Taro Yashima を読み直そう

戦前・戦中を知らないわたしだが、当時の空気を絵本作家から随分と学んだ。
日系人として初めて栄誉ある絵本の賞、コルデコット賞オナー賞を『Crow Boy(からすたろう)』『Umbrella(あまがさ)』で二度受賞した八島太郎さんだ。

その著書、『The New Sun(新しき太陽)』『Horizon Is Calling(水平線は招く)』は、八島さんが本名岩松として、特高(特別高等警察:第二次世界大戦前に設置されていた秘密警察)に拷問を受けたり息苦しい時代の日本で生活していた頃のバイリンガル「絵日記」。

反戦運動や反政府的な活動に「鵜の目鷹の目」で監視網を張り巡らせていたという。
八島さんは、軍国主義に反対して10回も投獄された。
友人で作家の小林多喜二さんは拷問で死亡。

八島さんは、39年に渡米して芸術を学び、米国で絵本作家としても成功した。

渡米は身の安全のため、そして何よりも軍国主義の日本に失望したのだろう。

「絵日記」は、時代の暗く重い感じや、周りの普通の人々が「鵜の目鷹の目」で監視し合う息苦しさをよく伝える。

「こんな時代があったんだ。ああ、今でよかった」と、20年くらい前には思えたが、今はそう能天気な気分ではなくなった。

もう一度読み直そうと思う。