絵本リードアラウド認定講師講座第4回報告その1〜リードアラウド研究会

『Swimmy』のプレゼンテーションで始まった今回。

第一声、ちょっとくぐもっている人も。

コロナ禍でマスクをつけ、大声禁止の状況のせいだろうか。リードアラウドは、やはり張りのある、艶のある、聴衆に聞きとりやすい声が身上だ。

声を取り戻そう!

 

さて、課題書は『A Book of Sleep』だ。

わが子を就眠させたい、そう思う親が読むのにもいい本だが、わたしたちは逆に、子どもに眠気を呼びおこさせないようにする。夜の動物たちの様子に興味津々、いろいろ想像を巡らさせるような、起伏に富んだ飽きさせない表現を考えてみた。

 

幼児が大人に読んでもらうのを前提にした本で、ところどころセンテンスが長いところがある。

ということは、主部と述部がどこで、どの言葉を強調するか。聞いて何となくでもわからせることが大切になる。

そして、強調するのには、声の強弱・プロミネンス、リエゾン、声のpitch、緩急のどれを、どう、どこに使うか。これらの演習をした。

そして、本書の繰り返しの語句に注目。

リードアラウドは、声による表現なので、音楽に通じるところがある。語り手によって発せられた表現ある言葉は、音にのっている。言葉に音程とリズムがあると考えれば、一冊の本を声に出して読むということは、読み手が「作曲」して歌うようなものだろう。

そこで本課題書だが、「Some」が7回ほど繰り返される。これをどう「作曲」するか。みなさんの最初の読みでは、7回とも同じ「音符」のひとがほとんどかと。

演習では、この部分をそれぞれ「作曲」しなおし。

変化をつける意識をするだけで、みなさんからいろいろな音色が聞こえてくるようになったのは、至福でありました。

 

ここでもうひとつ、気になった「神の声」について。

ナレーターを「神」のような、いわば絶対的な、すべてを鳥瞰している人にするという設定は、本書でもあるだろう。しかし、それを成功させるのは難しい。まずは、身近な、近くにいる人に設定することをお勧めする。

それでも、将来的には、遠い崇高な声もできるようになりたいので、少々考えた。

よくあるのは、白々しく、ちょっとむず痒くなる「神の声」だ。

これは、血の通った本物の感情を置き去りにして、観念的な、または類型的な型にはめた表現であるだけでなく、読み手のナルシズムのようなもの(人間だれしもあるのだが、普段は隠している部分)が感じられて、むず痒くなるのだろうと思う。

白々しくない「神の声」は、研究課題。

(つづく)

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その2〜『Swimmy』reading comprehension

『Swimmy』は深読みを誘う絵本、これを課題にしたからには、指導者たちも深読みをしたい。講座でも、何層にも読み取れる内容解釈やテーマをディスカッションした。

指導者である私たち自身の、読解を深めることが、生徒への発問の質とわたしたちの朗読そのものの質に大きく関わる。自分が考えてもなかった解釈など、この日の講座に何か発見があったら嬉しい。

 

模擬指導は、前年度までは発問内容も台本のようにあらかじめ渡していたのを改め、今年度は発問の「種」だけまいて、そこからどういう切り口で、どう語りかけるかは、指導者の技量次第とした。それぞれ、磨きをかけて欲しい。

模擬指導では、字面(英文解釈)指導のための「小さい」発問と、内容やテーマについて、reading comprihensionに関わる「大きい」発問を、全員に担当ページで発してもらった。

「大きい」発問では、子どもに問うのに語彙まで大きく(抽象的)になってしまう傾向が見えた。

発問は簡単な言葉に「翻訳」すること。

発言が出にくい場合は特に、答えやすいYes/Noの質問からにする。

これらを、生徒の口を開かせるために心がけたい。

 

指導者が読解を深掘りすると(しすぎでも)、生徒たちは「ん?」と思いながらも、「先生がそれほど楽しんでいるのだから、面白い本なのかも」と感じて読む気になってくれることも多い。

 

さあ、リードアラウド講師のみなさん、これからも絵本を楽しんで、楽しさを子どもたちに伝播しましょう!

 

 

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その1〜『Swimmy』の指導

5月のワークショップ終了!

