「言葉の魂」in 英語絵本

「えほんの時間」という新聞コラムを読んだ。
バルテユス財団名誉会長、節子さんがインタビューで答えた絵本への思いだ。
4歳の孫に読んであげながら、今日この頃に思うことらしい。
はっと目が止まったのは、次の部分。

「(前略)……細かいところはいま、わからなくてもいい。
そのまま美しさを見せることが大切。絵本の中に
ことだま(言葉の魂)があれば、その魂の世界を一種のバイブレーションとして与える。
それが小さい子供には大切だと思う」

英語絵本を、英語が母語でない子(小さい子からちょっと大きくなった子にも)に読むときも、そうだ!
その絵本が、子らの知らない英語で書かれていようが、その「魂の世界を一種のバイブレーションとして与え」ようというのが、リードアラウド指導者の目標とするところと同じだ。
「バイブレーション」は、言語が違っても伝わる人間原始の力と考えられる。
わたしの思う「よい朗読」「よいリードアラウド」とは、このバイブレーションに乗っている朗読とも言える。

リードアラウドで指導者は、この節子さんの語彙に合わせていうなら、
1.「言葉の魂」のある絵本を選び(もともと、それがない本もある)、
2. その「魂の世界」を「バイブレーション」で、感性というか、心に伝える

そうすることを続ければ、英語という語学だけに留まらず、すべてのものに生かされる感性を磨き、その子がより豊かな人生を生きる一助にもなるだろう、そうなって欲しいと思う。

この節子さん言うところの「言葉の魂」、それを感じていない大人が、知識だけで英語絵本を読んでいることも多い。
英語を知らない子どもには、これはほとんど「チンプンカンプン」、伝わらないのはあたり前。
大人がまず心がけるべきことは、かつては自分にもあったはずの感じる心、子どものような心を掘り起こすこと。
そして英語絵本を、そのピカピカ(に近い)な、掘りたての「魂」の入った言葉にして、子どもに送るのだ。

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