生徒がこんなことを言い出したら2〜望ましいリードアラウド

リードアラウド指導人生、悪い日もあればいい日もある。

「先生、そこをゆっくり読んでくれたら、(わたしも)読みたい!」

It’s a Book』を、登場人物に分かれてReaders’ Theater形式で3,4年生18人と読んでいたときだ。

本書は、「本好き vs. PC好き」の会話で成り立っているが、途中に本好きのMonkeyが読んでいる本を、ページそのままに見せてくれる場面がある。
そこには、PC好きのJackassが言うようにtoo many lettersが並んでいる。

この文字がいっぱい並んでいるページは、わたしが読む役を買って出て、何度も、派手派手しく読むのを、それこそ我慢して「聞いて頂いていた」。
この日は、本書を一緒に読むリードアラウド2回目だった。

なにしろ、この部分の朗読は派手を心がけていた。
聞き飽きさせないためと、わたしが面白そうに読めば
「もしかしたら…」と、ある期待を持っていたからだ。

そして、ついに期待通りのことが起こった!
いや、期待以上のことが。

それが、冒頭のある女子の発言だ。

「わたし(たち)も読みたい」という彼女の発言に同調して、もうひとりが
「そして、ハッキリ!わたしたちに分かるようにッ!」
と、力を込めた。

ーふふふ。
とうとう来たな。

周りを見回すと、「うん、うん」頷いている子がちらほら。

「そうか〜。じゃ、ゆっくり一緒に読むとしようか。だけど、『ハッキリ』が、日本語っぽくってことだったら出来ないけど、ゆっくり、わかりやすくするから」

それから、読んでいる語句を見失わないよう指差しながら、かなりの量の文(海賊とそれに捕まった少年の物語の一部)を、わたし流に派手派手しく、全員で読んだ。

いやー、何ともいい気持ちだ。
読みたくて読んでいる子たちと、一緒に読むのって。

文脈的に、この部分は「長くて、わけがわからん!」と、PC好きの主人公が思う箇所で、読者もそのまま「長くて、わけがわからないところ」と思ってくれてもいい。

だが、この日の生徒たちのように、学校でも週に数時間readingをしていて、かつリラックスした雰囲気のリードアラウドに出会うと、こんな自発的な英語学習意欲が出てくる(のだと思う)。

「いいrequestをくれたねえ……」
こう言ったわたしが、本当に「じーん」となるほど嬉しかったのを、生徒は知らないだろう。

この日は、実にいい日だった。

It's a Book

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