リードアラウドで学ぶ英語スクール

英語絵本のリードアラウドから始めて、英語を総合的に学ぶ。
そんな英語スクールのモデル校を東京、自由が丘で4月から始める。

そのプレ講座、リードアラウド親子講座が1月最後の土曜日午後に開かれ、16組の親子が集合した。

初めての教室で、机や黒板の位置など迷って、ちょっとバタバタした。
でも、元気な声とともに次々と子どもたちが集まり、いよいよ1:30。
講座は始まった。

英語が初めてという子も、始めて1年くらいの子も混じっての、
Yo! Yes?
文字が少なくて、ほっとした顔もある。
「思ったより簡単そう」と、表情が柔らかくなった。
そうそう、RAではリラックスした雰囲気を大切にするのも特徴。

わたしとR助手先生の、掛け合いYo! Yes? 、シラーっとされることもなく、すんなりみんなのリードアラウドをリードしたような。
ほっ。

「空調が寒かった」という意見を、終了後アンケートで読んで、はっとした。
動き回って、声を出して、笑って、こちらは熱く、日差しも暖かで、すっかりつけるのを忘れていたのである。

Yes!と大きな声を出し動いている子どもと大人には、ちょっと暑いくらいだったのだが、そうでない大人には失礼をしてしまった!
ごめんなさい。

帰り際の子どもたちの会話に、その日の本のフレーズ1つでも入っていたら、そのリードアラウドは及第点、と思っているのだが、この日は果たして……。

「What’s up?」 や「イェ〜ス」、「Me! 」とか聞こえて来た。お母さん組からも、笑い声と「イェ〜ス」「You!」など。
だから、わたしもR先生も、そして見学兼付添いのH先生も、YAW! 
Yo! Yes?
2月は20日に、レオ・レオーニの絵が多くを語る素敵な絵本で。

I’m Not Bobby!、小3と小4に大ウケ

I’m Not Bobby!は、ピューリッツア賞受賞者のひとりで、アメリカの新聞漫画界ではスター的存在だった、Jules Feiffer の作品。

翻訳は出ていない。
それは、本書が持っている言葉のあやで笑わせる、ウッディ・アレン的な高等会話技術の醍醐味が、黙読で伝わりにくいからなのかも(日本で出版を決める編集者たちは、ほとんど黙読で決める)。

その醍醐味を、わたしのリードアラウドで伝え得るか。
かなりチャレンジングなのだが……、
万歳!

この日の私立小学校の3、4年生クラスの30人には、おかしさが伝わったらしい。
笑った、笑った。
発表会でも読みたくなったと、その場で本書を選んだ子も数人!

あー言えばこー言う、口の達者な少年ボビーが主人公。
母はほとほと手を焼いている。
本書に描かれるある日も、「ボビッー!」ともうすでに怒った声で母が息子を呼ぶ。
こういう設定で、ボビーが次々いう口答えに、母のイライラがエスカレートして……という筋。

母側のセリフと、年相応のクールさと幼さのミックスされたボビーの心のつぶやきや口答えを、対照的に臨場感をもって読み分ける。

少年のつぶやきや口答えの内容が、かなり子どもの共感を呼ぶ。
少年、少女たちが思いつきそうなことだから、よーく理解できるのだ。
それに、いかにも母が言いそうな脅し、「いい子にしないとTV禁止!」などなど。

子どもたちにとって、ボビーはちょっとした英雄だ。
「ぼくたちも、こんな口答えしたいこともあるんだぞ!」
という熱気が、この日の小学生たちのリードアラウドする声にはこめられていたような……。

I'm Not Bobby
『I’m Not Bobby』

 

Why? whyが難しい?

Not a Box という、幼い少年ウサギの空想する心を描いた絵本を、先日、書店での「リードアラウドの会」で使った。
文が少ない分、1セッションでも反復練習の時間がたっぷりとれる。
でもただの反復では、大人も子どももあきてしまう。
意味ある反復、ここでは表現の工夫をすることが、その意味だ。

簡単に見えるが、実は大人がうまく読むのは難しい文が並ぶ。
逆に、子どもには、文字が少ないうえ、子どもの言葉で書いてあるのでやりやすい。

なぜか大人がぎこちないのが、Whyで始まる文。

ボール箱の中に入っている子を見て、たとえばこう尋ねる。
Why are you sitting in a box?

これを大人が、いくつかのパターンで読んだ。
1. とがめた感じ。
2. 無関心そう。
3. ちっとも疑問に思ってない。
4.科学番組の「考えてみよう」のように芝居じみている。

本文中で子どもは
It’s not a box.
と答えているから、1のとがめられたのではなさそうだ。
また、子どもはムキになっているから2でもないだろう。
無視せずちゃんと答えたのだから3 でもないだろう。
4に対する反発と考えるには、主人公は年少すぎる。
じゃあ、どう読めばいいのか。

本当にわき上がる疑問、「ねえ、どうして?」の気持ちで読んでみたい。
この日の子どもたちの、なんて自然な読み!
いいお手本だ。
汚れがない、無垢の疑問。
こういう読みも、大人としてはマスターしたい。
Not a Box
『Not a Box』

絵本・本で統合的に英語を学ぶ・教授する:その2

そこで、英語を

1.本のリードアラウドから
2.本を中心に
3.継続的に
4.統合的(whole)に

教えていく場を作ろうと思う。
こうした場は、結果的にinnovativeになるだろう。
英語圏教育界の用語で言えば、whole languageから発展したbalanced reading教授法の立場に立つ。

1月、2月の親子講座は、4月からの本講座のお試し版でもある。

また、「実践リードアラウド」(2010年度は10月開催予定)でRAの考えと方法に興味や共感を抱いて頂いた人。
指導者向けリードアラウド」で、RAの教授法や表現力を磨きつつある人。
そのみなさんが、今後リードアラウド研究会主宰の子どもや親子の講座の講師を目指してもらえたら素晴らしい。

実践リードアラウドWS参加(1回)→指導者向けリードアラウド参加(複数回)→助手→RA講師
の道筋を、今年ははっきりつけていこうと思う。

絵本・本で統合的に英語を学ぶ・教授する:その1

All I need to know I learned from books. …Almost.

これは、日本語でも英語でも同じだと近年、思いを強くしている。

アメリカで、現地高校で学ぶ日本人学生たちを教えた時の経験もある。
すべての大学進学希望者が受験することになっている全米共通テスト、SATの数学をのぞいた約2/3の言語的分野の点数が高いのは、ほとんど自分から本を娯楽として読む生徒たちだった。

友だちになったアメリカ人にも、SATでの勉強法を尋ねてきた。

読書家と自他ともに認める人たちが、ほとんど口を揃えたように言うのは「言語部分はほとんど何もしなくてもいい点を取れた」。

ちなみに、SATは留学生向けTOEFLや大学院生向けGREのヒナ型のようなもの。TOEFLはSATの解答の選択肢を1つ減らして、20%くらい簡単にしたもの。SATのほうがTOEFLより数段難しいということ。またGREは、文章自体をレベル上げしてSATよりさらに難しくしている。

こういうことなら、英語の入門者に英語の本の楽しさを経験させて、徐々に自分でも読めるように、レベルや興味にあった本を与え指導を続けたら、本好きに育ち、英語も自然にできるようになっているんじゃない?

それに、英語入門レベルからかなり上のレベルまで、本のリードアラウドは、楽しさと理解を助け読書力を作ることも、教育界では常識的な事実だ。

つづく