リスニングとリーディングが得意だ!〜キッズブックス英語スクール

我がスクールでリードアラウドを小学生時代に始めた「ベテラン」は、今、高校3年の大学受験生と高校1年生。この二人との経験からだけではもちろん科学的な根拠にはならないが、現在の二人に英語力で共通することがあることに気づいた。リスニングとリーディングに苦労がない、ということ。その自覚もあること。

少なくともこの点については、大変苦労した私の高校生時代を思い出すと、実にうらやましい。

二人が偶然にも語った共通点は、こんなこと。

・英検などのリスニングテープが、ゆっくりに感じる

・出題されたリーディング問題文を、試験中にも関わらず情報として楽しむことがある

ははーん。リードアラウドを知る人は気づくのではないだろうか?

そう、リードアラウドでは表現をうるさく言うのだが、求める表現は自然と英語圏のナチュラルスピードになる。そして表現には、読解が伴う。すると、英語圏の自然な速度で意味が取れるようになる…。

また、もひとつ。リードアラウドを続けることで、読む本(再読も含めて)、読む英文のインプットが蓄積していく。ある程度の速度を持って、本を何度もそして何冊も継続して読んでいく。すると、英文を読むこと、ある量読むことに抵抗が少なくなっていく…。

リードアラウドの今後の課題は、語彙である。年に30時間余のレッスンだけで、英語圏ネイティブの同年代の語彙に追いつけない。そこで、いかに少しでも多くの語彙を身につけさせるか。

そして、もうひとつ。これは一番難しいかもしれない力、ライティング。いかにより知的な語彙を使って、内容ある英文エッセーを書けるようにするか。「内容ある」ものも求めると、とてもレッスンだけではこれも追いつかない。各自が考える習慣をつけること、これを示してもいこう。

新年度は、今までのリードアラウドを踏襲しつつ、さらにこの語彙とライティングの課題を徐々にカリキュラムに入れていく。楽しさは保ちつつ、である。

高校生クラスで使っているテキスト例:

Mem Foxが読む『Hello Baby!』~リードアラウド研究会

久しぶりにMem Foxのことを書く。

直接、彼女の教授を受けたわけではないが、このMem Foxが我が「リードアラウド」の先生、生みの親と言ってもいい。

絵本を楽しく読むことが、子どものReading力を高める、と絵本のread aloudをしようと、熱く説く著書、『Reading Magic』が最初の出会い。

それから、偶然の出会いやオーストラリア大使館を挟んだ招聘計画(ボツ…)を通して、本や作品や社会への姿勢を知ると同時に、その絵本作品や著書、絵本を読む姿から多くを学び続けている。

昨年度の認定講座では『Ten Little Fingers and Ten Little Toe』を、そして2019年度の第一回は『Hello Baby!』を取り上げる。

私が考える「うまい絵本朗読」がここにある。聴衆に語りかける心と心に届く声の技術。嘘臭さ、偽善臭、表面的なぶりっ子などとは無縁。凛々しい、ハンサムな、それでいてあったかい。そんな風な人柄を(たとえそれがフィクションであろうが)思わせる語りが素晴らしい。

パフォーミングアーツの先生から絵本作家になったというバックグラウンドが、強みだ。ぜひ参考に、皆さんも。


大人だって上手くなる!~リードアラウド研究会

カルチャーセンターの「声に出して読む英語絵本」の講座を受け持って一年余。小さいクラスで5-6週ごとに参加者の出入りがあるだが、みんながそれぞれ、受講前より受講後に確実に、課題の英語絵本の読み方が上手くなる。

冬学期の今、最初の課題書は『The Carrot Seed』だ。

2回目のレッスン。最初にペアで通読をしてもらう。すると、ここ、ここ、と、磨きをかけるところが浮き彫りになる。

Every day the little boy/pulled up the weeds around the seed / and sprinkled the ground with water.

