「声に出して読む英語絵本」でどんどん朗読がうまくなる話〜リードアラウド研究会

朝日カルチャーセンター(現在オンライン)で開講中の『声に出して読む英語絵本』で、『King Bidgood’s in the Bathtub』という中世の宮廷を舞台にしたユニークな絵本のリードアラウドのレッスン(全6回で2冊仕上げる)をしている。先日3回目が終わったところ。

 

今回は、受講生にまっさらの新人がいて、その彼女がみるみる上達するので、講師にも他のベテラン受講生にも、たいへん刺激的だった。

 

新人といっても誰もが、たった3回のレッスンで上達するわけではない。

このたびの新人の、上達の要因として考えられるのは、こんなところか。

 

・始めから講師を信頼して、習ったことをすぐに実践する

・次回のレッスンまでしっかり練習する

・先輩受講生の読みをよく聞く

など。

 

このような人のリードアラウドは、どこから変わっていくのか。

 

変化が現れる順は人によって違うが、彼女の場合は、ざっと以下のように変わってきた。

  1. 声…「姿勢から変える」と講師がいったら、すぐに実践して声が子どもに近づいた。また「あくび卵発声」では、恥ずかしがらずに練習した。もともといい声だが、ぴんぴんに張りのある子どもの役柄の声に変化した。

 2. 台詞とナレーションの分離…「声の強弱、大小や、高低、緩急を駆使して分離する」と習ったところ、次回にそれを仕上げてきた。それには練習が欠かせない。

   3. キャラクターの造形…「登場人物のキャラクターを考え、その人らしく台詞を言う」と習ったら、3回目のレッスンまでによく絵を観察したらしく、かなりのニュアンスを醸しだした。

 4. 傾聴と発言…講評をお互いにしあう場面で、物怖じせず、ベテランの受講生に的確な指摘をして、そのベテランに感謝されるほどだった。

 

などなど。

こんな新人が入ると、もともと熱心なベテランたちもさらにやる気になって、「これでどうだ!」という、落とし所をつくったり、新解釈でニュアンスをだしたり、たいへんな熱を感じ、講師もずいぶんとやりがいを感じる。

 

彼らの学びは、もしかしたら、認定講師顔負けかも?

刺激をもらうと言う意味で、こんな講座を、認定講師もときには覗いて欲しい。

 

【朝日カルチャーセンター オンライン「声に出して読む英語絵本」】

:現行の夏講座はあと3回、課題書はもう一冊『I Want My Hat Back』。

『King Bidgood’s in the Bathtub』は引き続き、通し読みは続く。

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座第4回報告その1〜リードアラウド研究会

『Swimmy』のプレゼンテーションで始まった今回。

第一声、ちょっとくぐもっている人も。

コロナ禍でマスクをつけ、大声禁止の状況のせいだろうか。リードアラウドは、やはり張りのある、艶のある、聴衆に聞きとりやすい声が身上だ。

声を取り戻そう!

 

さて、課題書は『A Book of Sleep』だ。

わが子を就眠させたい、そう思う親が読むのにもいい本だが、わたしたちは逆に、子どもに眠気を呼びおこさせないようにする。夜の動物たちの様子に興味津々、いろいろ想像を巡らさせるような、起伏に富んだ飽きさせない表現を考えてみた。

 

幼児が大人に読んでもらうのを前提にした本で、ところどころセンテンスが長いところがある。

ということは、主部と述部がどこで、どの言葉を強調するか。聞いて何となくでもわからせることが大切になる。

そして、強調するのには、声の強弱・プロミネンス、リエゾン、声のpitch、緩急のどれを、どう、どこに使うか。これらの演習をした。

そして、本書の繰り返しの語句に注目。

リードアラウドは、声による表現なので、音楽に通じるところがある。語り手によって発せられた表現ある言葉は、音にのっている。言葉に音程とリズムがあると考えれば、一冊の本を声に出して読むということは、読み手が「作曲」して歌うようなものだろう。

そこで本課題書だが、「Some」が7回ほど繰り返される。これをどう「作曲」するか。みなさんの最初の読みでは、7回とも同じ「音符」のひとがほとんどかと。

演習では、この部分をそれぞれ「作曲」しなおし。

変化をつける意識をするだけで、みなさんからいろいろな音色が聞こえてくるようになったのは、至福でありました。

 

ここでもうひとつ、気になった「神の声」について。

ナレーターを「神」のような、いわば絶対的な、すべてを鳥瞰している人にするという設定は、本書でもあるだろう。しかし、それを成功させるのは難しい。まずは、身近な、近くにいる人に設定することをお勧めする。

