リードアラウド、耳も肥え講評力も〜リードアラウド研究会

「声に出して読む英語絵本」というリードアラウドの講座を、カルチャーセンターで開講しておよそ2年。ずっと受講して下さっている方々は、自身の朗読が上達しているのはもちろんのこと、もうひとつ、朗読の良し悪しが講評できるほど、耳が肥えてきていることに驚嘆する。

先日、講座に体験生が一人入った。課題書の前半は、前回のレッスンでじっくり演習済みなので、さらりと復習程度だけ。後半がこの日の山場、この部分については体験生もほかの受講生と同じように、感情の解放演習や、感情を言葉に自動的に乗せる練習などをこなした。

最後に、グループに分かれて通読して講評をし合う。そこで体験生の朗読に「先輩」受講者がこう講評した。「今日いっしょに練習した後半と、彼女はやっていない前半の読みが、くっきり違います。一緒に練習した感情表現が、後半の言葉には乗って、臨場感がある読みになってきました。でも、前半はそうではなく平坦。レッスンをしたところとしていないところの差がはっきり出てていました」。

「ははあ」、まさにそのとおり。わたしの出る幕はなし。他の受講生もふんふんとうなずき、体験生はキラキラ。大人でも褒められると、とても嬉しいものだ。講評への賛辞ももちろん忘れなかった。

「なんか違うな」と気づく耳を持つだけでも素晴らしいが、その違いが何なのか、なぜなのか指摘して、具体的に褒める。かつ、今後の目標、体験生の場合は課題書の前半も感情表現を考えて言葉に乗せる練習をすること、も示唆することがいい講評だろう。

講評をし合い高め合うことを、リードアラウドではとても大切にしている。



大人のリードアラウド、上達の秘密は?〜リードアラウド研究会

英語絵本のリードアラウド、一般の大人向けクラスでも、カルチャーセンターでも、みなさんの朗読が、(わたしの印象では)見違えるほど上達している。この上達、どんな指導が効果をもたらしているのだろうと、改めて考えてみた。

受講者は、もともと学生時代に大学受験を突破する程度まで英語の勉強をやってきたひとたちらしい。

日本のこれまでの「受験英語」はなかなか立派なもので、受験の英語、高校3年までの英語をある程度まで頑張った人なら、文法は大抵のところは頭に入っている。なので、絵本の本文の意味は「かなり」わかる。絵本で使われる語彙は意外と受験英語にカバーされていない場合も多いため「かなり」で、正しく意味がとれるのは6、7割になるかもしれない。それはそうなのだが、でも一番の問題は、音読の力。

ほとんどの人は「棒読み」で、表現のないただの読み上げができる程度で放り出されている。「棒読み」は、読んでいる文の意味がわかっていないという証拠でもある。今、英語圏の小学校から中学高校まで、英語教育の目標として、

Fluent reading、音読の流暢さというものが挙げられている。oral interpretationともいわれるもので、内容がわかっていればおのずと音読したときに表現が豊かになる。その表現ある読み、流暢さの程度を聞けば理解度がわかる、という認識。これが教育界の常識となっている。

にもかかわらず、日本の多くのわたしたちは、「棒読み」でも発音があっていればよしとする英語教育を受けてきた。

リードアラウドの朗読指導では、内容理解とそれを音読に反映させる読み方を指導する。文が表している内容や感情を言葉、句、文に乗せる直接的、具体的な演習をする。この指導法がどうやら効果的なようである。

人間の脳というものは、実に不思議だ。母語でない言葉に感情を吹き込むには、実際に母語で感情を動かしてそれを時間をおかず英語に反射的に移し替えるという、ほぼ運動みたいな演習が必要なようだ。

セミナーやカルチャーセンターでのみなさんの上達が、少なくともこの効果を示してくれているようで嬉しい。

カルチャーセンター夏学期終了(その2)〜リードアラウド研究会

『Walter Was Worried』で頭をほぐしたあと、もう少し細やかな心情や変化のある『We’re Going on a Bear Hunt』に取り掛かったのは、三回目のレッスンから。

発音やフレージング、ピッチ、声の強弱などの演習を行い、ついに五回目にして最終調整。これまでの演習のおかげか、すでに露わになった感情を、今度は1.2倍ほど大きく出す。さらに緩急の差も1.2倍くらいに……。

そして『Walter Was Worried』ではひとりずつ、『We’re Going on a Bear Hunt』ではペアで発表をしてもらった。今期の始めのころとは、言葉の響きが全然違う。言葉が浮き彫りになっている。面白く聴ける、エンターテインメント性がでてきた。読む人も楽しそう。生き生きしている……。

いやはや、もう別人の朗読だ。講師としても、やりがいがあるってものです、これは。

Walter Was Worried

We're Going on a Bear Hunt: Anniversary Edition of a Modern Classic (Special)