この部分だ。みなさんの朗読から全然、「絵」が浮かばない。また、語句がただの単語としてゴロゴロ耳に残る。

やることは、二つ。

  1. 場面を実際に「見て」、その様子を語るように読む練習
  2. ごろつく単語を、句などにまとめて発音する練習

1の練習のために二人組にする。一人が少年になって、書かれている通りの行動をする。同時にもう一人は上記の本文を読む。

聞きながら動作をする、または、動作を見ながら読む。すると、動作にかかる時間や空間が読み手にわかってくる。例えば、雑草を抜くのは、一瞬ではなく何本かなので時間がある程度かかる。間の必要性が「見える」。水撒きにも、ジョウロには手を伸ばさないと届かないし、ちょろちょろ水を撒く時間もかかるのが、わかる。

「ははー」、みなさんはこの演習をしてみて納得。イメージが浮かぶ朗読をするのには、朗読者自身の頭の中にイメージが浮かんでいないとならない。

その後の読みに緩急ができ、間や空間の意識が生まれ、飛躍的に表現が豊かになった。

2の問題は、指摘は簡単だが、朗読者自身が修正するのに努力を要する。例えば、pulled up。pulledと発声してそれから改めてupと独立して言うと、upが耳に残る。特別にupに意味を持たせる場合でないなら、pulled-(u)p (リエゾンが起こる)そしてthe weedsが間を置かず発音される。

日本の中学高校の英語で是非とも、先生方にお願いしたいのは、こうした単語が連なった時に起こる発音の省略、リエゾンを使った、自然で流暢な読み方を教授すること。後でみんな苦労するので、早めに教えてあげて!

大人になって治すのは、口癖をなくす練習のようなものなので、苦労する。そしてリエゾンは普通の英文の発声、発音、発話、そこら中で起こっている現象だ。

我が講座の受講生には、気長に修正していただくとする。

さてさて、この日のレッスンで、1, 2の問題点に絞って演習後の皆さんは…?

はい。見違える(聞き違える)ほど、より場面が目に浮かぶ朗読に。かなり上手になったのでありました。

『Snow』は名作~キッズブックス英語スクール

絵本を表現豊かに読むこと(リードアラウド)を通して、英語を総合的に学ばせよう、というオリジナルな英語教育方針のわがスクール。その親子クラスで、今年の1月は『Snow』を読んでいる。

毎年のように冬になると、どこかでリードアラウドしてきた本だが、なぜ「毎年のように」なのかと言えば、あきないからだ。

いつも子どもが、それなりに食いついてくれるし、一緒にいる大人は「発見」があったり、「童心」を思い出せたり、何かしら楽しさを感じるのである。

これまで一緒にこの本を読んだ子どもは、100人近いかもしれない。

そのうち「雪がきらい」と言ったのは2~3人だったと思う。この本には、そんなたいていの子どものsnowへの喜びが描かれていて、子どもはとても共感する。

「It’s snowing!」

主人公の少年があげる喜びの声だ。

この台詞を、子どもはなんと上手に読むことか。それに比して、指導者も含めて大人の、この台詞の響きが悪いことといったら。雪が「やっかいで、降ってくれないほうがいい」というこれまでの経験からの現実的な気持ちが、どうも心を濁らしてしまうようだ。

どの子どもも、いつも、毎回、「It’s snowing! 」を素晴らしい表現で読む。その声を聞くだけでも、わたしたち指導者は

「ああ、この本にしてよかったなあ」と思う。

子ども万歳!

『Snow』万歳!

発問!発問!発問!〜リードアラウド研究会

リードアラウドらしい指導の鍵は「発問だっ!」と、思っている。

先日の絵本リードアラウド認定講師認定審査の、皆さんの模擬指導 では、いいところなのに生徒に尋ねずにスルーするのを見ては、「発問だっ!」と心で叫んでいた。

ブックハウスカフェで子どもたちとのリーダーズシアターがあった。本は『Night Animals』だったのだが、以下のような問いかけで全編を進めた。「発問するってどうするの?」と思う指導者みなさんの参考までに、順不同で一部だが、発問そのものを挙げてみる。「→」からは、子どもの答え。

表紙を見せながら「この本、何の本だろう」→暗いから闇。動物の本。

題を一緒に読んで「知っている言葉あった?」→ Night! 闇だ。夜のこと。Animals! 動物

それを受けて「夜に起きている動物だね。どんなのがいる?」→ひとしきり動物名を挙げさせ、英語でも言ってみる。夜行性でなさそうなものには、「昼のほうが元気かも?辞典で調べてみよう」とオープンにしておく。

