大阪でリードアラウドーIt works!ーその2

これまで、ほとんど東京だけしか行ってこなかったリードアラウドを、大阪に持って行ってみて改めて思った。It works!
リードアラウド、やるじゃん。
そう思わせてくれたのは、今回、聞こえてきたこんな声だ。

「(3歳の息子は)まだアルファベット知らないのに、一時間のレッスン(リードアラウド)で言葉を暗記して一人で読めるようになり驚きました! 特に感情を入れて読むところが強く印象に残っているようです!」

「普段恥ずかしがり屋の女の子が積極的に声を出していて、帰宅後も『Not a Box!』を連呼している」

「(リードアラウド後の)エッグペイントのときも、(一緒にリードアラウドした)絵本をハムスターに読んであげるのだと女の子に自慢されました!」

「(リードアラウド4つ目の約束)24時間以内(に家のだれかに読んであげる)の約束を、娘(小6、中3)達とお風呂に入りながら、楽しみました」

また他のリードアラウド研究会の先生が行っているリードアラウドでも、こんな声。

「前回、前々回、参加の方は必ず、『いままでの本、おうちですごく楽しんで読んでるよ!』と言ってくれる」

などなど。
これらから推し量れるのは、少なくともリードアラウドには次のような魅力や「力」があるからじゃない?ということ。

1、セッション中にさんざん、表現を変えたり、読む人を変えたり、指導者が何度も口にしたりした「選りすぐり」のフレーズ・文・語は、子どもの「口」に残り、時間がたってからも再現できる。(もちろん頭に残っているから口に出るのだが)
ただし、ここで指導者は欲張ってはいけない。
これはと思うフレーズ・文・語の的を絞ること。
的をしぼったら、今度は、くどいと思わせないようあれやこれやの言い方で何度も、子どもに読ませたり、言わせたりする。
飽きさせないために、ここで腕(話術、声術など)というか芸が必要になる。

2、わざと大仰に約束させる「4つ目の約束」が、効果的である。
「いまから24時間以内に、うちの○○さんにこの本を読んであげる」と具体的な約束をさせることで、約束自体を面白く感じ、印象も強く残る。
参加者が子どもの場合は、特に「約束を守ろう」とかなりの率で復習をしてもらえる。

3、これまでの読み聞かせや、先生との朗読で欠けていたのは、本当らしい表現。読解に基づいた豊かな表現だ。
リードアラウドの大切な約束のうち「感じを出して読む」は、子どもに絵本朗読の楽しさを教える要でもある。
指導者としては、子どもたちと約束をする際に、大いに演技を楽しむようにすると成功する。
「さあ、感じを出して読もうね」ではなく、「ここは、怒っているのだから、みんな怒って!」とまず感情を出させ、その上に英語を乗せるという指導が必要だ。
感情の発露は、子どもたちには遊びのように思えるので、大喜びだ。
そして遊びは楽しい。

リードアラウド指導報告~広島H先生より

以下は、何度目かの広島でのリードアラウドを終えたH先生の報告。
使った絵本は『David Goes to School』。
9780439321716

★★★★★★★

常連も増えてきて、4つの約束を覚えてくれている方もおり、序盤はスムーズに進められるようになってきた。
まず、本番に入る前にデイビッドシリーズ第1弾の”No David “をさらりと読み、デイビッドの印象をつけさせる。

とてもいいアイディア!

今回のウォームアップはシアターゲームのenergy circle。
テキストで一番沢山出てくる単語”David”を、はじめは小さな声から徐々に大きくしていって最後は最大級の声で出す。

順番に1人ずつ、は難しかったので、親子ではじめはしゃがんで、最後は立ち上がってジャンプ!とからだの高さと連動させてだんだんと声を大きくしていった。

オリジナルのやり方になってしまったがずいぶんと楽しんでもらい、つかみはok!という感じ。

しゃがんでから立つなど、体を使ってのenergy circleはとても効果的。
特に幼児は体を動かす時間が、必須。

いよいよリードアラウドスタート。
(うちの子も含め)リアルデイビッドが動き回ってる中、進行していくのはなかなか至難の業。

sit down!やpay attention!が実際に飛び交うような状況。
今のこの状態だね〜、とジョークを交えながら進めていく。

幼児がいるときは、このくらいの気楽さがないと、先生がまいってしまう。
実際に本文のせりふ「Sit down!」とかが使えて、この本は幼児にもいいことが判明!

