アメリカで特に発達している、Improv.またはシアターゲーム。
そのワークショップに、昨年に続き今年も参加している。
今年のクラスは、14人(満席)。
参加者には、こんな人たちがいる。
・高校を出たばかりの、「母がこのワークショップをプレゼントしてくれた」という紅顔の美少年
・弁護士だがスピーチや、人との関わり方が下手で、どうにかしたいという30歳代(?)男性
・この街に来たばかりで、友人もなく、何か楽しいことをしたいという20歳代男性
・以前、大学でImprov.を経験して、久しぶりにやってみたくなった30歳代くらいの男性
など。
女性はわたしを含めて3人。コーチは女性。
アジア系はわたしを含めて2人、アフリカ系ひとり、あとは白人。
週に1回、平日の7時から9時(PM)。
初日が終わったところ。
コーチが最初に言ったのは、「インプロには失敗というものがありません」。
「あ、そういうのもアリだね」と、なんでも受け止めるのがインプロなので、失敗することを心配しないで、と言う。
リードアラウドの精神もコレだね!
予想していた通り、参加者の名前を覚えるゲームから始まった。
ここでもこんなコーチの言葉に、みんなほっとする。
「覚えられなくてもいいから。
名前につまったら、相手にすぐ名乗ってあげて。
思い出せず窮する時間は、みんなにストレスだから」
1日で学ぶことは山ほどあったが、特に印象的だったことを記しておきたい。
・グループのエネルギーを励起するゲーム
これは同時に、周囲に随時注意を向けている演習でもある。
ひとりが、「Whoa!」などとうなり声とともに、両手で作った拳を思いっきり上に振り上げ、アイコンタクトをとった相手に、その見えない剣のような何かを投げる(気のみ)。
その瞬間に、両脇のひとたちが、その拳を上げている人を、想像上の刀のようなものでsliceする。
アイコンタクトを受けて、エネルギー(見えないなにか)を投げつけられた人が、次に相手を決めアイコンタクトを送り…
と、続けていくゲームだ。
やってみると分かるが、まず、「Whoa!」など大声で唸って、拳をふりあげ、どこかに投げつけるのが、実に爽快だ。
そして、ひとそれぞれの、そして毎回ちょっと違った唸りや投げ方を見るのがとても愉快。
すっかり日本のちゃんばら映画の侍になり切っている人、へなちょこの人、わざと脱力系の人、凛々しい勇者のような人、みんなが工夫して、他と違うことをして他人を楽しませる。
そして、本人もとても楽しんでいる。
しかし、このゲームの間、コーチがコーチしたポイントは、その部分ではなかった。
両脇のsliceするべき人たちへの、注意喚起だ。
ぼうっとして、隣で拳を振り上げているのに気づかなかったりするふたりに、「slice him(her)!」と声をかける。
わたしを含め、ちょっとでもだれかの「Whoa!」に気を取られていると、sliceの番が来ていることに気づかない。
これはリードアラウドに使える!
と思った。
リードアラウドで指導する時、指導者はそこにいる子どもや参加者たちを見ていないときがある。
ふっと見逃してしまう瞬間だ。
だれにでも起こるが、なるべく少なく、出来ればなくしたい。
このslice係は、いい。
反射の演習になる。
また、子どもたちにも使えるゲームだ。
子どもたちにエネルギーがないとき、だらんとしているときに、使うゲームとしてもいい。
バリエーションがいろいろあるようだ。
これなども、参考になりそうだ。