以前ある人に子どもの英語教育について正面から、「コストパフォーマンス」を持ち出されたことがある。読書、音読、表現を重視するリードアラウドの英語教育は、「費用対効果が悪い」とのご意見らしかった。幼児であっても近頃は、英検試験対策など直接的な「結果」を求める保護者も珍しくなく、それら試験対策に限って言えば、リードアラウドは遠回りに見えたのかもしれない。
しかし、リードアラウドは目標が違う。
リードアラウドでの英語教育の目標は、英語力獲得。検定やら受験などの先にある、検定や試験の種類の違いなどではゆるがない本物の英語力を目指している。
昨今では「何級を何歳で」取ったかまで、そして「TOEIC何点」と言って、まるでこれだけで英語力が高いことの証明とする風潮がある。しかし、わたしは経験上、人の英語力は、英検やTOEICの点だけでは判断できないことを知っている。
それらは、本当の英語力獲得に向けての過程で自然発生的に起こる。受けて見たら受かった。点がよかった、などが理想だ。本当に目標とすべきは、その先にある本物の英語力。そして、「本物の英語力」というのは点や直線で表せない多面的、多角的なもの。一筋縄では行かない。
リードアラウドは、太くて強いそして美しい綱をイメージとする英語力めざして、一筋ではなく、いく筋もの縄を撚り合せて進めて行く。