6,7歳位までだろうか、子どもの「不可解な」、人前でのフリーズ。
いつもは活発なのに、あるとき他人に頑に口を閉ざす。
集団行動を拒否する、などなど。
親としてその場にいあわせると、相手に済まないとか、クラスなら授業を止めてしまっている罪悪感などと同時に、「いつもはこうではないのに、なんでなんだ!」と疑問や混乱があって、しまいに腹立たしくなってくるものだ。
こんな場面は、リードアラウドでも珍しくない。
これまで無意識だが、指導者として取っていた行動は、そのフリーズした子どもを深追いしないようにする。
無視、とは違うのだが、少しの間、ほうっておいてあげるのだ。
みんなの注目を集めるような、その子どもだけに向って「どうしたの」「ああしよう、こうしよう」などは、よけいに子どもを凍らせる。
じわじわ全体の輪に取り込むのがいい。
これは経験や勘でやってきたことだが、多民族国家アメリカはさすがだ。
システムとしてだれでもすぐに使える、フリーズを溶かす「ice-breaker」と呼ばれたりする手法を発達させた。
それが、以前にこのブログでも取り上げたimprovisation、またの名をtheater gamesのなかにある方法だ。
長い休み明けのあと、クラスメイトより1回遅れて参加の子どもが、固まっていた。
そこで急遽、予定していた授業の順序を入れ替えて、シアターゲームのひとつ「color ballゲーム」を始めた。
特にこの日は、ただの「見えないball」の投げ合いからスタート。
見えないボールを、アイコンタクトした相手に投げる。
相手は「thank you」と受け、今度は自分が同様に誰かに投げる。
それだけだが、他者とのアイコンタクトとgivingとreceivingだけでもコミュニケーションが始まり、凍った壁が溶け始める。
それから、その日のリードアラウドのトピックスであるcolorsとemothionsの結びつきを体得する、color ballゲームに移行。
当初は照れ隠しで、わざとぶっきらぼう。
だが、みるみる「氷」が溶けていくのが分かった。
「happy-pink」やら「busy-bees」など、周囲につられて感情を解放した言い回しになってきたのであった…。
ふうっ。
このシアターゲーム、知っていれば道具もいらず、すぐに出来るし、応用も利く。
長年の経験で自然に「ice-break」が出来る指導者も、経験が浅くフリーズした生徒をみると自分までフリーズする指導者も、シアターゲームなら効率的に簡単に生徒を「解凍」できる。
11月22日(新日程!)に予定されている「英語指導者のためのシアターゲーム・ワークショップ」では、これらのいくつかを、指導者自身の「解凍」とともに、生徒の「解凍法」として実際にやってみよう。