リードアラウドしたら子どもは眠れなくなる?!

 リードアラウド実践ワークショップに参加した方から、How Do Dinosaurs Say Goodnight? の読み方の悩みが聞こえてきた。

 ……(課題で使ったDinosaursの本は)「お母さんが読んであげているんじゃないか」という考えから抜けられませんでした。寝る前の子どもを興奮させたくないわけで、そうすると、ワークショップでの読み方とは違ってきます。

 教室や会場に集まった子どもたちに、エンターテメントとして読むリードアラウドをしたので、当然「寝かす」とは逆の方向性が強くなる。聴衆に寝られてしまっても困るので。
 リードアラウドするひとは、TPOで演出を変えられるようになることも必要だ。

 あの本をひとりの子どもに向って、就眠前に読むのであれば、後半のNOからの部分、いい子になる場面を、前半とは雲泥の差ほど静かにするという演出にする。静かに、そしてゆっくり、ゆっくり、とろとろと。そして、Goodnight…と囁く。あのWSでも練習したように、whisperするのだが、聴衆がひとりで部屋は静かなのだから、ぎゅんとボリュームを下げてする。声の艶を失わず、囁けるようになるのが、またReaders-aloudの目標!

 平坦なつまらない読みも、ありがたいことに子どもを眠りに誘ってくれる。だが、聴衆というものがあることを前提としているリードアラウドは、就眠用の本を読む時、聴衆を想像上の就眠の雰囲気に、ドラマチックにもっていく。同時に、リードアラウドは双方向性を持つので、その雰囲気に持っていく表現方法を聴衆に手ほどきする。

 また補足だが、「お母さん」という抽象的なくくりで演技をすると(リードアラウドをすると)、いわゆる「臭み」がでるので注意したい。

 たとえば、お母さんが読むなら、どんなお母さん?どんな一日を過ごしたお母さん?どの子のお母さん?何歳?夫婦関係は?何曜日のお母さん?子どもが何人いるお母さん?この本を読むのが何回目のお母さん?……いろいろ情報を入れ、平面的でない生きたお母さんを演じて読みたい。

 自分のなかに思い込みはあるもので、それをタマネギの皮をむくように、一枚一枚剥がして行く作業が、表現者としての成長に繋がると思っている。
How Do Dinosaurs Say Good Night?

 

 

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