教えずして教えるリードアラウド

リードアラウドのスクールで、そろそろ12月恒例になりそうなミニ発表会が近づいて来た。
ひとりひとり、みんなの前でリードアラウドするほかに、Readers’ Theater式に、1冊の絵本をせりふのように役を分担して読む。
その1冊、Guess What? を多少アレンジして台本にした。

ママたちのせりふ部分だけ、本文にない文を付け加えた。
本文では疑問文で「魔女ってこんな?」と、
たとえば Is she tall? などと子が尋ねて、「どうだろう(Guess)!」とママが言う。

描かれた絵を確認してから、「その通り(Yes)!」と答える。
その後に、She is tall. と改めて肯定文で言い直すせりふを付け加えたのだ。

先々週、この部分をママのせりふと言いながらも、「ミッケ!」のゲームのように3語の並びの違いを探させたら、意外にも、みんな(5〜8歳)夢中になってしまったのだ。

「isが前に出て、iが大文字になる」「ピリオドとクエスチョンマークが違う」「SheのSが?が付く文だと小文字になる」と、われもわれもと肯定文と疑問文の違いを挙げる。
これは、予期しない展開……。
まだ教えるつもりはなかったのに……。
ああ、これがリードアラウドのモットーのひとつ、教えずして教えるだった。

この日の授業の感想で、この「規則が面白い」と2年生は言った。
そして、先日のこと。
せりふの読み合わせだった。
そしたら……、
絵本には書かれていない、その疑問文を肯定文にするせりふを、ほぼ正しくそらでも言えてしまった!

好奇心に満ちた脳には、面白いと思ったことがスルリと入ってしまうようだ。
子ども、恐るべし。
子どもって、大人の常識で言ったらみんな「天才」のような気がしてきた。

ああ、それにしても中1でやらされた「肯定文↔疑問文」の練習も、こうやってこの絵本でやっていたら、あんなにつまらなくなかっただろうなあ。

Merry Christmas, Big Hungry Bearのリードアラウド

みなさん、特に今月のワークショップ参加予定のみなさん。
Merry Christmas, Big Hungry Bear! の練習は進んでいますか。

ひとつの目安として、タイトルからthe Endまでの朗読時間を測ってみましょう。
ひとに聴いてもらうことを前提に、4分台で読むことを目標にしたらどうでしょう。

これは、全体をテープの「遅まわし」をするような読みではなく、言葉を大切にし(bigやhungryやcold, darkなどにイメージを込め)、かつスピード感がある場面ではドキドキを感じさせるように読み、場面が移るときには距離感を出す間を充分にとり……などしての結果の読み時間です。

声については、高音から低音までコロコロころがるように自由に出せるようになるには時間がかかります。
それは、じっくりこれからもヴォイス・トレーニングを積むとして、今ある声を使って、ドラマチックに読むには、時間感覚も大切です。

自分の読みを録音して、まずは何分かかっているか、みて下さい。
経験上、本書が3分台の読みでは、ちょっと物語があっけなく感じます。
まずはみなさん、「緊張感ある4分台の読み」を工夫してみてください。

PS.
来年2月からのワークショップ、現在予定を作成中です。
また、選書は指導者のみなさんが、指導する際の対象生徒のレベル(入門・初級・中級・上級)へと、2月のセッションから11月セッションにかけて上げていき、12月を発表会とする構成は基本的に今年と同じにするつもりです。
使用する絵本は、今年とは100%違う本になります。

リードアラウドで英語指導を考えている方、またリードアラウドはご存知でなくとも英語絵本を英語指導に結びつけたい方、ベテランだが英語絵本のレパートリーを増やしたい方など、ご参加をお待ちしています。

また、この3時間に渡るリードアラウド(朗読法+指導法)を学ぶワークショップとは別に、時間は半分の90分で、英語絵本の朗読法のみを初歩から学びたい方、いわゆる「読み聞かせ」をドラマチックに変化させたい方に、絵本朗読初級コースがあります。
使用絵本は、入門と初級レベルです。

