「お経」が消えた、シャドウイング効果!〜キッズブックス英語スクール

小さなクラスで英語指導をしていると、ときに生徒が気がかりな、固定しそうな好ましくない英語のクセを出し始めるのに気づく。

一年くらい前のこと、幼児のときから絵本でリードアラウドをしてきたひとりの小学生クラス生徒の英語の一本調子が気になりだした。

そこそこ読めるのだがどうも一本調子なのだ。

「お経みたい」とクラスメートに言われて、ひょうきんな本人も調子に乗って、ますます一本調子に磨きをかけそうで、指導者としてだんだん悩みが深くなっていた。

リードアラウドをずっとやってきて、お経みたいな英語じゃ…。胃も痛くなる。

そこで、試したのがシャドウイング。

この年の子どもに出来るかな、などと心配したのは杞憂だった。

これまでも、手本を読み、その後に続いて読ませていたが、シャドウイングと違って手本を聞いてからちょっと間が空くと、手本などまったく左から右へと、耳から抜けてしまうのであった。

それが、シャドウイングさせたら、どうだ。

まず、難なく後についてこられるのに感心した。

そして、素晴らしい。

指導者の読み方にすっかり「つられて」、読み間違えはないし、自然なイントネーションも表現もちゃんとついているではないか。

なんだ、できるじゃない!

シャドウイング、どこがいいのかというと…

手本のすぐ後をついて読むから、まず聞き耳をたてる。

それから反射的に声に出すから、真似が自然にできる。

第二言語習得論的に言えば、

音声インプットの知覚とほぼ同時に

同じ音声を発音することによる効果だ。

模倣しほぼ同時に再現すること、これがシャドウイングでの習得だ。

この生徒は、おかげで今はすっかり読むスピードも上がり、

文尾でちゃんと音が下がってセンテンスの終わりもわかるし、

微妙なニュアンスもつき始め、あの「お経読み」はまるで、遠い昔の話のように思う今日この頃である。

2018年度アセスメントで生徒の成長を見る〜キッズブックス英語スクール

スクールでは、指導の評価のために、ごく簡単なReading Fluencyのアセスメントをスクール生に、年2回程度受けてもらっている。2018年度末のアセスメントで、生徒の成長ぶり、指導の成果を見てみる。

数字が全てを語るわけではないが、数字にしてみて気づくこと、見えてくることがある。

1年前は文字を「読む」よりは覚えてリードアラウドしていたKくん。今年度に入ってから、「暗記でなく読んでいるな」とは思っていた。同時に、ときどきアクティビティとしてするカルタとりで、耳で聞いた単語の字札をよく取れるようになったなとも思っていた。そして、3月のアセスメントで驚いた。初見の英文を1分間で正確に音読できる語(wcpm)が、前回から比べて大躍進していたのだ。単語認知力の躍進が、アセスメントの数字にも表れていたのだった。

そんなKくんへの指導者の所感はこんなだ。




文のレベルは前回の9月と同様にG1で行いました。単語認知の正確さが着実に上がっています。目覚ましいのは1分間で正しく読めた語数で、大躍進して45wcpm。英語圏G1の3学期までに求められる値に到達しました。


読める語が増えたのと同時に語彙力も1ポイント上がり、G1で必要とされる語彙力の54.5%と推定されます。この1年、特に意欲的に学んだ語彙カルタ。これを今後も取り入れながら、語彙力を伸ばし文へ繋げたいと思います。


流暢さに、上達の兆しがあります。今後は、流暢さの指導を通して文や句を認識させ、句や文単位で読解できるように導きたいと思います。

もうひとり、Cさんのケースも紹介する。このCさん、リードアラウドで大切にしている感情表現が、このところ顕著になり、自然と「うまい!」とクラスで指導者が声をあげる機会が増えていた。でもアセスメントの数字でこれまた驚いた。

fluencyのポイントだけでなく、読解のポイントも一段階アップ。力がついてきたことを、数字も語っていた。こんな所感を書いた。




前回同様にG1レベルで評価しました。大躍進です。単語はほぼ正確に読めるまでに、また1分間で正確に読む速度も半年でほぼ3倍に。英語圏G1の3学期の目標値程度に到達です。


