認定講座の課題書予習法〜リードアラウド研究会

9月のリードアラウド認定講師講座の課題書は、ちょっと文の量が多いコレ!

早くもクリスマス準備である。本書は英語圏で「クリスマスと言えば…」とすぐに挙げられる大ロングセラー。だけれど、凝った英語のrhymingが満載の原書の楽しさが、翻訳では伝わらないようだ。日本での知名度や読まれる機会はあまり高くない。

日本人の、いくら英語ができる人でも、本書の味をうまく伝えるのには、ちょっと骨が折れるかも知れない。英語がうまくこなれていないのに、おまけに英語の初級者である子どもたちに読み聞かせても、よさが伝わらないだろう。

そんな、おもいっきりチャレンジングな絵本を選んでみた。この本、どう練習しようか。

昨年度の講座に参加していたベテランは、『Crow Boy』を思い出して欲しい。あの努力だ!あれができたのだから、これもできるはず。

ベテランだろうが新人だろうが、まずは、ただ読む。表現のまずさなど気にせず、まず読む。最初から最後まで、集中力とdecoding力がこれで養われる。間違わずに読むこと(decoding)は、プロとして最低限の矜持。何度も読むにつれ、苦手な語がこなれて自分のものになっていくのを経験的に知っている。

愚直に、だまされたと思って今日から毎日1回でいいので通しで読もう。1週間も経つと、自然に次の段階が見えてくるものだ。

その頃に、また次の練習方法をお知らせしようと思う。

小学生クラスとscrabble game〜キッズブックス英語スクール

英語圏で子どもから大人まで親しまれているボードゲーム、scrabbleを、小学生のクラスで少々取り入れてみる。

このゲームは、英語を母語としない学習者には、どんな効果があるのだろう。考えてみた。

まず、すぐに思いつくのは、新しい語彙との出会いの場となること。英語が自由に使える人が一緒にやると特に効果的。知らない単語がちょくちょく登場する。そのたびに、さらっと意味を教えてもらう場にもなる。

つぎにspellingの練習になること。自分が並べる単語のspellingだけでなく、挑戦相手の並べる単語をつど目にすることになる。また特典のために、間違い探しもする。授業で習ったものを使うときにボーナスポイントなどつけるのも効果的だろう。

単語のなりたちに気づく機会にもなる。たとえばeasyと綴ったところに、unだけ加えれば6文字単語分の得点がもらえる。breakにableをつけてbreakableなどにもなる。ingをつける、sをつけるなど文法につながる語尾変化にも注意がいくようになるだろう。

英語で数字を足して合計を出すのに慣れて、自然に英語で数字を考えられるようにもなるようだ。

そして最後に素晴らしいのは、辞書を使う機会を作ってくれること。ただ「辞書で調べなさい」では一向に手が伸びない生徒も、得点のために一生懸命辞書を引くようになるのは驚きだ。

さあ、わがスクールの小学生は、どこまで食いついてくれるか。

表現と身体の関係:認定講師講座8月報告その2~リードアラウド研究会

8月の半ば、土、日と連日で、認定講座を開講した。

ベテラン揃いの年間コースが土曜日、翌日は新人の多い一日講座だった。

「アクティビティ」、「シアターゲーム」などでの表現演習を多めにしたプログラムという構成は前日と共通だった。この一日講座、課題書は永遠の名作『Where the Wild Things Are』。

朗読をしょっぱなにひとりずつ披露してもらうが、いつもながらに驚くのは、その仕上がり具合。とても完成度が高い。「before」がそんなで、講座の最後に披露してもらう「after」との差(上達度)がはっきりつかないとか、講座の「効果」が分かりにくくなってしまうのではないか、という主宰者側の懸念もある。

しかし、わたしにはそれがとても刺激的、チャレンジング!こんな上手な方々に3時間でどこまで磨きをかけられるか?


