平成8年に出た鳥飼久美子さんの『異文化をこえる英語〜日本人はなぜ話せないか」を最近になって読んだ。
約20年たった今、状況が変わったこともあるが、変わらないこともある。
第8章、「読むことは、すべての出発点」
この内容は、ぜひぜひ、多くの人に読んで欲しい。
日本人の英語のアプローチについての示唆。
今も活きている示唆だ。
20年後の今も変わらず、英語が思うように伸びない日本人。
「英語はどうやったら、話せるようになるか」への鳥飼久美子さんの答えは、
たくさん読むこと。
英会話学校で繰り返されてきたのは、内容のないつまらない話。
大人も、そして子どもだってそのうち、やる気が失せる。
これに著者は明解に答える。
「つならないと思うことをいくらやっても、長続きしないし、効果もない」
「何か意味のある内容を英語で読んだり書いたり話したりして、それで結果的に英語力をつける」
なぜ、読むことで英語が話せるようになるのか。
まずは、ボキャブラリーが増強されるから。
本を読むことで、手持ちのボキャブラリーが増えるのである。
たくさん読めば、何度も遭遇した語は記憶に定着しやすくなる。
鳥飼さんも書いているように、知っている単語が全部「使える単語」というわけではなく、実際に自分が会話などで使える単語はぐっと少なくなる。
(わたしなど、50分の1か、へたしたら100分の1か、と思うほど)
使える単語を増やすには、
・使う練習をする
・知っている単語を増やす
本書にあるとおり。
どんどん読んで、インプットを増やすのだ。
本で読んだ単語は、内容とくっついて頭に入る。
それは、忘れにくい!
特にわたしが身を以て知る、忘れにくくなる方法は、声に出すこと。
センテンスの意味を考えながら、気になった単語を含む文を朗読してみる。
これは、鳥飼さんが挙げる精読と重なる部分が大だ。
そして、同時に心がけたいのは、量をこなす多読。
そうそう。
興味を持てる内容のものを、どんどん、読んでいくのだ。
読み切れそうなもの、章が短いもの、挿し絵がいいものがおすすめだ。
読み方で「トップ・ダウン式」というものも紹介されている。
これは、わたしもリードアラウド指導で使う方式。
大意を把握してから、読み進む方法だ。
知らない言葉があっても、文脈から推測する。
子どもが、物語をとらえる方法でもある。
枝葉は後回し。
いちいち日本語訳はしない。
大雑把にとらえて、どんどんいこう。
…こういう学び方に共感し、その流れから出会ったビッグ・ファット・キャットの英語。
「大まかに文法的知識を頭に入れたら、面白いものだらけ、感心するものだらけの英語の児童書を読んで行こうよ」の精神だ。