3月のビッグイベント、子どもたちの発表会が終わった!
今年の発表会のふりかえりを、「Yes, and」の心でやってみたい。
「Yes, and」というのは、リードアラウドの指導方法のひとつとして取り入れた指導者の心構えだ。
子どもたちの発言、行動を、まずは「Yes」で肯定する。
ほめたり、讃えたり、何しろ受け入れる。
たとえ、こちらが用意していた「解答」とは違っていて、つい反射的に「No」と行ってしまう発言や行動にも、ひとまず、
いいね!
そうか!
かっこいい!
その手があったか!
ものはやりようだね!
まいったな!
などなど、Yesと言っても、「はい」「そうです」だけではない、様々な受容の言葉をかける。
また、Yesとしたあと、andで繋ぐ。
例えば、
そうか(Yes)、じゃそうやるのと(and)、先生が考えたのと違うか考えてみようか。
とか、
それから(and)、しばらく経つとこんなことになってるかも?
など、andで繋げて、話を展開したり発展させるのだ。
やはり、他人に否定されないことは、人間誰でも気持ちがいい。
「よかった!」「じゃまたやってみようか」という気持ちになれるというものだ。
ということで、発表会のふりかえりである。
驚いたのは、いつもよく読めるが、緊張からか、声が小さく、表情も表現も硬くなりがちのNさん。
驚きの変身!声も表情もはつらつだった。
それだよ!(Yes) その声、その表情に表現。おかげで(and) 朗読劇が、盛り上がった。
何が彼女の中で起こったのか。嬉しい変化が見られたステージだった。
そして、Cさん!
直前の練習でも、いっぺん指導するだけでコツをつかみ、表現が生き生き。
まるで、リードアラウドの生きた見本みたいだったが、本番でもやってくれた。
すごい(Yes) !
そして、練習したポイント一つ一つを忠実に再現するどころか、自分らしい表現も加わった。
生まれてからまだ8年ほどしか経っていないNさんとCさん。
人間ってすごいとつくづく思う。
完成度で言うと、最も高いのがNNさんだ。
ただの読み下しには、全く問題のない。
彼女には、表現の一歩深めたものを課題にしていた。
やってくれました(Yes)!
それは、読んでいる時の細かい顔の表情だったり、仕草だったり、本の内容を自分のものにして表出させるレベルまで行っている。
表現の密度などはもちろん、まだまだ詰められるけれど、最終練習から本番までの自分の時間でよくここまで、という完成度。
「恥ずかしがり屋」はどこへ?
Kくん。
直前の練習をお休みしたので、発表会を前にしたクラスメイトの緊張感、いい意味での「負荷」が足りなかったかも知れない。
また発表会当日のみんなの完成度に、気後れしたかも知れない。
それなのに、読めた(Yes)!
そして、スクールに来た時はアルファベットを途中まで言える程度だったのに、そして30分も座っていられなかったのに、なんと!
70分も発表会に付き合って、おまけに絵本1冊を一人で皆さんの前で読めるまでになったって、大成長。
朗読劇でも、難関の「自分が読むパートがどこか」というハードルもクリアできた。
物語の所々でウケて演じたりしてくれたのは、本を楽しんでいる証拠。
その心が、表現で「大化け」する日は遠くない予感がする。
Tくん。
余裕しゃくしゃくだったね(Yes)!
そう(and)、ほとんど一字一句間違えないで読める実力者。
そこであえて、ウケねらい?で「お経読み」も交えてくれた。
面白がってくれる、というクラスへの信頼感の表れで、実は指導者に一番ウケているかも。
ついついリードアラウドのいい表現で読みが顔を出す。やる時が来れば、やれる人だ。
そして、はっきりしたいい声で自信を持って読めるようになった。
これが、「大きな声で読む」に合点が行かなかった5~6歳の少年と同一人物とは思えない…。
みんな、楽しい時間をありがとう!