リードアラウドには「発表会」がいい 〜その3〜

二子玉川で開いているスクールでの「ミニ発表会」があった。

「ミニ」なのは、学習期間がミニ、練習もミニマムだから。
それに3月の「発表会」の予行練習という意味もある。

少しの緊張は、上達にとっていいことがある。
上手く作用すれば、集中力を高め、自主的な練習を促し、力を飛躍的に高めてくれる。
しかし過度の緊張は、マイナスに働く。
誤った劣等感や、英語に嫌悪感を持たせてしまう恐れがある。
指導の匙加減をしつつの、ミニ発表会だ。

最初の演目は、3歳のT君の A Dark Dark Tale
舞台を囲む沢山の眼がTくんに集まって、緊張させてしまった!
固くなり、「舞台に出ない」と言う。
「なら、いつでもいいの。やりたくなったら、言ってね。そのとき、読もうね」
「家ではできたのに」と、必死になる一歩手前のお母さんにも、努めてリラックスしてもらう。

その結果……、ホッ。
順番は狂ったが後に、ついに「読む」と言って、その意外と長い物語を披露してくれた。
小学3年生が感想を寄せてくれた「3歳なのに、すごい」。

まだ「読む」というより、絵を見て話を思い出して「語る」のだが、感情の込め方にも注意していて、dark darkの部分には暗い声をちゃんと出していた。

演目は、ひとり読みと、役に分かれて読むReaders’ Theaterの2種が主だ。
Readers’ Theaterは、親子でやるものと、子どもたちでやるものを用意した。

見ていても楽しいのは、Readers’ Theaterだ。
小学4年生で、本年度がスクール3年目の生徒は、かなり難易度の高い本 I’m Not Bobby(絶版)を、お母さんと読んだ。

全編、Bobbyの「減らず口」vs.親たち(の悪戦苦闘)、という構成の絵本だ。
「ほとんど実生活です」とお母さん。
そのため(?)感情移入がしやすかったらしく、素晴らしく臨場感ある出来映えだった。

お母さんに「練習する姿を見せない」この小4の生徒。
ひとり読みでは The Little Mouse, the Red Ripe Strawberry and Big Hungry Bearを披露した。
これまで、表現にブレーキが掛かりがちだったのが「変わった!」と思わせた。
クラスでは、本に対して的確な解釈も言い、それにそった表現ができるようになってきていたので、指導陣には納得のいく出来映え。

驚いたのは、お母さんだった。
「驚きました、表現、出来るようになったのですね!」
お母さんの顔が輝いていたのが、とても印象的だった。

小学2年生と母、小学3年生と母の2組が、それぞれ Duck!Rabbit! のReaders’ Theaterをした。
母たちの、ドキドキが伝わる。

小3の組では、子がRabbit!と言い張る役。
はっきり、堂々と読めるようになったおかげで、「ウサギに決まってるじゃない!」と強気な役の雰囲気が出来ている。

しかし、Duck!と主張する役のお母さんはなぜか、「で、でもカモにも見えるのでは?」と遠慮しいしい言うニュアンスに。
それが、会話に独特な味を出して、楽しい。

わが子がちゃんと読めるか心配しいしいだったので、それが読みに出てしまったらしいとのことだ。

小2の組も、お母さんは「秘密練習」(母だけの特別レッスン)の成果か、スラスラと読み、それを子が「案外読めるじゃない?」という「上から目線」で見たりしているのが、微笑ましかった。

兄弟がスクール生の親子のReaders’ Theaterは、Bark, George
3人の表現力でかなり立体的な作品になり、「リードアラウドはエンターテイメント」を実証してくれたように思った。

クラスでは、6年生の兄のもとで「ぼくは、まだまだ」と引っ込みがちな面もあった弟が、大活躍。
この作品の面白さを格別なものに仕立ててくれた。
兄弟ともに、間合いよし、声よし、堂々とした見栄えよし。
これからが、楽しみ。

替え歌を含めたToday Is Mondayの歌唱時間や、子どもたちの「yum yum time(おやつ時間)」を含めた約2時間。
「絵本リードアラウドで英語の楽しさ」を、わたしたち指導陣だけでなく、会場にいたみなさんも実感してくれましたように。

P.S.
たとえ今回「うまくいかなかった」と思う部分があっても、
それは単に練習不足のせい。

やればやるほど伸びる、素晴らしい時期にいる生徒たちに、今後も練習が楽しいと思わせる指導を心がけたい。