認定講師講座第2回報告その2〜リードアラウド研究会

今年度は、リードアラウド模擬指導を講座の前半にもってきた。分析をしたすぐあとなので、テーマに関した発問も出やすいかもしれないと思ってのことだ。とはいえ、大局的な質問はやはり準備が必要か、というのが感想だ。ということで、次回のシーンごとの模擬指導での発問は、ぜひ予習で用意を!

リードアラウドの指導の型は、そろそろ、みなさんにも見えてきているようだ。まず、タイトルや表紙で、大雑把に内容を推測させてから、中身をパラパラ見せてもう少し細かく。次に、絵を順々に見せて推測させることで、内容理解の「解像度」が上がっていく。さあ、そしてシーンごとに丁々発止と対話式で進行する。

この日も、みなさん、「これは〜だけど……」と自ら「〜」に答えを入れて話を始めてしまう。頭では分かっているだろうに、「あれ、これ。なんだろう?」と「〜」が答えになる発問から、なぜ始められないんだろう。
なぜかほとんどの大人は、「〜だね」と答えから始める。子どもにしてみたら、ヤダヤダ。興ざめだ。
ページをめくって新しい場面が出たら、「あれ?」と思う子ども側の気持ちで見るくせをつけたい。感動や疑問を分かち合いなが読むのが、楽しいのだ。
「大人ってなんでも知っちゃっているように話すから、つまんない」そう思っていた子どもの頃を思い出して。

それから、面白みを削ぐのが、朗読と同じく、指導の平坦さ。指導にも緩急が欲しい。そして、子どもと一緒の気持ちだったら、声のpitchも心の動きとともに変わるはず。
淡々とした、緩急の差の乏しい授業。おまけに先生が自問自答して、答えを全部言ってしまう授業。学生時代に眠くなったのを思い出そう。

コツ?
面白がること。
こう尋ねたらどう答えるだろう? どう読むだろう? あの子にやらせたら? 質問も、返って来る答えも楽しみにしよう。子どもの答えに大いに困らせられて、うまくYes, andを返すのもまた楽し。

それでは、次回は、各シーンでの質問を作って来ること。
課題書はさあ大変、『Runaway Bunny』! ちゃんと尋ねないと、ぼく、逃げちゃうよ。

Runaway Bunny (Rev)

絵本リードアラウド認定講師講座 2019

精進ありがとうございます:認定講師講座第2回報告その1〜リードアラウド研究会

前回の課題書『Hello, Baby!』をこの1ヶ月でどう仕上げたか。しょっぱなに全員に披露してもらった。

わあ〜、Rさん。ご精進ありがとうございます。

聴き惚れました。

幻の生きる喜びに溢れたbabyを前にして、これまた溌剌とした大人が、広い世界の動物について語りつつbabyに愛を注ぐ、そんな場面が確かに目の前に広がった。

チャーミングってこういう読み方かもしれない。

そして皆さん。みなさんのそれぞれの個性ある読み。こちらもご精進ありがとうございます。

よくなったなあ、と思うところがいっぱい。

細かい気になるところを吹き飛ばすチャームが勝つ朗読まで、あとほんの数歩だ。ときどき読んで、磨いていこう。

さて、それから今回の課題書『Big Cat, Little Cat』に取り掛かった。

指導については「報告その2」に書くとして、表現の演習について報告する。

一番印象深かったのは、語り口の演習。

認定講座2年生以上の参加者には、流暢さだけでなくその一歩先、作品の語り口を考え、適した語り口を自分の声でも再現することを目標とする。

今回は語り口のTPOなるもの、それに合わせて読み分ける演習だった。

どこで、誰に、語り手は誰?

読む内容は叙事詩、ファンタジー、思い出話?

など、人は普段の会話ではそういったTPOを無意識に語り分けている。

それが、虚構のよその人の書いた文を「声読」となると、頭と体がギクシャクしてくる。実際に今経験している場面でないと、声から自然な感じが薄れる。うまい役者とそうでない人々の差が、多分、ここにある。

There was a cat/ who lived alone.

例えばこのたった1行は、どこで、誰に、誰が、どういう話として語っているのか。

劇場で、俳優が大観衆に語りかけているのか?

部屋で身近な人に少し前の思い出を語っているのか?

スタジオでアナウンサーが読み上げているのか?などなど。

今回の演習で、「読み方にはTPOがある」ということは、少なからず意識はできただろう。

頭でわかっても、声で違いを出すのは、個人的な経験え言えば、ひどく難しい。頭ではわかって、声に指令を出すのだが、口から出た声がそうはなかなかならない。あんまり練習して、ひとりごとだらけの「危ない人」になったこともある。

この感じは、イメージと実際が掛け離れる運動のに似たもどかしさだ。

天才以外の人々が運動でうまくなろうとするときと同様に、頭と体(声)がツーカーと繋がるまでに必要なのは、体に癖をつける時間、つまり練習が必要だ。

語り口は、今後も一緒に学んでいきたい。

一緒に精進してまいりましょう!

