今回の講座、後半は往年の名フォークトリオ、PPM(Peter, Paul and Mary)が歌唱し大ヒットした曲を、メンバーのPeterが絵本にした『Puff, the Magic Dragon』。
深みと温かみのある新人イラストレーターのイラストが、幼い読者にも大いに語ってくれる、選者としては「新古典」としたいところの一冊。
リードアラウドでは、本文である情緒豊かな詩を読み解くことで、
おとぎ話の「語り口調』での朗読方法を学び、
指導に関しては、生徒の興味を呼び理解を促す発問を出せるようにする。
易しそうでいて、大人の深読みを誘う詞だ。
難物は、7回も繰り返されるサビの部分。
Puff, the magic dragon lived by the sea〜
のところが、物語の進展によって、7通りの違った感情になる。それを表現する。読み分ける。
そのために、声だけの機械的なものではなく身体的にするため、読解をしっかり確認していった。
分析を通し読解を深め、具体的にどんな感情かを各自が場面ごとに考え、それを書き出す。
この作業で、読み手の感情のゆらぎが減少し、聞きやすく場面が頭に浮かびやすくなる。
感情を表現するには、「筋トレ」も必要だ。
声の要素の演習。
呼吸、発声から、声に強弱、大小といったvolumeをつける演習、音の高低や、緩急をつける演習を行った。
本書は、遠近という要素も生きる。これは視線の移動で作る。
そして、もうひとつ。
皆さんの自習してきた朗読に残る、ごろっと耳に違和感のある言葉。
これを減らす演習だ。
シアターゲームのWord Ballゲームが、有効だった。
たとえば、主人公が大切にしていた「宝物」、stringsやsealing waxを聴衆にイメージさせるには、まずは読み手がイメージを持たなければならない。
このゲームで随分と、イメージが言葉に乗るようになったようだ。
こうした表現を磨く過程で、自然と読解に関するディスカッションがされた。
その内容がほとんどそのまま、自分たちが指導するときの、生徒への発問になる。
全体を通した模擬授業は、時間切れでところどころしかできなかったが、この日、自分たちが読み解いていった過程を、生徒と再現するつもりで授業にしてみて欲しい。
朗読BEFORE/AFTERで、皆さんのAFTERは…
お互いの講評でも挙がったことだが、BEFOREとは大違い!
ひとつひとつの言葉を大切にする心が、全体を「なんだかいいな」という空気で包んだ。プレゼンではとても大切なことだ。
まだ感情の「抜け」と、切り替えの不確かさ、起伏の弱さや違和感が残るが、今後、それを録音で自ら聞き取り修正していければ、もっともっといいものになる。
ご精進を!