大阪でのリードアラウド認定講師の審査会がまだ肌寒さが残る3月末にあった。
まずは朗読。審査課題書からみなさんがそろって選んだのは『A Big Guy Took My Ball』。
こんな所感を書いた。
たとえばMさん:
声量が豊かで伸びがあるため、聴きやすい声で好感が持てる。欲を言えば、大小・強弱・遠近などに、もう少し変化をつけたい。
役のキャラクターを考えなければ、一般的なfluencyはあり正確でそつがない。ただ、課題書は朗読劇なので、キャラクター造型が必須。もっと三役を際立たせ、各キャラクターに語らせる。誰の台詞か分かりにくいので、役別にピッチと緩急の開きをもっと大きくする。口だけでなく、体全体で表現して、表情も大きめに差をつけてみるよい。
またはKさん。
声量が十分あり聴きやすい。また、声に明るさや楽しさが感じられるところがいい。
台詞の解釈もよくできていて、ほぼ自然な語りに聞こえる。さらにキャラクターを立ち上がらせるには、どんどん言い進むのではなく、ためらい、ため、息遣いを入れたり、大小・強弱・高低の幅を大きくしたりするとよい。キャラクター研究をもう一歩進めることで、自然にそういった要素もでてくるだろう。
そして、ベテランの域に入って来たJさん。
声にボリュームと変化があり、魅力もある。キャラクター造型を意識しているため、表現もより大きく立体的になり、言葉が本から浮かび上がった。視線の動きも自然に感じられた。
三役の声・口調・緩急の分離をもう少し大きくすると、もっとキャラクターが分かりやすくなる。特にPiggieの幼い可愛らしさに工夫があるといい。幼女のキャラクターは他の本でも使えることが多いので、幼い女の子を観察して今後の参考に。
正確で安心感のある朗読は、印象付けもあって、楽しく聞くことができた。
こんなところを、審査では聴いたり見ていること、参考に。