このところ、年二回、春と秋に開催ができている大阪での『絵本リードアラウド認定講師講座』。2018年秋の講座が終わった。
課題書は『We’re Going on a Bear Hunt』。
リードアラウドをマスターしようと、今回、集まってくれた先生方。すでに自分なりに、この本を使って生徒と「あーした」「こーした」の声があちこちから。ということで「ギギギー」と、講座のスタートのステージが、音をたてて上がった……。
リードアラウドの定義付けを確認後、リードアラウドの指導では、いかに「問いかけ」を大事にしているかを伝える。そして、それが意外と先生方には難しいことを、「リードアラウドの約束」のデモンストレーションで実感し、認識してもらった。
先生とは、なんと説明が好きな生き物か。これまで何度も、この双方向型の指導法を、多くの先生に開陳してきたが、ほぼ例外なく、生徒に問いかけ考えさせるより、説明して進めようとする。そして驚くことに、それをほぼ無意識でやっている。
だから、わたしが「気をつけましょうね」と言っただけでは、なにも変わらない。いかに自分が生徒に考えさせる機会を作っていないか、いかに自分で答えてしまっているかを、現場で「現行犯」として挙げるのが、一番効き目がある。
先生方の真面目さや優秀さからくる「説明グセ」「教えグセ」。これらが薄れて次第に双方向式の指導になっていくまで、次の4ステップが踏めるといい。
- 自分が、説明し答えてしまっていることを認識する(録音を聞くと効果抜群)
- 認識すると注意するようになり、生徒に「〇〇は〜です」と説明した瞬間に気づく。そうして、気づいた瞬間、語尾に「か?」を付けるようにする。つまり5W1Hの質問にならなくとも、「〇〇は〜ですか?」というYes/Noで答えられる質問文が出るようにする
- 5W1Hの質問を書いた付箋紙を該当ページに貼っておき、適切なタイミングで生徒に質問する
- だんだん、付箋紙がなくとも、質問が湧いてきて対話が楽しめるようになる
今回の講座でも、「説明している!」「答えを自分で言っている!」と言うわたしの声をうるさいほど聞いたはず。運良く(運悪く?)模擬授業をする番がこなかった参加者も、耳に残っているのではないだろうか。直接でも、間接的でもこれらの指摘があったことを銘記して、ぜひ今後の授業に役立ててほしい。
さて、お楽しみの表現演習は、どうだったかといえば……(つづく)