特に喜ばしいのは流暢さの変化。クラスでも読み方を褒めることが多くなっていましたが、こうして評価として示されました。


表現するようになったということで、読解力もつき始めたことがわかります。読解力レベルが2になりました。


語彙力は引き続きG1レベルで評価し、これまた2ポイント上がり上々です。ただ英語圏G1並みの半分程度なので、引き続き語彙指導に力を入れます。


これらのケースは、今回特に上達が見やすいケースだった。

しかし、語学の場合で、上達が見えにくいものや、時期もある。

たとえば、語彙力。数ヶ月単位ではあまり上達が見られなかったり、インプット真っ最中で数字で見る上達では足踏み状態、踊り場的な時期もある。

単語の丸暗記を集中的にさせるわけではなく、リーディング(リードアラウド)を通して文脈で語彙を学ばせる、という語彙学習法の王道を、わがスクールは行く。なかなか数が増えないのは悩みだが、アセスメントでのチェックと、クラスでの引き続きの運用などの働きかけと、ときどきお願いする家庭での援助などで、上達のカーブがもう少し頻繁に見られるようにしたい。


「風通し」のいい場所~キッズブックス英語スクール

アメリカの西海岸、オレゴン州のポートランドという街にくると、特に東京からひとっ飛びで着いた直後の数日間は、その街に住まう人々がずいぶんと自由に、自己表現して生きているなあ、と感じいって、人観察できょろきょろしてしまう。

早春のある春めいた日、春の訪れを知らせる妖精のようにウキウキ、ふわふわと、お兄さんが頭からつま先まで虹色のオウムに扮して歩いていた。すれ違う人々もごく普通に、それを笑顔で見送る。

交差点で、あごひげを密にたくわえたお兄さん?が人待ち顔で立っていた。 その見事なヒゲは、顎下10センチくらいのところで圧縮フェルト加工のように隙間なく密になっている。色も赤から茶色のグラデーションに染めていて、スタイリッシュだ。

色といえば、東京も渋谷などでは見かける蛍光色の髪。この街では、もともとの髪の色がブロンドだったり、色があっても薄く抜きやすい人が多いからか、蛍光色を乗せると、とてもいい発色で光り輝く。草間彌生さんの髪のような鮮やかな色の老若男女が、あちこちに。

自由な雰囲気は、見かけだけではない。

舞台俳優のように響き渡る声で、滔々(とうとう)と世の中への不満を、通行人に疲れ知らずに語る男性や女性。毎日、声を出しているのか、素晴らしい声だ。

別の角を曲がると、スタジオでの練習の代わりか、小遣い稼ぎか、アンプ持ち込みでロックギターをかき鳴らしているお兄さんがいる。かなりの腕前で、立ち止まって聞き入る人も。

スターバックスにいけば、まるでGilda Radnerが演じる、おしゃべりで超元気なおばあさんを地でいくスーパーハイパーおばあさんが、天候への不満を周囲に語りながら、コーヒーにどぼどぼ牛乳を注いでいる。

即興劇をする人だったら、キャラクターつくりのアイディアに事欠かない街だが、個々を重んじている感じの周囲の人々が、とても暖かい目をしているところが羨ましい。

わたしにも、まったく嫌な風景ではない。風通しがいい、という感じ。

気持ちがゆったり大らかになる。

ふと想像するのは、こんなに自由に振る舞い、それをまた当たり前に受け入れる人々が小学生だった頃の教室。

賑やかだっただろう。でも先生は、そこで子どもをじっと行儀よく椅子に座らせておくことに、主なエネルギーを使ったわけではなさそうだ。

他者を尊重し受け入れること、そうすることが自分の自由にも繋がるということ、子どもはどう学んだのだろう。

小さいながらも、そして週に1回程度の英語の教室であっても、風通しのいいところにしたい。

そう、ちょっと見は統制がとれてないようでも、子どもが開放的に、でも確実に学べるところであって欲しい。

悩ましい語彙力、どう身につける~キッズブックス英語スクール

アメリカの大学に入って一番泣かされたのは、自分の語彙力のなさ。そして、英語の小説をなかなか楽しめなかった最大の理由も、語彙力のなさだった。

日本でそこそこ勉強しただけの英語力で、「身についている」と言える語彙は、本当に限られている。おまけに大抵の人の場合、人生で最高に語彙力があるのは高校3年時で大学受験まで。あとはどんどん忘れていくのが一般的な傾向ではないだろうか。

今、自分に語彙力がずっとついてきて、英語で小説も楽しめるようになって、思うこと。英語を学んでいる人のひとりでも多くが、語彙をもっと増やせればなあ。

つらつら思いながら、特別効果的でもない、従来の方法を説いて今日まで来てしまった。でも、ちょっとまて。英語を教えているなら、もっと科学的に、効率的で実用的な語彙力のつけ方を知って、それを指導するべきだろう?

