リードアラウド指導研修では、いろいろな質問や疑問をぶつけられる。
共通するものも多いので、いくつか拾ってみる。
Q1:先にページをめくってしまう子どもがいる。
A:先のページを見せる。
ただし、「このあと、どうなるか見てみようか」と、参加者全員にはっきり呼びかけてから。
だらだら見せず、1分以内で終える。「はい、そこまで!」とメリハリをつける。
また、最後に特別なお楽しみが隠されている場合(例:『A Dark, Dark Tale』)は注意。
見せるのはオチの直前まで。「この先はダメ!」とさらに興味をかき立てる。
Q2:緊張をほぐすために、自己紹介をしたい。
A:リードアラウドの時間を使わない。
開始の5分前に会場(教室)へ出て、普段の声・口調で子どもたちと話をする。これが双方リラックスするコツ。
名前や年を尋ねるのもいい。自分の名前は、主催側に紹介してもらうか、挨拶にまぜる。
Q3:子どもが途中で飽きてしまう。
A:
(1)同じパターンを3回以上続けない。
・強弱つけさせるとか、二拍子の間とか、声の高低で面白がらせるとかいったことが続くと飽きる。おそらく2回が限界。
・全員で読んでいたものを、ひとり、ペア、グループで読ませる。
・Yes/No、5W1Hの質問を混ぜる。
・読む速さを変える。「tongue twistersみたいに読んでみようか」と早口にしたり、ついて来られなそうな子がいたら(そのことは指摘せず)、「ゆーくりゆーくり言ってみようか」など。
・思いがけない人に振る。「お母さんにもやって頂こうか?」「○○先生にも?」
(2)動作させる。
・Yes/Noの質問をして、Yesの子どもに手を挙げさせる(または起立させる)。
挙がった手(立った)数を数えさせる。
・絵本に描かれた動作をさせる。
『Orange Pear Apple Bear』の最後でクマが「There!」という場面なら、実際の壁や柱の影から顔を出しながら、お茶目に言わせてみる。
指導者が率先して大げさ気味にすると、子どもたちはすすんでやるようになる。
(3)発問、発問、発問!
・「この服は青いね」と言ってしまわず、「あれ、これは何色?」「何色の服?」。
・「上手だったね」と語尾を下げて言わず、「上手だった?」「どう?」と語尾を上げて尋ねる形にする。
・「○○先生にもやっていただこうか?」。そして「先生、上手だった?」など。
・問題に答えさせるだけでなく、同意を求めたり、提案をさせたりする。
・特に正解がない質問では、正解がないことをはっきり言う。(萎縮気味の参加者が、間違うことを恐れないように)