『Sing』をリードアラウド〜「♪」はどう読む?

子どもは天才だ。
リードアラウドをしていて何が楽しいって、その才を垣間見ることができること。

それは、いつものことではあるけれど、今日は「indeed!」と唸った。

『Sing』は、セサミストリート用に作られた曲で、カーペンターズの大ヒットでも有名な歌を絵本化したものだ。
Sing [With CD]

「Sing, sing a song〜」で始まる、あの歌である。

絵本では、「Sing…」と始まるまで文字のない、絵だけの数ページがある。
梢の上に鳥の巣があり、そこにヒナが3羽。
まず最初の1羽の上方に吹き出しが見えて、「♪」。
そして、嬉しそうに飛び立つ。
次は2羽目、やはり上方に吹き出しがあり、色違いで「♪」。

3羽目、吹き出しは出たが音符なし。
もういちど、絞り出した吹き出しは爆発…。

さあ、RA指導者としてここをどう使おう。

「さあ、これ読めるひと?」
澄まして尋ねてみた。

すると…
5歳くらいの男子が
「ちゅんちゅん!」

Hooray!
すごいぞ。
「じゃ、次のページの『♪』は?」

今度は反対側に座っていた、これまた5歳くらいの男子が
「ちっち!」

Bravo!

まったく英語ではないけれど、「英語絵本を楽しむ」気持ちを大いに盛り上げてくれる、素晴らしい発想だ。

こんな可愛い発言を聞いて、その場にいた大人の観衆たちの頭の上方に、吹き出しが浮かび、まるで「♥」が見えたようだった。

「こんなので、こう褒められてもな。ふふ。リードアラウドかなんだか知らないが、もちょろいもんさ」
とでも思っていそうな、どこか「どや顔」の子どもたち。

すっかりリラックスして、そのあとのページ(ちゃんと英語)も楽しんで読んでくれた。

P.S.
終わったあと、参加した子どものお父さんとお母さんらしきふたりが「こっちが『ちゅんちゅん』で、あっちが『ちっち』」と、大真面目?に確認し合っているような声が聞こえた。

絵本の行間を読む楽しさの「伝道」もできたようだ。
今日も、しめしめのリードアラウド。

Thank you again, Book House Jinbocho!

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