「比較級も教えましょうか?」〜キッズブックス英語スクール

FAQならぬJust Asked Question(JAQ?)に答える。

You Are (Not) Small』を、スクールの親子クラス2つ(英語入門クラスと英語経験2,3年以上「べテラン」クラス)でリードアラウドおよび劇で演じるように役に分かれて読み合う、リーダーズシアターをしている。

英語入門クラスでは、本文中で頻繁に使われる
You are〜
I am/am not〜
に慣れること。

そして、
big/small
という形容詞の反対語の対を知ること。

これらが、最初の目標だ。

Youと言って、相手を指し、Iと言って、自分を指す。
そんなところから、英語が身体化したらいい。

「ベテラン」たちには、
You are〜が「あなたは〜だ」と意味していて、
I am〜は「わたしは〜だ」を意味していること。
文法で言えば、SVC の構文を学んで使えるようにと思う。

また本文にあるように、相手に「You are small」と言われてむっとした登場者が、
「I am not small. You are big.」
と言い返す。

その言い合いのニュアンスを掴むこと。

そして、チャレンジとしては、are を前に持って来て、後ろに ? をつけるだけで、
「あなたは〜なの?」
Are you small?

とたずねる文になることも、頭の片隅に滑り込ませる。

こんなことを、目標としている。

だが、先生たるもの、どん欲な生き物だ。
これだけじゃ、気がすまない。

「最後の場面で、もっと小さいのが出てきたり、もっと大きいのが出てくるので、smaller とか bigger とか、比較級も教えたらどうかと思うのですが」

と疑問というか、提案があった。

ふむふむ。
もっともな感じでもある。

でも、わたしの答えは…

4歳から7歳の生徒に、2~3回の授業で教えるのは、欲張り過ぎ。
なし!

ネイティブの同年齢層の子どもたちにも、そこまで求めない。

ここで比較級を教えようと思うのは、中学生から英語を集約的に学んだ、英語優等生たちには、とても自然な発想。
自然すぎて再考がないのかも知れない。

ここで考えるべきことは、教える相手の年齢。

脳の発達的に、smallにsmallerがあって、おまけにsmallestになる、という知識は整理がつかない。

英語圏の英語教育学誌で、三人称の単数、現在形のときにつく「s」についての考察を読んだことがある。

この「s」、日本の中学1年生には頭痛の種のひとつだが、ネイティブにとっても、これを身につけるのはかなり後、たしか小学校中学年以上になるという。
大きくなっても、平気で「s」をつけないネイティブもいることから、身につきにくい、難しい文法だと言われる。

これから推察するところ、比較級もしかり。

難しいかどうかは、英語ネイティブの英語文法の間違いを知るといい。

高校生以上のネイティブが使う英語でみられる英語の間違い、ずいぶんある。
それは、難しいから。

ネイティブもしっかり学ばないと身につかない文法的知識を、英語の非母語者であるわたしたちが、ましてや中学生にもならない子どもが、学ぶのはなかなか難しい。

英語の先生をしている日本人は、中学高校時代に英語の成績がよかったひとがほとんどだろう。
自分たちがしっかり心して学んだ比較級、最上級、不規則変化など、生徒たちに教えるのに力が入ってしまうだろう。

中学生になっていない子どもたちに、英語を教える場合、先生方は自分が英語を学んできた道を、いったん忘れた方がいいかもしれない。

子どもたちの英語の学び方は、どちらかと言えば、ネイティブの学び方に学べることが多いようだ。

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