FAQ「家庭で英語絵本をどう選ぶ?」

先日、この質問を聞かれた。
実にFAQなのだが、なんだか久しぶり。
近頃「これを読めば?」と、具体的な推薦を中心にしてきたからか。

「英語児童書ディレクター」として仕事を始めた頃は、この質問によく答えていた。

1. 文字が、印象として少ないもの
目安としては、1ページに3行以内。
繰り返しや、文字がアートとしてデザインされたものであれば、多少多くてもよい。
重要なのは、印象。
選ぶ大人も「字がいっぱいある!」と、思わないものを。

2. 絵が多くを「語る」もの
違う言い方をすれば、各ページに書かれていることが、同ページの絵からほぼ推測出来るものがいい。
これは、多くの「よい絵本」の場合、絵のほうが文字より多くを語ってくれる。
ということは、絵をよく見ない傾向のある一般的大人より、絵をよく見る子どもたちのほうが内容をよく掴める。

内容がよく分かるほか、こういう本で、家族間の話が弾む。
それが、楽しさに通じて、英語絵本や本というものが好きになるきっかけにもなる。

3. 大人の観賞眼で見ても、いいと思う芸術性の高いもの
「すてき」「かっこいい」など、お父さんやお母さんが本気で思うものを選ぼう。
幸い、英語圏で出版された絵本は、絵本文化と絵本ビジネスの歴史が半世紀以上ある国で、才能ある作家たちが狭き門をくぐって出版にこぎつけたものだ。
絵、グラフィックデザイン、文、編集力ともに、レベルが高い。
1、2の条件に合うなら、あとは親の感性で。

この3つが、家庭で出来る英語絵本選び、お勧めの方法だ。
英語がちょっと得意だったら、「音読して耳で楽しさを確認」も付け加えられる。

しかし、こういった選び方を熱心に説いていたのは、数年前まで。
「で、だから何がいい?」というまなざしを、強く感じるようになっていた。
わたしの20年余のプロとしての選び方のエッセンスを、この3つの方法に凝縮したつもりだが、それでも「難しい」という声が聞こえた。

そんなことで、拙著『声に出して読む英語絵本ー初めてのリードアラウド』では、推薦書を100冊挙げた。
手に入れやすいものを注意して選んだので、実用的なはず。
手前味噌だが、使い勝手がいい本のリストでありガイドだ。
英語絵本選び問題の「解答例」として、使えると思う。

この100冊がコアだとすると、それも混ぜつつ、近刊や新刊、山ほどある旧作の名作から選ぶ「ブッククラブ」も作った。
めやすの年齢やレベル別に選んだ1年分、約24冊が「選書の弁」のような手引き付きで、手元に集まる。
これまた、選書の「解答例」として役に立てたら嬉しい。

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