続「すらすら」英文が読めるのに意味がわからない子どもたちについて

英語で苦労した多くの日本人の大人にとって、英文を「すらすら」読み下している、今時の英語キッズは驚異のはず。

だが、わたしも今だからよく分かるが、この「すらすら」が曲者だということ。
意味を理解して読んでいるとは、限らないのである。

先日も、ネイティブの1年生レベルReadingの教材(ワークブック)
Spectrum Reading 1 (McGraw-Hill Learning Materials Spectrum)
を、生徒が「すらすら」読んだので、つい、分かったと思って、内容についていろいろ質問をした。

だが、どの答えも「I don’t know.」

えっ?
今、すらすら読んだばかりだけど?
正誤のない「What do you think?」という問いにも「I don’t know because I don’t know」って。

え、え、え〜?
そんな!
生徒はあまりのわたしの不思議そうな、意外そうな、「冗談よね?」みたいな反応に、自分が情けなくなったのか、なんと涙目に。

そっか。
何も考えずに、ただ読んだんだ。ごめん。
その癖がついているんだね。

今度は、やり方を変えよう。
絵本でなくとも、場面や登場者がどういうものか、どういう雰囲気なのかなどを考え、それにそった読み方をいつもさせるように。
たとえその文がワークブックの文でも、油断大敵。
ちゃんと、リードアラウドの読み方で読ませてみよう。

同じ日に、この生徒でもうひとつ、とても興味深いことを発見した。

表現の枠を広げるために、ときどきスクールではシアターゲームをする。
そのひとつで、感情をでたらめ語(gibberish)で表現するEmotional Mirror Gameをしたところをビデオに撮った。
そこに写っている自分を、とても見たがったのだ。

見せると、与えられたemotionをでたらめ語でべらべら表現しようとしている自分を、実に興味深そうに、何度も見る。
(でも、たとえばsadというemotionなのに、表現するのが嬉しくてにこにこしてしまったりのときもあって、満点の出来ではないのだが)

自分の知らない自分が写っている?
実は表現豊かな自分を発見した?

何を見ようとしているのか、とても興味がある。

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