それでも、将来的には、遠い崇高な声もできるようになりたいので、少々考えた。

よくあるのは、白々しく、ちょっとむず痒くなる「神の声」だ。

これは、血の通った本物の感情を置き去りにして、観念的な、または類型的な型にはめた表現であるだけでなく、読み手のナルシズムのようなもの(人間だれしもあるのだが、普段は隠している部分)が感じられて、むず痒くなるのだろうと思う。

白々しくない「神の声」は、研究課題。

(つづく)

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その2〜『Swimmy』reading comprehension

『Swimmy』は深読みを誘う絵本、これを課題にしたからには、指導者たちも深読みをしたい。講座でも、何層にも読み取れる内容解釈やテーマをディスカッションした。

指導者である私たち自身の、読解を深めることが、生徒への発問の質とわたしたちの朗読そのものの質に大きく関わる。自分が考えてもなかった解釈など、この日の講座に何か発見があったら嬉しい。

 

模擬指導は、前年度までは発問内容も台本のようにあらかじめ渡していたのを改め、今年度は発問の「種」だけまいて、そこからどういう切り口で、どう語りかけるかは、指導者の技量次第とした。それぞれ、磨きをかけて欲しい。

模擬指導では、字面(英文解釈)指導のための「小さい」発問と、内容やテーマについて、reading comprihensionに関わる「大きい」発問を、全員に担当ページで発してもらった。

「大きい」発問では、子どもに問うのに語彙まで大きく(抽象的)になってしまう傾向が見えた。

発問は簡単な言葉に「翻訳」すること。

発言が出にくい場合は特に、答えやすいYes/Noの質問からにする。

これらを、生徒の口を開かせるために心がけたい。

 

指導者が読解を深掘りすると(しすぎでも)、生徒たちは「ん?」と思いながらも、「先生がそれほど楽しんでいるのだから、面白い本なのかも」と感じて読む気になってくれることも多い。

 

さあ、リードアラウド講師のみなさん、これからも絵本を楽しんで、楽しさを子どもたちに伝播しましょう!

 

 

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その1〜『Swimmy』の指導

5月のワークショップ終了!

課題書はかの有名な『Swimmy』だ。

英語指導者としての指導対象は、年齢的には小学校中学年以上、英語の力的には3年以上と考えるのが現実的だろう。

英語の難易度レクサイルでいえば、570Lとかなり上等な英語レベルだ。ネイティブなら2〜3年生でやっと自分で読んで意味がわかる程度か。

本書を非英語母語者に学ばせる、つまり音読(fluencyも高く)と読解もさせるのには、指導者の力量が問われる。

まずは、リードアラウドの手本になる読み方、表現力のレッスンをした。

 

本書ほどの語数、語彙、文の長さや難易度がある場合は、生徒にはシャドーイングで読み方を指導する。そこで指導者は、特別にfluencyを磨かないと効果的な指導ができない。

今回の表現レッスンは、「だら〜とただ正確に読むだけ」から「メリハリがあり、だれがどうした、といったポイントがわかる読み方」にするというものだった。

 

うーん。

時間が足りない。

なのに、重要な技術だ。

主部と述部の意識、そして主語と述語の強調があると、「なにがどうした」が、とても聞き取りやすくなる。

それからもうひとつ、「いいことなのか、悪いことなのか」を表現できると、話の展開が聞いてわかりやすい。

 

ところがこれが、自分で練習してきてもわかったが、英語の非母語者には難しい。もしかしたら、難しいと意識さえしていないかもしれない。まずは今回、意識をもってもらえただろうか。

意図していない語(特に冠詞や代名詞、接続詞など)に力が入って、それが重要語をぼやかす。その結果、あちこちに意図せず強調された単語があって、聞く人にはガヤガヤとした雑音になって、文の本筋がわからなくなる。

リエゾンがうまくない、という点もある。

滑舌の演習と同じく、身体に分からせる種類の技術なので、今回の演習はぜひ復習をしてもらいたい。

(つづく)

 

絵本で英語を教える〜英語教室向けカリキュラム講座

英語絵本を主な教材にして日本人の子どもに英語を教えてきて、ここ数年でそれなりにカリキュラムと呼べるものがかたまってきた。

そして、一番の変化は、このカリキュラムで学ぶ子どもたちの力がついてきたことである。

 

これまで数回、その時点でのカリキュラムの公開と解説をしてきたが、先日は最新版、

絵本でどう子どもたちに英語力をつけるか、

どんな考えでカリキュラムを作っているか、

そしてその最新版カリキュラム3年分の公開と、

指導の進み方を客観的に測るアセスメントの方法などを公開する講座を開いた。

この講座のためのレジュメをまとめながら、今更ながら力が湧いてきた…。

これまでの生徒のアセスメントの結果が示すように、英語圏の子どもにより近い英語の力を確実につけながら、面白いと思って続ける気になるーこんな英語の学び方、させてみてはいかがだろう。

先生方の参考になればと思う。