課題書はかの有名な『Swimmy』だ。

英語指導者としての指導対象は、年齢的には小学校中学年以上、英語の力的には3年以上と考えるのが現実的だろう。

英語の難易度レクサイルでいえば、570Lとかなり上等な英語レベルだ。ネイティブなら2〜3年生でやっと自分で読んで意味がわかる程度か。

本書を非英語母語者に学ばせる、つまり音読(fluencyも高く)と読解もさせるのには、指導者の力量が問われる。

まずは、リードアラウドの手本になる読み方、表現力のレッスンをした。

 

本書ほどの語数、語彙、文の長さや難易度がある場合は、生徒にはシャドーイングで読み方を指導する。そこで指導者は、特別にfluencyを磨かないと効果的な指導ができない。

今回の表現レッスンは、「だら〜とただ正確に読むだけ」から「メリハリがあり、だれがどうした、といったポイントがわかる読み方」にするというものだった。

 

うーん。

時間が足りない。

なのに、重要な技術だ。

主部と述部の意識、そして主語と述語の強調があると、「なにがどうした」が、とても聞き取りやすくなる。

それからもうひとつ、「いいことなのか、悪いことなのか」を表現できると、話の展開が聞いてわかりやすい。

 

ところがこれが、自分で練習してきてもわかったが、英語の非母語者には難しい。もしかしたら、難しいと意識さえしていないかもしれない。まずは今回、意識をもってもらえただろうか。

意図していない語(特に冠詞や代名詞、接続詞など)に力が入って、それが重要語をぼやかす。その結果、あちこちに意図せず強調された単語があって、聞く人にはガヤガヤとした雑音になって、文の本筋がわからなくなる。

リエゾンがうまくない、という点もある。

滑舌の演習と同じく、身体に分からせる種類の技術なので、今回の演習はぜひ復習をしてもらいたい。

(つづく)

 

絵本で英語を教える〜英語教室向けカリキュラム講座

英語絵本を主な教材にして日本人の子どもに英語を教えてきて、ここ数年でそれなりにカリキュラムと呼べるものがかたまってきた。

そして、一番の変化は、このカリキュラムで学ぶ子どもたちの力がついてきたことである。

 

これまで数回、その時点でのカリキュラムの公開と解説をしてきたが、先日は最新版、

絵本でどう子どもたちに英語力をつけるか、

どんな考えでカリキュラムを作っているか、

そしてその最新版カリキュラム3年分の公開と、

指導の進み方を客観的に測るアセスメントの方法などを公開する講座を開いた。

この講座のためのレジュメをまとめながら、今更ながら力が湧いてきた…。

これまでの生徒のアセスメントの結果が示すように、英語圏の子どもにより近い英語の力を確実につけながら、面白いと思って続ける気になるーこんな英語の学び方、させてみてはいかがだろう。

先生方の参考になればと思う。

絵本リードアラウド認定講師講座2021 第2回報告その2〜『The Bad Seed』

課題書『The Bad Seed』、わたしが子どもの目と心をまだ少々はもっているとして、この表紙を見るとなかなか魅力的だと思う。

なんでか、アンチヒーローに惹かれる。

ということで、多分、子どもは本書を手にとってくれる、としよう。

 

まずリードアラウドでは絵本を厳選してから、子どもに読んでいただけそうなその本を提示して、「あーだ」「こーだ」と最初に自由に語らせる。そのときに、忍び込ませる問いが

「どんな話かな?」

「この子、何? どんな子かな?」など。

そして、子どもの好奇心で、パラパラ中身を見ながら答えを探してもらう。

 

そこで、「種の本」とか「悪い子の種の話」とか子どもの口に挙がったら、ジャジャーンと、アクティビティをする。

という「奇襲」も子どもに喜ばれる。

ということで、この日参加のみなさんとも、Word Ball ゲームをしてみた…。

 

意外や意外、「seedから育てる植物の名前」がみなさんの口からすらすら出てこない!

だれかは苦し紛れに「柿の種!」などと言ったけ。

植物の名前、こんなところに指導者がまだ努力すべき点があった。

 

ところで、英語絵本のリードアラウドを子どもにさせる目的として、忘れてはならないのが語彙学習。日本人の英語で、圧倒的に足りないのも語彙である。

 

なるべくその語彙を増やせるように、記憶を確かに深くさせる指導と同時に、数多く、広く言葉と出会わせたい。

子どもは、品詞の中では名詞を比較的知っているが、名詞でも動物と比べると知っている植物の名前は極端に限られる。まあ、英語の語彙だけの問題ではなかったり、子どもの問題だけでもなさそうではある。

しかしリードアラウド指導者として、自分の語彙を増やす好機だと認識して、こういう機会に学びたい。本書には愛らしい種たちのイラストもあって覚えやすい。経験でいえば、植物系の語彙が増えることで見えてくること、わかること、そして驚きが、たくさんあった…。