指導者向けワークショップ#4、声が変わった!

 7月18日のWS、まずはボイス・演技コーチ中西先生との時間。これまでの疑問点などの確認から始まった。いろいろあったが、「若い声」の作り方についての質問では、ふくろうの練習?が、いいかも知れないとのこと。「ホ〜ホ〜」と声を出すと、高い声が出やすくなるらしい。別の機会に、こういう練習のセッションを持って頂けたらと思った。

 この日、始めは何も注意を与えず、課題書『あおくんときいろちゃん』を読んだ。その時、3つに別れたそれぞれのグループから聞こえてくる声は沈んだような、少しもcheerfulでない声だ。わたしまで暗くなる。

 それから、「体に芯を通して下さい」との指導。ぐにゃぐにゃだったり、傾いていたりの体を、地球の重力に任せるようにまっすぐ芯を意識して立つ。
もうひとつの指導は、「空気や光など周囲の環境を自分の味方にする」。感じで言うと、光のマントを羽織った感じ、または、ちょっとした「後光」が差す感じか。ひとまわりかふたまわりか、大きい自分を意識する。

 これらの指導に加え、感情を外に出すエクササイズである「声のキャッチボール」をしばし行った。これらの後に、ふたたび同じ本を読んだ。その声の、明るいこと! 声が変わった。人を魅了できる声になったのには驚いた。ユリゲラーのスプーン曲げを見たような気分だろうか。でも、これはいかがわしいものでもトリックでもない。意識するだけで変わるものがあるらしい。意識とは摩訶不思議、人間とは不思議なものだ。

 この日、みんながきっと、聞いてびっくりしたことのひとつに、「絵本を朗読するときに、本を持つのはただのスタイルだと思って下さい」ということがあるのではないだろうか。読み込んで読み込んで、ほとんど暗唱して、本は形として持つだけ。「ほとんど飾りだと思って下さい」ということだ。

 字を追うようでは演技ができない。これで、わたしも言いやすい。声を大にして、言おう。みなさんは、まだまだ読み込みが足りない!
 本の内容が自分の話になっていないから、集中が途切れる。だまされたと思って、何度も読み込んでみて欲しい。

 それからもうひとつ、母語で練習する意味についての言及には、鳥肌が立つほど興奮を覚えた。「うまく言えないせりふを、その人の出身地の関西の言葉に直して練習してもらったら、難なく上手く言えるようになった」という中西先生の経験談だ。これ、これ、そうなんです。わたしがよくいう「しらじらしい」英語の読み方というのは、棒読みだったり、大根役者チックな読み。これはスラスラとも聞こえるが、気持ちが入ってない。だから聞く人の心にも残らず右から左に出て行ってしまう。なのに、その問題点に本人も周囲も気が付かないか、問題視しない。

 日本語でこういう読みを聞けば、直感的にまずさが分かるはずだが、英語だからスラスラでありさえすればノーチェック。もっと悪いことに、それがまるで上手なものとして世にはびこっている。指導者がそんな状態では、子どもたちがちゃんとした表現をなかなか学べない。大問題だと思っていた。

指導者のこの問題を改善には、まずは同じ内容のものを日本語で練習すればいいはずだ。絵本なら翻訳の読みを練習する。こう気付いて、細々とやり始めたわけだが、それが中西先生の演技指導経験と合致! 「方向は間違っていない」と嬉しくなった。

(つづく)