NYで歌ったPuff the Magic Dragon

60年代にフォークグループとして一世を風靡したPeter, Paul and Mary、日本でもPuff the Magic DragonやWhere Have All Flowers Goneなど多数の曲がヒットした。そのPeterことPeter YarrowさんのNYのアパートでのパーティに行った。

セントラルパークに近い、古いが高級そうなアパート。招待されたのは出版、書店関係者75人と聞いたが、わたしのような「間接的」関係者もいて総勢100人くらいだろうか。そんな大勢が、もとABCテレビのスタジオだったというアパートに集まった。ロフトのような高い天井の居間には、素晴らしいディスプレースタイルで日本の屏風絵などアンティックが飾られていた。後で聞いたら、60年代に何度もコンサート・ツアーで日本に行って、その度に買い集めた収集品だそうだ。

このパーティ、実はJudy Collinsの出版記念で、主賓はJudy。Judy は、昔のままの細さでプラチナ・ブロンドの髪を無造作に結い上げた、今も魅力的な女性だった。立つだけで、存在感がある。彼女が透き通った声で、Over the Rainbowを歌い、サビの部分では大合唱になりパーティは大いに盛り上がった。

そのあと、PeterのリードでPuff the Magic Dragonを歌うというときに、会場にNeil Sedaka(Calendar GirlとかBreaking Up Is Hard to Do「悲しい慕情」などヒット曲多数のシンガー&ソングライター)がいることが伝えられた。自然のなりゆきで、Neilがピアノの前に座りいっしょに演奏するということになり、みんな大喜びだ。これまた大合唱になった。そして極めつけは、アメリカの国民的歌になっているThis Land Is Your Land。アメリカ人でないわたしは、少しもじもじしたが、言葉の美しさや会場のベビーブーマーたちの熱い心などを感じて、じーんとした。

本物中の本物ミュージシャンたちが、ギターやピアノを弾き、足を打楽器のように踏みならし、通る声で実に楽しそうに歌うのを、こうして目と鼻の先で見たわけだが、音楽は彼らの中からわいてくるかのようだった。筋金入りだった。そして、フォークシンガーたちは今でも、政治的でかつリベラル派だということもよくわかった。Peterの政治談義もあったが、その冒頭で「ここにはJewsはいないと思うが……」と言ったのは、大受けだった(出版界、音楽界にユダヤ系が多いのは周知の事実。PeterもNeilもユダヤ系)。

音楽や雰囲気に酔って、何の本がどこから出たのかをすっかり忘れてしまった……。

One Reply to “NYで歌ったPuff the Magic Dragon”

  1. […] もう「年配者」だとカミングアウトしているので書くが、Puff, the Magic Dragonは、かなりよく歌える。流行っていた頃を知っているから。 そして、昨年はこの歌に関して、こんなこともあった。 […]

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