絵が説明してくれている場面が多いので、説明はこどもがguessしにくそうな箇所だけにするよう心がけた。

説明はいつも最低限に。
子どもは「説明」と思うと、大人の言葉を頭に入れなくなる。
説明を質問、クイズに変えるといい。

大島先生から一番の楽しみ所、と言われたRecess is over!だが、場所の関係で実際に離れることが出来なかったので、遠くにいるデイビッドに聞こえるようにね!と念押しし、精一杯大きな声でリードアラウド。

体を使わせることの一環。
大声をどこかで出させるのも、子どもを飽きさせないようにする術のひとつ。

Again!?の場面は5歳くらいの子は説明しなくても推測出来ていたが、2~3歳の子にはまだ難しそうだった。

尿意をこらえている場面だが、そうか!
おむつ時代から遠くない子どもには、生理的にわからない???「大人の話」?

最後の3ページはそれまでの怒った声とうって変わって、やさしい声を意識してリードアラウド。

声の質を大胆に変えることでも、メリハリをつける。
そして、本書の主題も「怒り」ではないことがはっきりする。
ただ叱られる本という印象で終わらせないことも大切。
リードアラウドは読解も大切にする。

テキストでは最後、星型のステッカーを先生がデイビッドにあげていたので、実際にご褒美のステッカーを持っていってGood job!と、こどもたちの手に貼ってリードアラウド終了。

これもgood idea!

気づきや反省:
・テキストは小学校入学時の話だが、幼稚園入学時のこどもにも通じるところがある。小さい子にはちょっと難しいかな!?と思わずに、そこをもっとフューチャーすべきだった。

デビッドの魅力、偉大。幼児にもOKな本と、ここでもわかってよかった! いい報告を感謝します。

毎回ワークショップ前はプレッシャーで気が気でないのだが、終わってみて参加者の楽しかった!や、また開催してください!という声を聞くと本当にやって良かった、と思う。

また前回、前々回参加の方は必ず、今までの本おうちですごく楽しんで読んでるよ!と言ってくれるので、リードアラウドの効果は当日よりも、うちに帰ってからその効果がより発揮されるのだなぁ、と感じる。

この「うちに帰ってから効果が発揮される」は、特に嬉しい。
そのはずだと思っていても、なかなかそれを聞けないので、こういう生の声を教えてもらえるとほっとする。
リードアラウドの指導者のみなさん。
自信を持って、やっていきましょう。

H先生、新たな発見、わたしにもありました。
報告をどうもありがとう!

大阪でリードアラウド It works!その1〜2016.3.21ワークショップ大阪報告

そびえ立つ高層ビル、あべのハルカスから歩いて数分の市民センターで行われた、お初の大阪、指導者向けワークショップ。

欲張って課題書は2冊。
果たして、時間内に収まるか…。

「即興(Improvisation)」を大切にするリードアラウドである。
予定はきっちり立ていても、参加者の醸す空気や発言に反応して、いろいろ変わる。
ほとんどが新顔での楽しみも大きいが…、どうなりますか。

かた苦しい自己紹介は飛ばして、warm-upゲームでスタート。
Warm-upは、大人にも有効だと、つくづく実感する。
名前を知り、呼び合うだけでも空気が変わるものだ。

ここ数年、リードアラウドではImprovisation(インプロ)またはシアターゲームが、表現と指導両方の演習に有効だと気づき、ワークショップに積極的に取入れ始めた。

単発の今回のワークショップでは、「シアターゲーム」についての解説や、数多くは紹介できなかったが、少しずつ随所に入れこんだ。

このシアターゲームのおかげで、表現がのびのびしたものになっていくのを実感していただけただろうか。

指導者のわたしたちがのびのびと表現を楽しむことも、リードアラウドの指導法のひとつ。

また、シアターゲームのいいところは、指導者自身の演習になると同時に、後に、自分の教室などで、子どもたちにアクティビティとしても使えるところだ。

『King Bidgood’s in the Bathtub』を取り上げたからには、シアターゲームのなかでも、Characterization のゲームははずせない。

朗読上達に必要な、vocal flexibilitiesの演習のひとつとして行った。

王や女王、小姓、騎士など、顔も体も登場人物になったつもりで、歩き回る。
わたしは「サイドコーチング」と称して、横から「顔もなりきっているかな?」「歩き方は?」「手の動きは?」などみんなさんの動きに、「喝」を入れる。

戸惑いも見えたが、だんだんと、みなさんの表情が楽しそうに、いい意味で緩んで来た。
いい表現のためのスタートラインに立てたようだ。

最後、本書の朗読の仕上げとして全員参加で行ったリーダーズシアター。

もう少々、弾けてもよかったが、最初の朗読と比べたら、雲泥の差だ。
硬かった表現は柔らかく、伸びやかに。
癖や思い込みが強かったものは、より自然な無理のないものに。

見ていて楽しい。
これなら、英語絵本の楽しみが子どもにぜったい伝わる!

