絵本リードアラウド認定講師講座【大阪】2019秋 報告その2~リードアラウド研究会

今回の講座、後半は往年の名フォークトリオ、PPM(Peter, Paul and Mary)が歌唱し大ヒットした曲を、メンバーのPeterが絵本にした『Puff, the Magic Dragon』。

深みと温かみのある新人イラストレーターのイラストが、幼い読者にも大いに語ってくれる、選者としては「新古典」としたいところの一冊。

 

リードアラウドでは、本文である情緒豊かな詩を読み解くことで、

おとぎ話の「語り口調』での朗読方法を学び、

指導に関しては、生徒の興味を呼び理解を促す発問を出せるようにする。

 

易しそうでいて、大人の深読みを誘う詞だ。

難物は、7回も繰り返されるサビの部分。

Puff, the magic dragon lived by the sea〜

のところが、物語の進展によって、7通りの違った感情になる。それを表現する。読み分ける。

 

そのために、声だけの機械的なものではなく身体的にするため、読解をしっかり確認していった。

 

分析を通し読解を深め、具体的にどんな感情かを各自が場面ごとに考え、それを書き出す。

この作業で、読み手の感情のゆらぎが減少し、聞きやすく場面が頭に浮かびやすくなる。

 

感情を表現するには、「筋トレ」も必要だ。

声の要素の演習。

呼吸、発声から、声に強弱、大小といったvolumeをつける演習、音の高低や、緩急をつける演習を行った。

本書は、遠近という要素も生きる。これは視線の移動で作る。

 

そして、もうひとつ。

皆さんの自習してきた朗読に残る、ごろっと耳に違和感のある言葉。

これを減らす演習だ。

 

シアターゲームのWord Ballゲームが、有効だった。

たとえば、主人公が大切にしていた「宝物」、stringsやsealing waxを聴衆にイメージさせるには、まずは読み手がイメージを持たなければならない。

このゲームで随分と、イメージが言葉に乗るようになったようだ。

 

こうした表現を磨く過程で、自然と読解に関するディスカッションがされた。

その内容がほとんどそのまま、自分たちが指導するときの、生徒への発問になる。

全体を通した模擬授業は、時間切れでところどころしかできなかったが、この日、自分たちが読み解いていった過程を、生徒と再現するつもりで授業にしてみて欲しい。

 

朗読BEFORE/AFTERで、皆さんのAFTERは…

お互いの講評でも挙がったことだが、BEFOREとは大違い!

 

ひとつひとつの言葉を大切にする心が、全体を「なんだかいいな」という空気で包んだ。プレゼンではとても大切なことだ。

まだ感情の「抜け」と、切り替えの不確かさ、起伏の弱さや違和感が残るが、今後、それを録音で自ら聞き取り修正していければ、もっともっといいものになる。

ご精進を!

 

 

 

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