先日買った、平成8年に刊行された鳥飼久美子さんの著書『異文化をこえる英語ーなぜ日本人は英語が話せないか』(丸善ライブラリー)を最後まで読んだ。
この20年で変わったことと、変わらないことがある。
変わらないものに、「音読の効用」がある。
同時通訳者でもあった鳥飼さんも「その効果を認めざるを得ない」と言う。
どういう効果か。
声を出して読むと、
1.目で見ているだけでは見過ごしてしまう単語や語句をきちんと発音する
2.スペルと音の関係もいつしかつかめてくる
3.普段から英語を音読していると、実際に英語を話す時には確実に口がなめらかに動く
わたしも、これらは子どもたちとのリードアラウドで、確認済みの事実。
「効果はそれだけではない」と続く。
4.きれいに読めるようになりたいから何度も読んでいくうちに、自然に文章全体が頭に入ってしまう。
教科書の場合、そうすると試験でどんな問題が出ようと恐いものなし
音読は暗記が目的ではないが、結果的にそうなることもある。
結果的に覚えてしまうのと、暗記を目的にするのでは大違いだ。
「文章の意味を考えながら読むことが大切」と言う。
そう、そのとおり!
だから、リードアラウドが目標とする、Fluent readingをするのだ。
「内容がわかって読んでいるのか、わからずにただ読んでいるのか、わかる」ともある。
そうなのだ。
表現豊かに読ませるのがリードアラウドだが、必然的に子どもなりの内容理解が伴うのだ。
「自然に頭に入るように基礎的な英文を学習する」ことが、話せるようになるコツのひとつということ、まったく同感。
鳥飼さんは、その音読する英文にはどんなものがいいか、こう説明している。
「やたら難解な文芸作品だったり、逆に、スラングの多い会話ばっぱり、ではない方がよい。(中略)日常会話のダイアローグだけでも力はつかない。
内容があり、かつ簡潔明瞭な英文」。
「(その英文)を音読していくことを続けると、いつしか英語が自分のものになり、書いたり話したりする英語に反映する。」
これは、まさに本物の絵本を朗読するという英語学習法、リードアラウドのやっていること!
読後、ますますやる気が出た。
ありがとう、鳥飼久美子さん。