リードアラウド研修生のGOOD JOBS & not-so-good job

リードアラウド・ワークショップに参加すると、模擬指導や、中堅とベテラン研修生ペアで書店などで実際にリードアラウドをする機会がある。

わたしが研修生だったら、この機会が力になるとは重々認識しつつも、思うようにいかず胃が痛くなるほどで、悩むところだ。
多分、研修生も遠からず似たようなものではないか。

生身の聴衆、参加者(子どもや保護者、そしてときどき混じる同業者)を前にして、発言を促しつつ、うまく自分の作った筋に合わせて、楽しくも教育的にリードアラウドを進めなくてはならないのだ。

「台本」(指導計画書)は必要だが、いくら綿密に用意しても、聴衆という台本なしの相手がいるので、その通りにはいかない。
即興力が、指導者のなかにデフォルトで備わっていないと苦しい。

こんな厄介なものを、それこそ冷や汗かきかきでも、こなしつつある研修生のみなさんがいる。

先日はそんな研修生のリードアラウドをみた。
いくつかのnot-so-good jobsもあるにはあるが、輝けるGood Job!
お疲れさまでした。
みなさんに参考になるgoodとnot-so-good jobsを少々挙げてみた。
David Goes to School

・声がよく響くので、一種「スター性」が出た。

先日ワークショップで使った言葉で言えば、異次元の声である。
つやつや、ころころ、といった印象の声で、喉の奥からの声だ。
「張り上げた」というよりは「響く」印象のする声で、人々が注目する効果がある。

自分の声が、人を集中させる効果ありと認識し、指導力として意識的に使えている。

・笑いが取れるようになった。

失笑でもなく、自分の自虐的笑いでもない。
子どもだけでなく大人も、面白いと思わせる瞬間が何度か持てた。
それは、指導の真っ最中であっても、客観的な視点を持つ余裕が持てるようになったためだろう。

リラックスできているので、サービス精神がでる。

一度でも、聴衆にいい微笑みやら笑いを誘導できると、その後は、さらにリラックスして、上手くユーモアを交えられるようになる。

・表現がブレなくなった。

リードアラウド研修生は、ワークショップで朗読を磨く。
英語がわからない子どもにも、絵本に書かれていることが目に浮かんできてなんとなくでも意味がわかるような、豊かな表現を心がける。

せっかく身につけた豊かな表現が、聴衆を前にあがってしまって、すっかり棒読みになることが少なくない。

読みが上手い時と棒読みのときがあるーこういうブレがなくなった。
いつでも表現が豊かな読みができるようになった。

それから、not-so-good jobsもまだ少々あり。
×「双方向」のやりとりが徹底していない。

聴衆の前に立って、自分がマイクを持っているとしよう。
リードアラウドでは、その想像上のマイクを自分だけでなく聴衆に頻繁に向けることをモットーとしている。

例えば、『David Goes to School』を使ったリードアラウドの一場面。

「机の上にこんな落書きをしたら、先生はかんかんだよね」

こう言ってしまいがち。
でもリードアラウド指導者としては、こう進めたい;

1.「このページ見て」
→子どもに見る作業をさせる。見てから各自の感想をもらす時間を与える。

2. 漏れ聞こえる感想を拾う。
→それぞれ全体に紹介する。

3.「(絵本の主人公)デッビッドの先生だったら、どう思う?」「どうすると思う?」
→本文に書かれていることを、子どもの推測から拾う。子どもの言葉で「正解」をださせる。

こんな3段階を踏みたいところだ。

これだと、マイクは感想を拾うのに1回、子どもたちのほうへ。
それからもう1回、推測しそれを発言する子どものほうへ。
こうして2回も子どもに発言チャンスができ、参加している実感が子どもにも湧くというものだ。

指導者が自分で「机の上にこんな落書きをしたら、先生はかんかんだよね」。
それをいっちゃあ、おしまいよ。子どもが口を挟めない。

×「今、何をしたらいいか」が分からない子を、とりこぼしがち。

例えば、「カフェテリアの場面、このページを見てね」と指導者が言う。
→どのページか、どの文か、どの絵か、子どもの目の前まで行って、指し示してあげよう。
3人以上子どもがいれば、ひとりは分からない子がでると思おう。

×個別に発言を聞けたが、それぞれを全員で共有せず、全体ががやがやした。

ひとりひとりの発言を拾う時間を作ることはできたが、それを指導者が受け取ってから、全体と共有、というのが徹底しないと、がやがやするものだ。

例えばカフェテリアで食べ物が散乱する場面で、「どんな食べ物が飛び散っている?ミッケしよう」と言ったとしよう。
ひとりが、何かをみつけ、指導者がそれをその子の前で確認する。そのあと、全員と確認して、みつけたものを共有する必要がある。
それが、全体をまとめる力。
離しては掴み、掴んでは離す。そのリズムを掴もう。

ところで、
good jobが出来るようになってきたには、わけがある。

詳細な指導計画と準備
それと…
(気が重くやりたくないが)、詳細な録音を聞きながらのfeed backだ。

他人の講評(特に辛口の講評)も役に立つのが、なんと言っても動かせぬ事実(録音)を前に、自分に厳しく向かい合うことが、上達の道。

録音して、それを自意識と戦いながら聞き直すこと。
これが、上達に繋がる。