英語絵本リーダーズシアター@ブックハウスカフェ~リードアラウド研究会

久々の大島によるリーダーズシアターは、「ちいさいお友だち」も7〜8人くらい、「おおきいお友だち」はその倍以上?集まって下さり、大賑わい。

「ちいさいお友だち」の中には、本当にまだほんとうに小さい、「パパママ」クラスから飛び級?した子どもたちも混じっていた。

リーダーズシアターらしいのは、最後に子どもたちにステージに立ってもらって、本文の台詞を読み合うところ。

この日は、5年生も混じってとても心強かった。

「大きいお友だち」が特にやる気まんまんで、声が大きいのが大変よろしい。おかげさまで、「ぎょぎょぎょ」という感じで目覚めた子どもたちもかなり頑張って声が出た。

いつも思うのは、緊張を解くことが大切だなあ、ということ。なによりも、「失敗とか恥をかくということは、ここではないんだよ」ということを、開放的な空気を醸しながら伝えなければならない。

静かだった子どもたちが、笑い始めるのがいいサイン。「どう思う?」といろいろ問いかける中、答えがあちこちから聞こえ始めたら半分以上、成功だ。

短い時間で初対面の子どもたちに、表現指導するのは難しい。今回は、「のび太」と「ジャイアン」というよく知られたキャラを、課題書の登場人物ふたり、「Duck!」と言い張る子と「Rabbit!」と言い張る子に頂いた。わかりやすくてよかったようだ。大人の表現もあっと言うまに区別がつくようになった。

あるところは、しつっこくやることも、印象付けに大切で、それは成功に強く影響する。本書では、登場人物ふたりの口論が大声になって、せっかくのduckだかrabbitだかの動物が消えてしまう場面を、しつっこく指導することを心がけた。

大きな声を出すように、「そんな声だと驚かないなあ」など、ダメ出しを数回。やけになったような、かなりの大声を出させたところで、次のページへ。謎の動物が消えている…。「あ〜あ、逃げちゃったじゃない」という台詞の意味が自然と腑に落ちるという寸法だ。

子どもたちがここのページをめくったとき「ああ」と言ったのが耳に入り、ヤッター!といい気分になった。物語をいっしょに楽しむ空気、本当に好きだ。

本の良さにも、本当に助けられる。選書、命!盛り上がってそれだけで終わらない。最後にもう一波乱、オチに第二の謎の動物が出てきて、子どもの目が光る。なんだコレ?大人にも正解がわからないものは、子どもは大好きだ。anteaterという言葉も新鮮、brachiosaurusも難しいけれど、子どもの方が知っていたり。最後の最後で盛り上がり、イザ、リーダーズシアターだ。

(ひとりで本を持って立てる)子ども6~7人、それに心強い5年生も加わって、対大人と十分に読み合えた。リーダーズシアターの楽しさが伝わった!

Thank you ブックハウスカフェ!Thank you みなさん!

●10月21日(日)11:30〜12:10 パパママ(with あかちゃん)講座、『Piggies』

13:00~14:00 リードアラウド(4歳から)『Go Away Big Green Monster!』

Public Domainの本の朗読~リードアラウド研究会

現在の書籍では、たいてい著者がなくなって70年たったものは、public domainとなって、いくつかのサイトから自由に無料で読むことができる。

そうしたpublic domainの本を朗読したものを一般公開しているサイトがある。

そのなかのひとつ、LibriVox:

https://librivox.org

で、いくつか朗読を聞いた。

 

例えば、Dr. Dolittle

https://librivox.org/the-story-of-doctor-dolittle-by-hugh-lofting/

読み手は全員ボランティア。

public domainの本を朗読した音声を送れば、簡単な審査ですぐにでも誰のでもアップしてくれるようだ。

「だれでも」ということなので、当たり前だろうが、玉石混交。

なかなかリードアラウドしているみなさんのお手本になるようなものには、ぶつからなかった。

日本人が日本語を朗読して、それが表現と言えるレベルまで達しているわけではぜんぜんないのと同様だ。

英語はほぼ正確だが、調子がそぐわない、平坦、イメージがあわない、などどうもピンとこない。

 

それでもMother Gooseの朗読でいくつか、まあまあと思うものも。

doramatic readingと称する朗読だが、readers’ theaterと同じことをしているグループのものだ。

ちょうどわたしたち程度?

の仕上がりか。

 

アンデルセンは好きなので、これらの朗読もいくつか聞いた。

H.C.Andersen Fairy Tale Collection

https://librivox.org/hans-christian-andersen-fairy-tale-collection-by-hans-christian-andersen/

たくさんのあるなかで、「Ezwa」とクレジットされた朗読者のものは、悪くなかった。

 

ということで、なにを思ったかと言うと、

わたしたちもやっちゃえば?

である。

 

Mother Gooseはすでにpublic domainだ。となれば、『Three Little Kittens』は録音して発表するのはOK。

児童文学ではこんなものがpublic domainだ。

リスト1

リスト2

ちなみに、日本語の本の朗読も提供できる。

今の所、芥川龍之介作品と小川未明作品があるが、ぜんぶ同じ朗読者(男性)。

 

リードアラウドで培った力を、そして女性の声を発表してみるのもいいのでは。