リードアラウド研究会会員で、前回の大阪での指導者向けリードアラウド・ワークショップにも参加した広島のH先生。
洋書担当の書店員さんだった頃から、リードアラウドする大島にアテンドして、しっかり「芸」を盗んでくれていた。
今回は、大阪での課題書だった『Where the Wild Things Are』を、H先生の地元、広島でリードアラウドし、その報告を送ってくれた。
報告書から、楽しさが浮かび上がる。
「ここをつかんで欲しい」と思ったところを、つかんでいてくれている。
「発問が、うまくいった」というところには、H先生の工夫がある。
わたしが、余白を残して伝授したものを、余白を上手に自分なりに埋めている。
こちらに「芸」というものがあるとしたら、それをこのように盗んで欲しい。
また、他のみなさんも、H先生からいい刺激を受けて欲しい。
H先生、ありがとう!
以下、H先生の報告(引用):
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4組の親子が参加+大阪研修でご一緒したM先生が福山から見学に来られた。
こどもは2歳~4歳。全員リードアラウドは2回目。
はじめにリードアラウドの定義、4つの約束の説明。今回はいくつか覚えてくれているお母さんもいた。
Warm upはシアターゲームのalphabet circle。
はじめは馴染みのある数字1-20で、そのあとabcで。2歳のこどもも声を出してくれた。
今回の目標は、
1.本の解釈にふれる発問をし、参加者からのアンサーにYes, andでつなげていく。
2.絵本全体の構成を意識しながら、緩急を出してすすめていく。
3.参加者にwild things(roar, gnash teeth, roll eyes, show claws), wild rumpusを身体を使って、演じて楽しんでもらう。
以下、工夫した点や良かったことなど。
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・参加者からの本の解釈につながる答えを引き出すため、ページごとにどのような質問をするか考えて、用意して臨んだ。
今まではページをめくって一瞬考えることもあったが、今回はスムーズに発問出来た。
おかげで余裕が出てきて、自分自身も楽しみながらリラックスして進行できた。
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・”WILD THING!” “I’LL EAT YOU UP!”は、はじめに自分↔参加者(難しい場合はM先生と)で練習(スイッチしながら)、それから参加者の親↔子で演じさせた。
“Oh please don’t go!””No!”のくだりも同じく。
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・Max が島についてからWild thingsが何をしたか?の場面では実際にroarなどをひとつずつ大げさに演じ (大島先生が大阪親子向けリードアラウドでされたように) 、参加者にどういうことか推測させた。
そのあと一緒にリードアラウドしながら演じた。
M先生にも素晴らしく上手なモデルを見せてもらい、参加者も楽しんでいた。
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・”BE STILL!”や、magic trickのstaringは説明するよりも、実際にやって見せる
➡「何だと思う?」
➡「そう!やってみよう!」
➡演じさせる、
の流れでどういうものか理解させた。
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・”let the wild rumpus start!””Now stop!”は参加者全員席から立たせ、広いスペースで円になって、jumping , stomping , swinging , marchingをしながら演じた。
最後はお母さんにこどもをおんぶしてもらい、こどもたちはMaxの気持ちを共感できるようにした。
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・Maxがさみしくなってうちに帰りたくなる場面からは、文章の説明はせずに内容理解に重きを置いてすすめていった。
発問をいれて参加者が理解出来ているか確かめつつ、 理解できていなければヒントを与えた。(緩急の急のつもりです)
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・最後Maxが戻ってくる場面。
「お部屋が変わってところがあるよ!どこかわかる?」
「月!ご飯!」
「ほんとだ!月の様子も変わってる!よく気づいたね!ご飯はだれが持ってきてくれたのかな?」
「お母さん!」
こどもから答えがどんどんスムーズに出てきた。
最後の一文は余韻を残すように、hotの前に1拍おいてから、気持ちを込めて読んだ。
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・リードアラウドのあとのcraftは、紙のプレートで簡単にできるMaxの王冠作り。こどもたちは一生懸命製作。一番集中していた。出来あがった王冠を頭にかぶったこどもたちの顔は、Maxのように誇らしげで嬉しそうだった。