。使用絵本については、まだ未定の日もあるので、決まり次第、担当の皆さんにお知らせします。
David Goes to School
『David Goes to School』

来週からは……
Yo! Yes?

リードアラウドしたら子どもは眠れなくなる?!

 リードアラウド実践ワークショップに参加した方から、How Do Dinosaurs Say Goodnight? の読み方の悩みが聞こえてきた。

 ……(課題で使ったDinosaursの本は)「お母さんが読んであげているんじゃないか」という考えから抜けられませんでした。寝る前の子どもを興奮させたくないわけで、そうすると、ワークショップでの読み方とは違ってきます。

 教室や会場に集まった子どもたちに、エンターテメントとして読むリードアラウドをしたので、当然「寝かす」とは逆の方向性が強くなる。聴衆に寝られてしまっても困るので。
 リードアラウドするひとは、TPOで演出を変えられるようになることも必要だ。

 あの本をひとりの子どもに向って、就眠前に読むのであれば、後半のNOからの部分、いい子になる場面を、前半とは雲泥の差ほど静かにするという演出にする。静かに、そしてゆっくり、ゆっくり、とろとろと。そして、Goodnight…と囁く。あのWSでも練習したように、whisperするのだが、聴衆がひとりで部屋は静かなのだから、ぎゅんとボリュームを下げてする。声の艶を失わず、囁けるようになるのが、またReaders-aloudの目標!

 平坦なつまらない読みも、ありがたいことに子どもを眠りに誘ってくれる。だが、聴衆というものがあることを前提としているリードアラウドは、就眠用の本を読む時、聴衆を想像上の就眠の雰囲気に、ドラマチックにもっていく。同時に、リードアラウドは双方向性を持つので、その雰囲気に持っていく表現方法を聴衆に手ほどきする。

 また補足だが、「お母さん」という抽象的なくくりで演技をすると(リードアラウドをすると)、いわゆる「臭み」がでるので注意したい。

 たとえば、お母さんが読むなら、どんなお母さん?どんな一日を過ごしたお母さん?どの子のお母さん?何歳?夫婦関係は?何曜日のお母さん?子どもが何人いるお母さん?この本を読むのが何回目のお母さん?……いろいろ情報を入れ、平面的でない生きたお母さんを演じて読みたい。

 自分のなかに思い込みはあるもので、それをタマネギの皮をむくように、一枚一枚剥がして行く作業が、表現者としての成長に繋がると思っている。
How Do Dinosaurs Say Good Night?