英語の絵本を「教科書」に、豊かな表現を旗印に、独自の指導法リードアラウドと始めて10年余。
教育は、結果が出るのに時間はかかるが、リードアラウドではの結果が実り始めている。
クラスでは、教室での英語絵本読解や朗読に加えて、家庭にもちょっとしたreadingでの協力を求めることで、ほぼ2年で、英語圏小学1年生の1学期程度のReadingと、それに伴ったListening力がつくようになった。
そこで、このところの新たな懸案は、
このようにListeningとReading力を伸ばしながら、英語歴3年以上の子どもにいかに
speaking、そしてwriting、
いわゆるoutputする力をつけるか、である。
そこで、「脈」があると思っているのが、シアターゲームだ。
Improvisationとも呼ばれ、即興と訳される、もともとは演劇のメソッドとして始まったもの。
シアターゲームが、どうやら、英語のspeaking力をつけるのに必要な英語の自動化に、力を貸してくれるようなのだ。
いかに英語で「とっさの反応」ができるか、という力とも言える。
この英語の自動化の練習として、数あるシアターゲームのうち、たとえばWord Ballゲームをしている。
教材とした絵本から抽出した、日常に頻出する言い回しを20ほど貼り出す。
全員、その語句を読めることを確認したら、
ボールを用意し、みんなで輪になる。
ランダムにボールを誰かに投げ、それと同時に、提示した語句をひとつ言う。
ボールを受け取った人は、その語句を繰り返し言ってから、自分で新たな語句をボールとともに誰かに投げる。
これをスムーズに、そしてじょじょに速くまわしていく。
これだけのこと。
これは文字が読めさえすれば、それ以上の英語のレベル差は関係ない。ただ反射力で勝負できる。
そこも、子どもたちに好まれる点だ。
語学に必須の反復学習が、これでは遊びのように楽しく続けられる。
またボールを受け取ったり投げたりする動作指令が脳を忙しくさせ、言語活動も普通と違うルート、反射神経的なルートでカバーする。
これ、すなわち自動化、かと。
この日の授業は、野球や運動会で疲れている子どもの目もきらきら。
ボールのスピードも上がり、それに合わせた英語語句も実に滑らかで自然な、まるでネイティブの速度!
「もう終わっちゃった!」と、授業時間を短くも感じてもらえるほどだった。