絵本リードアラウド認定講座2016 第1回報告〜その1 表現

待っていました!
本年度から「絵本リードアラウド認定講座」と名を変えた、指導者向けのワークショップが開講。

その第1回を終えた。
課題書は、『Bear & Hare Go Fishing』。

Bear & Hare Go Fishing

本年度は、各自がそれぞれのステージにそって目標を立てやすく、「リードアラウド認定講師基準表」を作ってみた。

新人はまずはI.「Reader」の基準を、
2年目の参加者はII.「Associate Instructor」、
3年目からはIII.「Instructor」を、
「ベテラン」と呼んでいる5年目以上のみなさんは、指導者の指導を目指すIV.「Master Instructor」の基準をクリアすることを目標にしていただく。

同じ『Bear & Hare Go Fishing』でも、これらのステージの違いで取り組みが変わってくる。

表現力の部分で、本年度新たに加えた「語り口」という要素がある。

この要素について言えば、本書は、まずはオーソドックスな語り口「物語口調」をマスターしたい。

さて、参加者が各自で自習してきた朗読はどうだろう?
いつもの楽しみ、聞かせてもらった。

共通することがひとつあった。
それは、口調について。

口調を意識していないか、意識し切っていない。

それは予想していたこと。
本の分析の時間に、考えてもらう時間を設けた。

人間は凄い。
考えてみるだけで、変わるから凄い。

考えることで意識が生じて、それだけでも表現がくっきりしてくるのだ。
この日もそうだった。

もうひとつ、朗読する声の柔軟性(Vocal Flexibilities)の演習もあった。

そこでは、語り手と観客の距離のイメージの差
(耳元で語っているつもり、から小劇場の舞台で語っているつもりまで)でどう読み違えるかを練習した。

口調の違いを生む要素のひとつだ。

課題書で、BearとHareについて語っているのはナレーターだが、そのナレーターはどこでどのくらいの人数に語っているつもりで読むのか。

これも意識の持ちようで、かなり違いを出せる。

このせりふを言う(読む)自分は誰で、どこから、誰を見て、誰に言っているのか。

これらを身体的にひとりひとりが身につけるまでの演習時間は、ワークショップ内で割けないが(宿題!)、意識の持ちようでかなり変わる、ということがわかった!

それは、ワークショップ最後、朗読の仕上げにちゃんと表れていた…。

13:30から始め、多くの情報が入れられた後、16:20ごろだ。
疲れもあるし、自習時間もなく、ぶっつけ本番…。

生煮えや混乱もある朗読だが、口調だけとっても表現が立体的になっている!

そして大きくなった。(立体的に、または大きくなるその一歩手前の場合もあるが、それぞれの最初の朗読と比べて相対的により深く、大きくなったのは確か)

めでたし、めでたし。
1ヶ月後の朗読、「三度目の正直」というか三度目の本気に期待が高まる。

P.S.
ステージがまだI. II.のみなさん。
まずは声です。
特に新人は、姿勢、呼吸、発声。

ワークショップでは、つややかな声が出るベテランもいるので、発声ではしょってしまいそう。
でも、ベテランでも発声は、いつも必要な訓練なので、これからもしっかりやっていきます。
(ベテランが発声指導をするような場面も作ります。ベテラン、覚悟を!)

大阪で『Not a Box』を叫ぶ〜リードアラウドwith洋書屋さん

大阪は江坂の洋書屋さん主催のイベントにお招きに預かり、初大阪リードアラウド!