そこで、ここしばらく、数年になるが「第二言語習得論(研究)」の独習をし、リードアラウドの指導を続けながら、新しい学習法のヒントを探すためにシアターゲーム(インプロ)の日米ワークショップに参加したりしてきた。

そして、これらが混ざり合ったところから、語彙学習で使えそうな、面白いものが浮かんだ。

形はシアターゲーム。

耳からインプットした英語(単語、句、節、文)を、

表現豊かに反復すなわちプラクティスし、

変化させたり展開させてアウトプット、

同時に自分をモニターしてふりかえる。

これらを組み込んだ方法だ。

4ステップ(Input-Practice-Output-Monitor)は、第二言語習得研究で学習効率が良いとされている、科学的にも有効性が示されている方法でもある。

表現豊かに、時に増幅させて表現するというところは、リードアラウド的であるり、同時に演劇に近いシアターゲーム的でもある。

何か印象付けるプロセス(ここでは表現すること)をとると、それをしない場合より記憶に引っかかりが生じて、忘れにくくなる。経験で知っている人もおおいのではないだろうか。これは、今では第二言語習得研究や、脳科学や認知科学で証明された、記憶が長期保てるメカニズムだ。

まずはスクールの高校生生徒と、春の集中授業でやってみるかな。

2019年4月2日と5日の2日間集中語彙クラス、お問い合わせ 下さい。個々に対応します。

英語での読書について:父兄への手紙〜キッズブックス英語スクール

Sさま

お忙しいところを、スクールからの細かい質問にお答え下さり、どうもありがとうございました。新年度に大変助かります!


「リーディング」は子どものすべての学業の基礎、という認識で英語圏では重要視されています。そのリーディングの指導では、今、パーソナライズという方向性が支持を得ており、本スクールもこれまでの指導に自信を持つとともに、読書傾向などもう少し、個々の好みを把握しておきたいと思っての質問でした。


頂いた本はJudy Moody、Owl Diariesのほかに、The Princess BlackThe Bad Guysがあります。The Princess BlackとThe Bad Guysはきっと授業で使うかという思いから、あえて読んでません。なので是非、授業で読んで頂けたらと思います。 



レッスンの始め、個別指導の10~15分では、個々の本をシャドーイング(指導者の表現、速度などをそのまま、影のように後をつけて読むこと。ブログを参照:https://bit.ly/2ttuwHT)と、ブックリポート(主人公、あらすじ、気に入った部分、新語彙4つ)の指導を基本にしています。

読書量を増やす時期なのでどんどん、自主的に先を読むのは大歓迎です。
『Judy Moody』が後一回で終わるので、次にOwl〜を持ってきて下さい。


本をあらかじめお渡ししてあるのは、興味を持ったらどんどん先に読んでもらえたら、と期待しているからでもあります。スクールの個別指導用と指定した本をあらかじめ読んだのなら、それはそれで結構。その本についてのディスカッションをします。そのままお持ちください。

終わり次第、「次に何を」を本人に伝えます。繰り返しになりますが、どんどん読みたくなったら、ぜひ、読むように。勉強としてでなく「娯楽」になって欲しいと思います。



自宅での読書ですが、娘の中で『読書は楽しみで勉強ではない』と思っているようです。なので自分の気に入った本しか読まないです。


今後、どんどん「気に入る」範疇を一緒に広げていきましょう。


好きな読み物の傾向は、動物と飼い主の物語や、イタズラ好き又は元気な女の子のドタバタ物語などです。具体的には『Phoebe and Her Unicornシリーズ』『Franny K. Stein』などです。


了解です!今の段階で、ドタバタ(と楽しめ、続きがあるシリーズものは)いいかも。「動物と飼い主の物語」などは、今後、文学への道筋になる有力な線です。



とはいえ、サマーキャンプに行った影響なのか、アメリカの動物、自然、行事、生活、インディアンの歴史などには興味があるらしく、教科書推奨のサイエンス系の本などは楽しく読んでます。


嬉しいです。スクールの選書も新年度、Nさんの興味を惹きそうです。



私が言わないとなかなか読書に向かいませんが、読書が生活の中に溶け込みつつあると思います。 



スクールのリードアラウドでは、文字は少なめの深堀の可能な名作で「深読み」「精読」「啓蒙」をする。同時に個別時間と個々の読書では「速読」「濫読」をする。こんな欲張りの方針で、いきましょう。
伸び代が大きいNさんの指導は、指導陣の励みになります。今後も、ご家庭とも連絡を取り合いながら、彼女の可能性をさらに広げていきたいと思います。
来年度がまた楽しみです!

(太字、イタリック体はご父兄の手紙)