この本に出てくる夜に元気に起きている動物は?」→(本に目を向けさせる。パラパラ全体を見せながら)こうもり(bat) クマ(bear)

登場する動物名を挙げさせ、不案内なものpossumについて、考えさせる。「これ、何だろう?」→monkey? rat? 挙げるもの順に英語名も教えるが、possumは出ない。

possumについてヒントを出す「どんな特徴があるかな?本の絵を見て」と内容に触れさせる→怖がり、すぐに気絶する?

「臆病で、危険だと思うと死んだふりもする、ネズミの仲間で木に住んでいる、possumっていう動物なんだ」とマメ知識を与える。

出てくる動物の鳴き声は?特徴は?」と、本文の内容にさらに入り、ところどころ書かれている鳴き声を見つけさせ、一緒にそれらしく読ませる。

今のwolfの鳴き声、どうだった?」→ イヌっぽかった。ちょっと声が小さかった。

「イヌの先祖だからイヌっぽいね。野生だから大きくしてみようか」その声から、登場動物の台詞の読み方を想像させ、やらせる。読ませる。shhhhなどから臆病などの特徴を挙げさせる。本文に本格的に入る。

「Big, hairy, long sharp clawsってだれの特徴?」→bear!

ちょっと集中を切れた時、いちばんウケそうな動物について尋ねる。「スカンクの特技は?」→おなら!

「怖くなった時、危ないと思った時、そう一発するね。じゃ、この話では何発したかな?」。これでもう夢中で、描かれた黄色いガスを探し始める→3発!ちがう4発!

じゃ、一発目のところ、なんで怖くなっちゃったのかな?」その場面にかかれている情報を読んだり、発見したり。→wolfの声を聞いたから。possumは気絶してる!

幼児から小学生3年生が混じったなか、秀逸な本書の描写に助けを借りながら、小学生の興味(「夜行性」などの科学的な用語や動物マメ知識など)を引きつつ、聞かせ、マネさせ、自力で読ませ、物語をわからせる。すわったまま約40分(残りの20分はリーダーズシアターのプレゼン)、子どもに質問を投げかけそれに答えさせつつ、関連づけて読ませる。子どもはちゃんと、ついてきてくれる。

こうした子どもへの問いかけが「湧いてくる」タイプの指導者でも、経験が浅いうちはそれなりに予習して、付箋紙で発問すべきページに発問の内容を貼り付けておくといい。湧くように発問できるようになるまでにかかる時間は、経験の多さや個人差がある。しばらくは付箋紙でいい。

発問が湧いて出てくるタイプとして、自分の頭のなかを見てみた。特徴なのかどうか、でもどうやら、ものを見るときに、いつも新鮮に感じるという態度があるようだ。発見しようという、好奇心?かも知れない。

(なんども読んだ本であれ)ページを見たそのときに「これって…?」という疑問が一瞬浮かび、「ああ、そうそう、こういうことだ」とこれまでの経験や知識で答えが出る。ときに出ないときもある。そのときは、すぐに知りたくなり調べる。それから、得たばかりの新知識に満足したり感心する、というパターンだ。

一瞬の「これって…?」という疑問は、だれの頭に浮かぶはずなのだが、それを認識するか、しないか。認識してその一瞬を捉えれば、それが発問そのものになる。自分の知っている答えで納得してしまうより早く、浮かんだ疑問を認識する。

ボタン押しゲームのような、一種の反射神経かも知れない。頭の中で、たとえば左から疑問が湧き、右から答えが湧くとすると、経験を積んだ大人になった今は左を省略して右のボタンを反射的に押して、それを生徒に伝えているのかもしれない。その自動化しているらしい流れを再び戻して、左のボタンを押す。反射的に押せるようにするのだ。

新年度のリードアラウド認定講師講座では、ちょっとここらへんの「反射神経」の演習を考えてみたい。

Night Animals

絵本リードアラウド認定講師講座[一日講座]

Pouch!

The Carrot Seed

The Happy Day