ザリガニ釣りとリードアラウド

86歳になる絵本作家、加古里子(かこ さとし)さんは、終戦後、自作の紙芝居を見せるなどの活動(セツルメント活動)をしていたという。

そのころ、「紙芝居がつまらないと、子どもたちはそっぽを向き、ザリガニ釣りへ行ってしまった」らしい。
「子どもたちの実態から多くを学んだ。子どもは言葉には出さなくても、必ず行動に表れる」
と加古さんは言う。

リードアラウドする指導者の姿を「大道芸人(を彷彿させる)」と言う向きもあるが、エンターテイメント性からいうと、当時の加古さんのような「紙芝居士(人?)」に近いものがある。

つまらないと、子どもたちはそっぽを向く。
リードアラウドを「勉強」と規定すると、「指導者」は大義名分をもってそっぽを向く子をたしなめる。
でも、できれば「娯楽」だと子どもに思って欲しい。

となると、それこそザリガニ釣りの楽しさと勝負する必要がある。
わたしだって子どもだったら、よほどのことがないとザリガニ釣りに行ったに違いないので、ちょっと不安がある。
だが、リードアラウドをする者として、気持ちだけはいつも「ザリガニ釣りと勝負」のつもりでいたい。

そのために、まず「おもしろい絵本」を選ぶ。
それと「おもしろい読み方」、
そして「おもしろいおばさん(おねえさん、おにいさん、おじさん)」。
おまけに、「実は勉強でもあった」と後々に思ってもらうこと、を目指したい。