ああ、よかった!この日も、仕上がりは上々だった。

それは、シアターゲームやアクティビティという身体を使った表現演習に負うところが大きい。

一番変化がわかりやすかったのが、本の登場人物の声。主人公のMax、その母、wild things、ナレーター、大まかに言えばこの4種を、声の要素であるpitch(高低)、rate(緩急)の組み合わせで、別々の声に聞こえるようになったこと。

頭のなかで「こうすべき」と考えるだけでなく、実際に喉と口と身体を使って、声の高低を変え、早く読んだりテープの遅回しのように非常にゆっくり読んだりの緩急の練習のおかげだ。

聴衆には、これだけでも物語が非常にわかりやすくなる。

演習は基本的なものだが、効果は抜群だ。ただ、時間を経るとまた少し単調、平坦に戻るので、朗読前に今回の演習をすると効果が復活する。

もうひとつ、これは参加者がどの程度自覚できたかわからないが、Animal Walkという一見「ふざけている」と見えるかも知れないシアターゲームの、効果が絶大だった。

animalsの代わりに、この日はwild thingsをイメージして、実際に巨体を揺らし吠えまくり、歯をむき、目をぎょろつかせながら部屋中を歩き回るというもの。それを見ながら該当部分を読み手が読み、歩くほうもそれを聞きながらさらに感じを出して歩く。

随分とエネルギーを使わせてしまったが、朗読への効果という見返りは大きいだろう。上っ面ではない、動作や形態をイメージさせるroarだったりrollだったり、clawsだったりになったのだ。これが聴衆にはたまらない。楽しくなるのだ。

豊かな表現には読解も欠かせないが、机上で理解するだけでは出せるものではない。身体的な演習も必須だ。このことが、この日、文字通り身にしみたかも知れない。

表現と身体の関係:認定講師講座8月報告その1~リードアラウド研究会

連日だった今月の講座。ベテランが顔をそろえる年間のコースと、新人の一日コース。

共通していていたのは、「アクティビティ」「シアターゲーム」として行う表現演習を少し多めにしたプログラムということ。

これの長所はなんといっても、朗読する自分の表現力が上がると同時に子どもの指導に応用できるところ。一石二鳥である。

ベテランの多い「認定年間コース」で初めて試みた、Dabbing ゲーム。dabとは「吹き替え」のことで、外国語映画などに声優が日本語で吹き替えするように、動作だけする人に合わせてもう一人が台詞を当てるというもの。

読みながら自分でなんとなく動作をつけていると、「なんとなく」の無駄が多い。その無駄を省き、観客の内容理解を促す有効な動きにすることは、リードアラウド指導者の力になる。

この演習?いやいやゲーム?が、面白い。

やっている二人が面白さを感じるだけでなく、台詞術もマイム術も上がり、そのうえ観客からは、二人のちょっとしたズレや変な動きに大笑いが生じる。

台詞術でいうと、本物の間合いの感覚がこれでわかってくる。一人で読んでいると、リアルな会話よりも間が詰まったり、不自然な間が空いたりいわゆる「クサい」演技にもつながる。動作にかかる時間を、パートナーのリアルな動作を見ることで感覚的にわかるようになる…ための演習でもあるのだ。

実際に、この日の参加者のみんなの朗読「before/after」は、PiggieとGeraldの会話で成り立つ課題書『We Are in a Book』が、生き生きと3次元的に立ち上がって見えるものに、数段上達したと思えた。

2018年夏にもう1冊『When You Reach Me』~キッズブックス英語スクール

お盆も終わり、夏休みも残すところ約2週間。大人はもう英語で読書の時間はないかもしれないが、これなら短い章に分かれているので、細切れの空き時間にも読めそうだ。

『When You Reach Me』

1978、9 年のニューヨーク、裕福でNY文化の中心ともいわれるupper west sideに住む中学生と、その生活や周囲の人々がリアルに描かれる。それに加えて、主人公の10歳の少女が受け取る謎の手紙と、書かれた謎のメッセージというミステリーの要素、そしてその解決の鍵がタイムスリップの観念にあるというSF的ひねりが楽しい。

アメリカTVのクイズショー、The $20,000 Pyramid,の最終挑戦者となる主人公の母の夢がロースクールに入って弁護士になることだったり、主人公の家庭が裕福というにはいま少しの経済状態で、給食や弁当の代わりに毎日、1ドル程度のピザを食べるとか、高級アパートとそこの住人の雰囲気とか、街角の人情のある店主がいるが品揃えがいまいちなコンビニとか、描かれる詳細が関心をそそる。

読了する鍵とも言えるchapterの長さだが、これまた短く、ページ数も少ない。小休止しながら、謎の答えを求めて最終ページまで辿り着けそうだ。ベストセラーであり2009年のニューベリー大賞受賞作。表紙が最近変わったがオリジナルも新作も、大人が小脇に抱えても悪くない。