リードアラウド認定講師講座第7回:It’s Christmas, David!報告その2〜リードアラウド研究会

It's Christmas, David!

(「その1」からのつづき)

さて次に、指導法。

これまでもリードアラウドらしい指導として「生徒を肯定する」ことを挙げてきた。
それを「努力目標」に留めず、実践できるようにする演習だ。

シアターゲームのなかの、「Yes, and」、
今回はバリエーションのひとつ、Building a Storyゲームを、課題書のDavidバージョンでやってみた。

前の人が言ったことを受け(Yes)、それに新しい展開を加えて、話を作って行く。
締めは「Naughty list, Naughty list, Naughty list…」、これでまとまる話にする。

「どうしよう」「何を言おう」考えれば考えるほど頭は真っ白、時間が過ぎる。

でもだれにでもこんな経験はあるはず。
この日も、ひとりならず何人ものこういう表情を見た。

目的は、そういう空白の時間、相手に無反応(に見える)時間を少なくして、生徒との丁々発止な会話をすること。

慣れてくると、口が先に開きだす。
「なんで自分は、こんなことを言ったのだろう」と、言ったあとに不思議になる…という経験をして欲しい。

同時に、精度を上げて、品性をもちつつ、教育的学習的意味のある何かを「and」で付け加える。

一度目は、かなり詰まる人がでた。

そして二度目。
この時の「オチ」は、「No, Christmas for you, David」、これで締める話にする。

だいぶ慣れた。
これは、楽しい演習だ。これからも続けたい。

リードアラウドの指導のもうひとつの特徴は、豊かな表現。

それを指導するのに、指導者側が平坦な、または適さない違和感のある表現はできない。

そこで本ワークショップで続けているVocal flexibilities。
この回はqualityの演習をした。

課題書は、Davidを叱る台詞が本文のほとんど。
大仰な叱り声も、数回は面白いが飽きてくる。
叱るのでも、qualityが違うもの、質が違う言い方、ニュアンスの演習だ。

例えば、本文中の「Don’t start yet!」など。

これには、思いつくだけでも7~8種類の叱り方がある。

力任せに叱る、大迫力のベテランたち。
だが、一本調子になりがちだった。

親子の生活の実際に照らし、変化球も自然に混ぜられるようにしたい。

…万歳!

いろいろな演習後の、この日2度目の朗読では、みなさんに変化が!

とは言え、台詞ひとつだけを抜き出して練習したときに表せた振幅の大きさ、違いの大きさが、本を通しで読むと小さくなる傾向がみられた。

教室やステージでは、自分が思うよりも大きな動作や表現をしないと、伝わるものも伝わらない。

これもメリハリの一種だ。

多少は本番で小さくなることを前提に、かなり大きく作るように。

また、ずるずると、前の表現を引きずらない。

いつも台詞の後に、「…」の表現が残る傾向もあった。

ばしっ、と切る、練習が必要か。
切り替えるところを意識すること。

呼吸も関係している。
表現の切れ目で、吐き切るつもりで。

さてこの日の、模擬授業である。

ひとりひとり、比較的ゆったりと全員が分担できた。
おかげで(?)
みんなが、ちょっとした「立ち往生」を経験できたようだ。

二人組でやっていったが、「ツッコミ」は授業計画を立てたMさんが通しで担当した。

Mさんに限らず、どうしても(女性同士だから?日本人だから?)「ツッコミ」が弱い。
ツッコミが遅かったりなかったりで、相方のほうも立ち往生が長引いたり、だらだらの印象になる。

「ツッコミ」は愛である。
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子どもたちのため。相方のため。
今、そこで、ツッコミ役がつっこまないと、せっかくの学びの場、印象づけの場が消滅してしまうのだ。

ここにも即興力が必要なようだ。
「協働」、そして「riskをとる」というImprov.(シアターゲーム)の精神でもある。

なにしろ、停滞やつまずきに敏感に気づき、声をはさみ、ふたりの働きとしてよりよいものに保って行くこと。

そうしているうちに、ひとりの場合にも、「もうひとりの自分」が「ツッコミ」をしてくれるようになる。

この日も、みなさんがどうか、楽しさと、腑に落ちる何かを感じてくれましたように。