スクール第1期生ふたりの成長が、とくに最近目覚ましい。
ひとりは2年目後半位から、読み方を自分で工夫する兆候が見られた。
恥ずかしがりながら、語尾から変わってきたのが、かわいらしかった。
それから、文頭。
切れ切れの一本調子だった読み方が、「尻尾」「頭」と立ち上がり、語と語が有機的に繋がり、徐々に文意や文脈に合わせた起伏に富んだものになりだして1年。
初期のおかあさんの授業参加と、その後も働きかけあっての、表現力向上と、「やる気」なのだが、今やすっかり自力でここまで来たような、涼しい顔!
もうひとりの変化は、ほんの4、5ヶ月前に始まった。
それまで、かなりいい線のときと、まったく読んでくれないゼロに近いときがあった。
「ゼロに近い」ときは嵐のように荒れることもあった。
その原因は、この生徒が本来持っている力が出せない、欲求不満だろうとあたりはついた。
遅刻や休んだときの補習をすれば、きっと好転する、と思った。
そこで文明の利器、オンラインのTV電話の登場だ。
補習に使ってみた。
嫌がる日もあったりで、始めはヒヤヒヤしたが、次第に「もう一回読む」とやる気を示す言葉も聞こえ始めた。
うまく読めないと「もうやらない!」と言っていた、大の負けず嫌い。
そこに、他の生徒がいない1対1の指導が効いたようだ。
こうして、補習をすると授業の日には、晴れ晴れした表情が見られるようになった。
するとどんどん吸収し、上昇のスパイラルへ…。
新年度、このふたりは、リーダーズシアターを柱とした授業を受けている。
より本格的な表現練習をしながら、母語で頭に浮かんだ感情を英語に反射的に転換する力をつけさせたい。
そして、つい先日のこと。
わたしたち指導陣が何かを言って、それに対して生徒それぞれの口から出たフレーズ、
「Are you sure?」
「What a fish story!」
は凄かった。
まるで、「先生、まじ?」
ふざけたたとえ話に、「うっそでしょ!」。
ニュアンス、タイミングばっちりあった、英語で返してきたのだ。
その日、練習したばかりのフレーズだが、ネイティブのノリ。
笑った、笑った!
上昇気流に乗ったふたりに、これから、思いやられそう…。
こんな楽しい授業の今日この頃だが、ここまでに4年経っていた。
子どもの教育とは、あるときは、本当に先が見えない長いトンネルのようなのだとつくづく思う。
でも、わたしたちの場合のように、出口はあるわけだ。
これからも、「長い目」を心がけたい。