上は6年生から下は赤ちゃんまで、用意された席にぴっちり肩と肩をふれるくらい並んでくれた。

英語など教育に熱心な家庭が多い地域と聞いていたとおり、英語を学んでいる子どもたちが3/4くらい。

とは言え、「この本、もうすらすら、読めちゃう人は?」と、最初にわざと聞いたら、「え〜〜〜っ?!」。
「ああ、よかった。わたしがやることなくなっちゃうもんね」とわたし。
ここで、空気抜き成功。

「最初から上手に読まなきゃ」と思いがちな、子どもの緊張感がゆるむ。

開始前の、問答や何人いるかの人数を英語で数えてみるなどのちょっとしたアクティビティが、子どものその語の発言を誘う。
98495102

このたびも、発言がぞくぞく。

そして、『Not a Box』のポイント、「何度、言わせるの!これは箱じゃないってば」という主人公のウサギの憤りの表現が、炸裂!

「もう3度めの『not a box』だから、かんかんだよ」と、顔を真っ赤にしてNOT A BOX と、競争のように次々と怒りの表現にのせて読んでくれた。

NOT NOT NOT NOT と、notが4度続く、怒り心頭という感じのせりふでは、圧巻だった。

4グループが競って、より怒ったように「NOT!!!」。

もう、今日のリードアラウドで、「not a box」は口癖になったかも。
そして、これから英語で否定したいときの「not」に、感情がよりこもるかな。

リードアラウドらしさが、よく現れて、とても活発ないい会になった。

それから、たっぷり目にとったQ & Aの時間。

子どもたちの熱演、活発な発言のおかげだろう。
大人たちからもたくさんの質問が挙がった!

「どうしても、英語の本を読んでやっていると、areの過去形がwereだ、sayの過去形がsaidだなどと、説明したくなってしまう。リードアラウドでは、どうするのか」

そうそう、これ。
尋ねて欲しかったことのひとつだ。

リードアラウドのモットーとして「説明」はしない。
子どもは、もう大人の世界で決まっていることを説明されるのを好まない。
子どもから求めていない説明は、どうも頭に届きにくいものだ。

でも「tell」する。
たとえば、せりふで今回の絵本の本文にあった「I said, it’s not a box」を読んだ時。
「このせりふ、ウサギが言うのは初めて?」と発問。
「ううん、さっきも言った」と子どもが回答。
「そうだよね、だから、そう言い返えすよね」と受けて、「I said〜」をみんなで読む。

これが、「tell」。
I saidなど、文の意味の伝え方だ。
そしてそのなかに、「言った」と自然に過去形がつかわれる。

英語を母国語のように、どんどんインプットしていくという方法が、子どものうちは有効だと思う。
I saidという言い方があったな、という記憶を残してあげたい。

そうすれば、遅くとも中学校で文法を学ぶときに、「sayの過去形はsaid」とお経のように丸覚えせずに、「ああ、saidってあったな」とsayとの関連付けをすると、記憶が強く、それも自然に残るようになる。

でも、文法に興味を持ち出している場合、または説明や解説を聞くのが好きな子どもの場合は、いつでもそれをするのは問題ない。

この質問から触発されて、こんな質問も挙がった。

「同じ本を何度も読んでいいんですか」

もちろん!

イベントでのリードアラウドは1回1回、違う本を読むが、リードアラウドを教室や家庭でやる場合は、何度でも。
ただし、無理強いはせず、飽きたようだったら、ちょっと脇に置くが、再び目に触れやすい所に置いて、機会をみて何度でも。

2度目以降は、全部最初から読まなくてもいい。
気になる所だけ、と気楽にさせたい。
そして、そんなときに、説明したくなって聞いてくれそうだったら説明してもいいだろう。

子どもはときどき、大人に寛容になるときがある。

今回の本なら、役(ウサギともうひとりの、箱にしか箱が見えない人)に分かれて読み合うということで、2回は遊べる。
また、まだ入門程度の子どもなら、ウサギのnot a boxのせりふだけ、ひろい読みもいい。

ただし、その場合も、必ずウサギの気持ちを考えさせ、表現を工夫させながら。
それが、子どもには面白い。

文字をただ正確に読むことを期待されている、「正解」を出させようとしている気配を感じると、とたんに勉強になってしまう。

大人は、このあたりを注意したい。

英語絵本を読み合う楽しさの種を、ひとつでも多くの家庭にまけたらと、質疑応答の応答にも熱がこもる。

ちょっと講師の熱さが「暑苦しい」会だったかな…。

みなさん、ご参加をどうもありがとう!
イベントを洋書屋さん、どうもありがとう!