Why? whyが難しい?

Not a Box という、幼い少年ウサギの空想する心を描いた絵本を、先日、書店での「リードアラウドの会」で使った。
文が少ない分、1セッションでも反復練習の時間がたっぷりとれる。
でもただの反復では、大人も子どももあきてしまう。
意味ある反復、ここでは表現の工夫をすることが、その意味だ。

簡単に見えるが、実は大人がうまく読むのは難しい文が並ぶ。
逆に、子どもには、文字が少ないうえ、子どもの言葉で書いてあるのでやりやすい。

なぜか大人がぎこちないのが、Whyで始まる文。

ボール箱の中に入っている子を見て、たとえばこう尋ねる。
Why are you sitting in a box?

これを大人が、いくつかのパターンで読んだ。
1. とがめた感じ。
2. 無関心そう。
3. ちっとも疑問に思ってない。
4.科学番組の「考えてみよう」のように芝居じみている。

本文中で子どもは
It’s not a box.
と答えているから、1のとがめられたのではなさそうだ。
また、子どもはムキになっているから2でもないだろう。
無視せずちゃんと答えたのだから3 でもないだろう。
4に対する反発と考えるには、主人公は年少すぎる。
じゃあ、どう読めばいいのか。

本当にわき上がる疑問、「ねえ、どうして?」の気持ちで読んでみたい。
この日の子どもたちの、なんて自然な読み!
いいお手本だ。
汚れがない、無垢の疑問。
こういう読みも、大人としてはマスターしたい。
Not a Box
『Not a Box』

コメントを残す

CAPTCHA