英語えほん千夜一夜第17夜〜A Beasty Story

A Beasty Story 文・Bill Martin Jr 絵・Steven Kellogg, 9780152165604, $7.00
A Beasty Story

 日本では「仮装しておやつをもらう祭り」の印象が強いHalloween。欧米ではその他、お化け屋敷に出かけたり、pranks(いたずら)したり、怖い話を聞いたりする機会でもある。本書はHalloweenの頃に、pranksをたくらんだネズミ(?)と仲間たちの話。本文は、リズムと繰り返しで年少の子どもに人気の高い絵本『Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?』の作者によるものだ。本書も押韻と繰り返しのリズムで読みやすいが、語彙や文と構成もちょっと洒落て凝ってもいるので、小学生中学年程度まで楽しめる作りだ。
 「In a dark, dark wood/there is a dark, dark house(暗い暗い森に/暗い暗い館がある)と始まる、いかにも恐ろしげなナレーション。その暗い森に入ったネズミたちが暗い館を前に、ひそひそと会話を交わす。ナレーションとネズミたちの会話の「2本立て」で物語が進んでいく。ちょうど、恐ろし気な音声が流れるお化け屋敷を、友だち同士でこわごわ見て回るような感じだろうか。Dark brownの館に入ると「dark, dark stair(階段)」があって、ネズミたちは「This is strange:(へんだぞ)」「a color change(色が変わっていく)」「The stair ahead(階段の先は)」「is DARK, DARK RED(暗い暗い赤だ)」と、strange-change、ahead-redとなぜか韻を踏み踏み、cellar(地下室)へと下りていく。blueのcellarにはpurpleのcupboard(戸棚)があって、そこにはgreenのbottle(びん)が。その中で、何かがうごめいている。「Jeepers!」「Creepers!」(なんてこった!)、声を上げるネズミたち。びんから現れたのは…「A BEAST(化け物)!」。ナレーターの声が轟く。果敢にも「Follow that beast!」と、ネズミたちは追いかける。館から漂い出たthe beastは、暗い森よりもさらに暗いある家に入っていき、そこでは別のwhite beastもむっくり…。でもご安心を。すぐに、種明かしがあって「WOW! What a surprise(ワー!びっくりだ)!」と、大団円を迎えるので、年少者にも怖すぎることはない。
 さて、物語を盛り上げ、韻律を楽しませる作者は、教育者でもあった。ネズミには、1から6までの番号付きで色違いのシャツを着せている。登場する場所や物も、6色だ。数、色、これらの確認だけでも初級者は楽しめる。

音読のてびき
1. 深く響かせるナレーションと、高めの子どもらしいネズミの声でコントラストをつける。
2. 繰り返される「dark」は、「r」をゆっくり、深く、怖そうに。
3. 「A BEAST!」は声を張り上げ轟かせる。