カルチャーセンターで「声に出して読む英語絵本」講座開講〜初レッスン

新宿の高層ビルの一角。わたしも学生時代に講座をたびたび受講したカルチャーセンター。
今度はわたしが講師として、ちょっとした恩返しする番と、はりきって登壇した。
「声に出して読む英語絵本」という講座名に、それも平日の午前中によくぞ集まってくださった7人。
「なぜこの講座を受講したか?」の問いに、「英語絵本」に惹かれた人がふたり、「声に出して」に惹かれた人が5人手を挙げた。

初対面同士で表現が硬くなるのを防ごうと、「ice break game」から始める。
と、ある事実を知る。
参加者は全員女性。
子育てが終わって文化的なことに価値を見出している、知的だがリラックスした女性たち。
こういった人々には、あまり厚いiceがないということ。

行った「ice break game」は、以下のような単純なもの。
自分を形容する形容詞を思いつきでひとつ挙げ、自分の名前の前に置いて、それなりの表現でプレゼンテーションする。
隣の人はそのままマネして、次に自分のプレゼンテーションをする。
たとえば、わたしが「Curious Emi」と言う。
隣の人は、同様な言い方で「Curious Emi」と言い、続けて「Happy Taiko」などと自分を紹介していくのだ。
これだけで、空気がぐっと和やかになった。
英語のプロや、男性や子どもの初対面同士の場合は、こうはいかない。
氷が厚い。

リラックスしたグループの氷が簡単に溶けたところで、姿勢・呼吸・発声といつもの準備を進める。
「早く読みたい!」という気持ちの湧く一歩手前で、『Where the Wild Things Are』のタイトルを朗々と発声してもらう。
声がよく伸びる。
発声練習のおかげもありそうだ。

読みたいのはやまやまだろうが、ここで少し読解と構成を考える。
「ice-break game」のせいだけではなく、もともと解放的なマダム世代だからなのか、どんどん意見が挙がる。
この活発さを、学生や子どもは見習ってほしい。
たくさん意見が挙がるので、講師は「Yes, and」の精神であまり説明をすることなく、挙がった意見のサイドコーチを中心に講義を進めていける。

「序破急」で構成を考えるのに、『Where the Wild Things Are』は理想的な本だ。
そのせいもあって、序破急にそって構成を考えたところ、みなさん「学びがあった!」の顔。
こういう手応えは、受講者だけでなく講師もとても嬉しい。

構成を知り、伏線などからも全体のおおすじを理解してから、読み始めた。
英語の先生たち向けのワークショップとは異なったアプローチだ。
独学かまったくの初心者に、自信のない読みを披露してもらうのは、傷つけることになりかねない。
そうなると、いくら練習しても、失敗感や劣等感を引きずって、新たな学びが素直に身体に入らなくなるのだ。
ということで、先に練習して、発音や意味の不確かさを減らし、表現の道しるべである構成を頭に入れてもらった。
こうした一段上がったところ、一歩か二歩前進したところから進める。
本当に驚きなのだが、この一段で、ほとんどの人がそこそこの読み手になる。
日本のマダムたちの実力、恐るべし。

Reading Fluencyの要素をひとつひとつ磨くのは、リードアラウド指導者などプロのアプローチだ。
カルチャーセンターでは、全体をゆるく、それなりに仕立てあげる手伝いをしようという思いを、実際にみなさんと講義を進めながら再確認。
そして、絵本の朗読表現への取り組み方、つまり表現の中身(読解)と外身(声、身体)を磨く。
このことで、聞く人に伝わる表現になるということを、2回の講義でも分かってもらえたらと思う。

ちょっとした心配はある。
この講座、座学だけではなく、立って発声したり朗読する「立学」にしたいのだが、ちょっとみなさんお尻が重いかな?

Where the Wild Things Are

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