英語えほん千夜一夜〜第3夜

Bear & Hare Go Fishing 文・絵 Emily Gravett 9781481422895
$15.99  目安のレベル:入門
9781481422895

 ほんの限られた数だけの言葉を、表情豊かな絵と密接に連携させて、大人にも驚きのある物語を語る。難題だが、それを得意とするのが本作者。英国絵本作家の栄誉、Kate Greenaway 賞も複数回受賞した、英国を代表する絵本作家の近作だ。
 Bear and Hare are going fishing(クマとノウサギが釣りに出かけた)。調子のいい韻律の文で始まる。ふたりの釣りの腕前は、持ち物や表情から、たぶんクマが上だとわかる。本格派で先輩風を吹かしたクマは、Bear LOVES fishing(なにしろ釣りに目がない)! まさにLOVESと強調されるにふさわしい顔で、釣りへの愛が幼い読者にもストレートに伝わる。お伴のノウサギは、釣りよりピクニック気分で、そんな気楽さが伝わる。Bear fished. He fished…たたみかけで、クマの自信満々さがわかる。釣れたのは…、次を開けないとわからない。心憎い物語の運び方だ。無造作に次ページを開けたくない。ためて、一気に開ける。…なーんだ、釣ったのはノウサギの帽子。クマのなんて情けない顔!子どもの笑い声が聞こえてくるようだ。                                       
 気を取り直してHe fished…、でも今度は a frog! 実にきまり悪そう。また気を取り直して釣り竿を垂れるが、fishはなかなか釣れない。He fished…/and fished…、ページを繰るたびに、クマの顔からは笑顔が消えていく。徒労感がだんだん濃くなる。かたやノウサギは、われ関せずとピクニックを満喫中。And…クマが寝入ってしまったじぶん、ノウサギが水面に目を凝らすと…。この先は、「まだ開けちゃだめ」などと子どもを制し、代わりに「さあさあ、どうなるか」とあおる。最終場面に待ち受ける大きな驚きを演出したい。
 もうひとつの驚き、大人としての驚きは、ほんの15語程度で語られているということ。英語が初めての子どもにも越せそうなハードルだろう。

音読のヒント 1. 「クマとノウサギ、どっちのほうが釣りが上手だろう」など、場面場面で語り合いながら、次の場面を想像させる。
2. 「…」で終わるページの後は、ためる。間を空けてゆっくり開けることで、驚きを演出する。