初めての英語、初めてのリードアラウドと子ども

『声に出して読む英語絵本 初めてのリードアラウド』でも、何度か言及したが、子どもをリラックスさせることが、英語絵本を読むことを楽しいと印象付ける要だ。

「リラックスする→頭に英語や本の内容が入る→わかる→楽しい→その英語絵本が好きになる→英語に興味を持つ」という連鎖反応を、リードアラウドでは狙っている。

先日のスクールでは、英語を読むのが初めてという体験生ふたりを迎えて、そしてまた書店では、いつものことだが、リードアラウドや英語が初めてという子たちを交えてのセッションがあった。
共通するのは、子どもたちの緊張感。

子どもが緊張して恐る恐る英語絵本を手にしているのを見ると、わたしのなかの「チャレンジ・ボタン」が押される。

絶対、この子たちを笑わせるゾ。
笑いはリラックスの象徴なのである。

まずそのために、初めての子にできることを創る。
たとえば、繰り返し部分の読みだ。
Guess What?では、Guess!と、Yes!が、何度も繰り返される。
この2語の読みがとっかかり。

大切なのは、「できない自分を気遣って、先生が簡単なところだけ指した」と思われないように、うまく振ること。
リードアラウドで、実に都合いいのは「感じを出して読む」という約束事だ。
これまで英語をやってきた、またはもうリードアラウドに慣れている子でも、「感じ」がつかめていない読みはする。
だから、そういう「先輩」たちにも同じ箇所を当てて、感じを出して読ませる。

先日の書店イベントでは、David Gets in Troubleを使ったので、「David」の読み方や言い方がとっかかりの役目を果たしてくれた。
叱るDavidのママの、「David!」の言い方が場面場面で違うので、繰り返しがいがある。
また、タイトルを色んな読み方で読む練習もしたので、タイトルの4語も自然に読めるようになった。

大人にさえも「感じが違う」などとダメ出しをして何度も繰り返すうちに、初めて参加した子も、すっかりくつろいできた。
「Excuse me!」とDavidが叫ぶ場面では、店にみんなの大声が響き渡った!
そして、Guess What?のクラスでも、Guess! とYes! で、新人たちの元気な声が聞こえた。
フッ〜。

P.S.
課題はある。
Guess Who? のクラスで、この本がこの日で3回目の子たちの「飽き」への対応。
現在作成中の、来年度のカリキュラムで、うまくこれを解決させたい。
1冊の本を3回連続で学ぶというスタイルから、平均2回にするかも。

Merry Christmas, Big Hungry Bearの予習

今月10月29日のリードアラウド・ワークショップは、Holiday Season にぴったりのWood夫妻作Meryy Christmas, Big Hungry Bear! を使う。
お勧め予習は、次のような感じで。

1. voiceはだれのものか、はっきり認識する。
2. ネズミの行動と、voiceが言っていることの繋がりを理解する。
3. ネズミの動きを映画のように連続でイメージしながら、読む。
voiceの持ち主の目が、映画のカメラのように動くので、各ページでどこに「目」があるのか、その持ち主になったつもりで、読む。

言う易し、リードアラウドは難し。
みなさんの「名演」をお待ちする。

Mo Willems作品でリードアラウド

リードアラウドでは、Mo Willemsの作品をよく使ってきた。
子どもが元気になる本だと思う。
最初の出会いは、Time to Say “Please”だった。

近頃は入門レベルのときなどに、Cat the Cat シリーズを、初級で時間がたっぷりあるときは、Elephant & Piggieシリーズ、ということも多い。

来年度はPigeonシリーズも使うつもり。
作者Mo Willemsの笑いのツボが、何だかわたしのツボにぴったり。
そして、それが日米問わず、子どもの笑いのツボで、子どもたちに人気なのでついつい選書が多くなる。

作者の最近の様子をぜひ、こちらで見て欲しい。
楽しそうな作者の様子が、作品にも反映しているのだと思えてくる。
生パフォーマンスを、いつか見たい!