英語絵本の朗読上達の道程@カルチャーセンター〜リードアラウド研究会

一般の大人向けに「声に出して読む英語絵本」という講座を、カルチャーセンターで開講し2年余。10~11週間に5〜6回、一回90分のレッスンで、2冊の絵本を仕上げるコースだ。

講座開始の時から継続して下さっている数人に、いつも新人が混じるという編成のおかげで、さまざまな段階からの上達の道程を、同時進行で見聞きできる貴重な時間だ。

科学的というには、命題である「表現を豊かにする」の検証方法に客観性が足りないことは承知している。それでも、「〜をすると表現が豊かになる」という仮説の「〜をすると」の部分を、小さく具体的に毎回立てて、そのための演習し、結果を検証するという、「ちょい科学的」なレッスンを心がけている。

この春学期は、まず『Freight Train』。

本書では「序」の部分、登場する「主人公」、貨物列車の様々な色と、様々なタイプ・形への、ナレーターの驚きや賞賛の部分を、声に表す。

ここで受講者の最初の課題は、ただの伝達でしかない読み、または意味のない抑揚や場違いな感情を、自然な喜びや興奮という心の動きにして読み表すこと。

「色の名前、タイプの違う貨車の名称に、とっさに感情を入れて言う演習で、文として読んだ時にも感情が表出されるようになる」という仮説を立て、レッスンを始めた。

先日はそのレッスン2回目、「検証」である。

「霊柩車の送り出しですか」と、口の悪い講師(私だが)のありがたくない講評をもらっていた新人の、平坦というよりも暗い口調が、まっさきに変わった!

redでは力強く、orangeでは活発に、blueでは上を見上げて深い息で感嘆するように…と、言葉に血が通う。その変わりように、拍手もでる、でる。

これが、典型的な新人の、レッスンの即効的な「効き目」だ。感情を言葉に乗せるというスイッチが、上記の演習でオンになるらしい。

すでに「オン」になっているベテランはベテランで、前レッスンからのブランクでオフになっていることもあり、この演習で再びオンになる。

それから、その先の課題へ。

今回は、ナレーターのキャラクターを加味すること。

「ナレーターは誰?」

「ナレーターのキャラクターを意識すると、表現がよりリアルになる」という仮説は、ベテラン向けだ。

色や形の多様さに心を踊らせるのは、子どもに語る大人(親など)なのか、

それとも

自分自身が鉄道大ファンの「鉄男」や「鉄子」なのか。

「(ナレーターが誰だか)意識していなかった」

というのが、たいていの反応だ。

だから意識するだけで、あちこっちむいていた感情の統一がとれ始める。

ナレーターが誰か意識すること、これも表現を豊かにする方法の一つであることが、この日も「検証」されたかな。

認定講師審査会【大阪】報告:その1〜リードアラウド研究会

大阪でのリードアラウド認定講師の審査会がまだ肌寒さが残る3月末にあった。

まずは朗読。審査課題書からみなさんがそろって選んだのは『A Big Guy Took My Ball』。

こんな所感を書いた。

たとえばMさん:

声量が豊かで伸びがあるため、聴きやすい声で好感が持てる。欲を言えば、大小・強弱・遠近などに、もう少し変化をつけたい。

 役のキャラクターを考えなければ、一般的なfluencyはあり正確でそつがない。ただ、課題書は朗読劇なので、キャラクター造型が必須。もっと三役を際立たせ、各キャラクターに語らせる。誰の台詞か分かりにくいので、役別にピッチと緩急の開きをもっと大きくする。口だけでなく、体全体で表現して、表情も大きめに差をつけてみるよい。

またはKさん。

 声量が十分あり聴きやすい。また、声に明るさや楽しさが感じられるところがいい。

 台詞の解釈もよくできていて、ほぼ自然な語りに聞こえる。さらにキャラクターを立ち上がらせるには、どんどん言い進むのではなく、ためらい、ため、息遣いを入れたり、大小・強弱・高低の幅を大きくしたりするとよい。キャラクター研究をもう一歩進めることで、自然にそういった要素もでてくるだろう。

そして、ベテランの域に入って来たJさん。

声にボリュームと変化があり、魅力もある。キャラクター造型を意識しているため、表現もより大きく立体的になり、言葉が本から浮かび上がった。視線の動きも自然に感じられた。

 三役の声・口調・緩急の分離をもう少し大きくすると、もっとキャラクターが分かりやすくなる。特にPiggieの幼い可愛らしさに工夫があるといい。幼女のキャラクターは他の本でも使えることが多いので、幼い女の子を観察して今後の参考に。

 正確で安心感のある朗読は、印象付けもあって、楽しく聞くことができた。

こんなところを、審査では聴いたり見ていること、参考に。

イチローさんの言葉〜キッズブックス英語スクール

イチローさんの引退発表があり、そのインタビューを読んだ。

最後のほうでの以下の発言、「これぞ、若いみんなに経験してほしいこと」と同感なのだが、イチローさんが言ってくれていることで、多くの子どもたちにも届くのではないだろうか。

「アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。」

ひとは一度、外国人になって、そうなったときの心を体験してほしい。

それからもう一発、イチローさんはこう言った。

「つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。」

自分から、つらいこと、しんどいことに立ち向かうひとになって欲しい。「面倒くさい」という言葉を、子どもや若い人から聞きたくない。

届け、イチローさんの言葉。

At the Plate With... Ichiro ( Matt Christopher Sports Bio Bookshelf )