リードアラウド史上、一番二番を争う「多弁」な本が課題だった。
まずは、出席者の予習での努力に敬意を表したい。みなさんは、間違いなく今、一段階上のステージに立っている。素晴らしい!
みなさんは、読み間違え、読み落としはほぼゼロ、せいぜい、つっかかりが少々残るだけの仕上がりに仕上げてあって、まあ期待通りではあるが、その期待値が高かったのにクリアしていたのは見事。
さて、プロはここから、磨くのである。
比較的簡単に朗読に深みや立体感を与えられるvocal variableは、pitch。声の高低だ。自習していると声域が狭くなる傾向がある。
そこでhighはhigherに、lowはlowerに少しでも広げること。そして高中低のブレンドをもうすこし変化に飛んだものにすること。
目標は文意や解釈に即した高、中、低音が心地よくまじった文だ。そのときの低音は、あくび卵発声を思い出し、深く響かせるようにする。
それからもう一つ。
ナレーションとthe Grinchの区別が全般的に物足りない。もっとくりっと両者に差を出すためにも、pitchを変える、volumeを変える、台詞の直前に短い間を入れるなどの、工夫が欲しい。
ナレーターがいる空間と、the Grinchがいる空間は別物だ。違う空気感とでもいうものを、息、発声を駆使して表現して欲しい。
次回までの課題は、グリンチの台詞の際立たせ方か。(つづく)