スクールのレッスンに100以上あるシアターゲームから、これはというものをアレンジして取り入れている。
2016年度の「ヒットゲーム」はいろいろあるが、1つ挙げるなら、Word Ballゲーム。
いろんなバリエーションがあるのだが、簡単に言えば、ボールを投げるときに言葉も同時に乗せて、相手に渡す。
受け取った人はすぐに、同様に言葉とボールを次のひとに投げる、というもの。
このゲームの効果を考えてみる。
・ボールを投げながら言葉(英語)を言うので、じっくり考えている暇がない。
そこで、反射神経的に、とっさに、英語を言うようになる。
→実際に世の中で英語でコミュニケーションを取るには、この「反射神経」が必要になる。
とっさに言葉が出なければ、コミュニケーションが滑らかに行われない。
・だれか対象を決めてボールは投げるもので、自然とその相手とアイコンタクトをとる。
会話するときの日本人に多いくせ、目をそらしたり宙を見たりをしていては、ボールがうまく渡せない。
言葉も同じだということを、身体が知る。
この練習で、言葉を伝えるときにアイコンタクトを取るということに抵抗がなくなる。
・座学ではないので、クラスに活気が出る。
・楽しいので喜んでやる。繰り返しも嫌がらない。
などなどいいことが、たくさん。
これからも応用して続けて行こうと思うが、今朝目にした、ある俳優入門書の紹介で、このゲームと通じることが書いてあった。
その本の作者、俳優の西村雅彦さんが言う。
「現代では多くの人の会話はちゃんとした言葉のキャッチボールになっていないのではないか。
相手の言葉を受け止めずに自分の話をしているだけとか。」
ということで、ピンポン球を相手に渡しながら話しかける、というメソッドで練習することが紹介されている。
実際にこのメソッドを体験した取材記者の弁:
「見えないはずの言葉が可視化され、しっかり届けようと意識できた。」
Word Ball ゲーム、考えた人、恐らくImprovisation の祖、Viola Spolinだと思うが、コロンブスの卵くらい素晴らしい発見ではないかと思う。
子どもには「お遊び」に見えて、実は奥の深いそして、本質的で効果の上がる演習。
リードアラウドにぴったりの演習である。