リードアラウド指導は、想定外の発言への「反射神経」が必須だ。
先日『green』をいつもの私立小学校で、リードアラウドが2回目である小1、14人と読んだときのことだ。
色々な緑を挙げて、greenはgreenでもニュアンスの違うものを、再認識し、愛でていく、簡単なしかけ本でも楽しさもあるが、絵画的にも美しい。
冒頭の本文は、「forest green」。
ここから、クラスにいろいろ質問して、理解を深めていく。
「ここはどこ?」
ー「草がいっぱい生えているところ」
これで、ガクンとこける。「草」じゃありませぬ。
まあまあ、小さな想定外だ。
ありがたいことに、すぐに「森!」「木がいっぱいのところ」の声が続く。
次に、たずねた。
「森に入るとどんな気持ちがする?」
ー「くさい」
大きくガクンとこけた。
もしかしたら、先生によってはこれで頭が真っ白になる、意外とパンチのきいた、想定外発言だ。
ー「草って臭い!」
(韻を踏んだのはいいが、「草」じゃないってば)
「そうそう」とうなずく複数の頭…。
先生は、ここで黙ってはいけない。
素直に、こけて驚く。
「え〜えっ?」
すると、まるで「カタキ」をとったみたいに、クラスが活気づく。
ー「虫がいっぱいで嫌だ」
「や〜なgreen!」なんて声も。
さあ、どうする。
「ああ、緑っていいね、ずっとあるといいね」といったイメージで終わりたいと想定しているのに。
いろいろ巻き返す手はあるが、「作者の考え」を考えさせるのが王道。
また今回のように、「理科的な道理」があるなら、それもよし。
「木→酸素。酸素→動物」などと理科を持ち出し軌道修正。
この年頃は、知識吸収にどん欲であると同時に、まだ知らないことが多いという自覚も芽生えている。
理科で説明できる場合は、すっと子どもたちの空気が変わるのがわかる。
知らないことに、本能的に謙虚なのだろう。
ああ、それにしても、子どもとのリードアラウドは、大人の力が試される。