リードアラウド講師認定講座第5回~報告その2 表現を身体化する

暑いさなかの講座、この日はとくに身体を使った。

朗読に表現をつけるための方法として身体化が有効と、本年度はしっかり演習を組み込んだためだ。

課題書『Night Animals』は、人間だけでなくスカンク、オポッサム、オオカミ、クマ、フクロウなど登場者がたくさん。

技巧的にするなら、6人(匹?)を読み分けるかなりのテクニックが必要。

でも、リードアラウドでは技巧を極めるのではなく、自然に即興でできるようにするための演習をしている。

シアターゲーム(インプロ)での演習だ。

部屋をなるべく広く空けて、出来るだけ自由に動き回れるようにして演習開始。

動物の名を挙げ、みんなはその動物になったつもりで歩き回る。
サイドコーチングで、「体全体で表現している?」「ワンパターンではない?」など、かけ声をかけて修正させる。

このとき、たいへん驚いた。
H.S.さんだ。

うまい。
うまくなった、というのか、それとも、もともとあったものが、やっと外に出たというのか。

反応も速く、背中、頭、手足と動きが立体的。
てらいがまったく消えた。

この「一皮むけ」っぷりが、朗読に表れ始めている。
H.S.さんの今後の朗読に、目が離せない。

もし万が一、身体化と朗読を結びつけるのが難しいと感じたら?

それぞれの登場者のせりふを読む直前に、その動物の「ふり」を入れてみよう。

吠えたり、噛み付く格好だったり、ほんのちょこっと実際にする。

すると、演習でした大きな動きの記憶が蘇り、言葉に表現として「らしさ」が乗ってくる。

大勢が動き回っている中で、H.S.さんは自分に注目させた。
そこも評価できる。

・気づき、その1

よく動いている中でも、気になるのは、動きがパターン化して、機械的になっているひと。
本人も楽しくないし、そうなると観客も楽しくない。

登場者になった気になることが、楽しむポイント。

「おなかすいたな」「あ、ハエ。やだな」「疲れたなあ」「あ、あれはなんだ」…、いろいろな場合を即興的に考え、その場合の登場者としての行動をとる。

笑わせようと考えるのではない。
なり切る。

・気づき、その2

先生という仕事をしているみなさんは、文字に頼る傾向が大変強いこと。

せっかく身体で表現する演習をし、かなり良い線で表現できていたのにもかかわらず、本を手にしたとたんに、平面的な読み下しにすっかり戻ることがあった。

くるっと変わる、変わり身の速さ。これは何だ?

多分、無意識になったため。
気を抜いたときに起こる。

予防は、気を抜かず、身体表現ということに自分を集中させること。

Y.Y.さんも、身体での表現で健闘していたのに、何かの拍子におみごとに、読み方がただの伝達のように平坦になった。

「なに、その読み方?」
と、反射的なわたしのものいいは、不快だったかもしれない。

でも、弁解するなら、それまでたいへんよかったのに、あっという間の逆戻りで、本気で驚いたため。

本人、はっとして、それからがまた驚き。
またまた瞬間的に、いい表現にスイッチオン。

とても印象的な場面だった。