英語えほん千夜一夜〜第5夜Don’t Let the Pigeon Drive the Bus

文・絵:Mo Willems ISBN:9780786819881 $15.99 レベルの目安:初級 120L
Stand-up comedyという、英米で盛んなお笑いのスタイルがある。Comedianがひとりで、劇場などに集まった観客に語りかけ笑わせる。本書は読者を観客に見立てた、stand-up comedy風のコミカルな絵本だ。Comedianは、Pigeon。このハトは、いつかバスを運転したいと夢見ていてチャンスを狙っていた。そんなおり、目を付けていたバスの運転手が、ちょっとバスを離れるので、読者にお願いをする。… can you watch things for me until I get back(戻るまで見張っていてもらえるかな)?続けて、oh, and remember: Don’t Let the Pigeon Drive the Bus(くれぐれも、ハトにバスを運転させないように)! と念を押す。表題は、ここに由来する。
ここからは、ハトの独壇場!台詞だけで進む。それにしても、表情豊かなハトである。古今東西、あまたある絵本のなかでも、ハトが主人公なのは希少。おまけに、こんなおしゃべりなのは初めてではないか。さてさて、無人となったバスを背景にして、この好機到来に半信半疑で登場したハト。運転手のいないバスを確認後、見張り役の読者に頼む。Can I drive the bus? Please? I’ll be careful.「運転してもいいでしょ?お願い。気をつけるから」。これではダメとわかると、あの手この手でつついてくる。「いとこは毎日のようにバスを運転している」「I’ll just steer(ハンドル回すだけ)」「運転ゲームとして遊ぼう」「Just once around the block(一区画を1回だけ)!」「親友になってあげるから」「How ‘bout I give you five bucks(5ドルでどう)?」「きみのママはきっと、いいって言うよ」「What’s the big deal(たいしたことじゃないでしょ)!?」「I have dreams, you know(ぼくだって夢があるんだよ)!」…、硬軟おり交ぜて攻める。1ページに4コマ、2ページに渡って全8コマの、マンガ的な展開だ。くるくる変わるハトの表情や動きが、台詞のニュアンスを的確に伝えてくれる。子どもが、実に楽し気に読む2ページでもある。
こんなにお願いしても、運転の許しが出ないとわかったあとのハトの反応が、すさまじい。そして、オチも……本を見てのお楽しみ。

Don't Let the Pigeon Drive the Bus!
『Don’t Let the Pigeon Drive the Bus!』