ESL用の教本、善し悪し

30年以上たった今でも、鮮明に覚えている英語の本がある。それは中学生のときに「サイドリーダー」として読んだ、オックスフォード大学出版のAround the World in 80 Daysだ。これは、English as a second language(ESL)用に、やさしくそして大幅に短縮して書かれたものだった。中1で英語を始めた生徒には、それでもハードルが高く、単語調べの予習が欠かせなかった。だが、新しいページを開けるたびにワクワクした。英語で書いてあることが、たどたどしいながらも分かっていくのが嘘のようで、苦労はしたが誇らしくも思った。

中学生でも読める英語で書き直された『80日間世界一周』があって、ほんとによかった。原作の力に支えられて、中学生の生意気盛りの頭にも作品への尊敬の念があったように覚えている。無論、原作が英語で読めれば一番だが生徒の力としても、授業としても不可能だった。これがたとえば『Dinosaurs Before Dark (Magic Tree House, No. 1) (Book & CD)
『Dinosaurs Before Dark (Magic Tree House, No. 1) (Book & CD)』
』などMagic Tree HouseシリーズだったりKatie The Kitten Fairy (Rainbow Magic: Pet Fairies 01)
『Katie The Kitten Fairy (Rainbow Magic: Pet Fairies 01)』
など『レインボーマジック』シリーズだったら?と思うのだ。

ウ〜ム。英語圏だったら小学中学年程度の内容である。せいぜい小学5年生までで、終えたい内容だ。逆にいえば、その年の子どもたちにはぴったりの、楽しい本だろう。現実的には、普通の日本の小学生では歯が立たないわけで、英語のレベル的には中学生2,3年だろう。でもそうなると精神年齢が合わない。きっと、わたしが中学生でこれを読んでいても、今でも覚えているなんてことはなかっただろう。

日頃、教本とかリーダーとか、英語教育のために書かれた本に対して、「本物ではない」とか冷淡で、オリジナルを勧めるわたしだ。しかし、こと中学生からの英語に関しては、自分を振り返って見るに、やはり精神年齢のほうを重視した、幼稚と感じない原作に力のある本で、それをやさしい英語で書き直したものがいいかなと思う。

ただ、これが小学生や幼児だと話は別だ。(つづく)