絵本リードアラウド認定講師講座第7回報告:その1~リードアラウド研究会

ストローを使ってしっかり発声練習後、先月の課題書『How the Grinch Stole Christmas?』の復習。9人がずらりと並び、次々リレーで朗読していく。わたしと先月いなかった3人が「聴衆」だ。

リードアラウドの朗読の目標、その1  【絵本の楽しさを伝える】を軽くクリアした!(なんだか面白そうな本だな)と思ってもらえそうなものだった。(本を朗読するのは楽しそうだな)とも思ってもらえるだろう。感心した。

「目標その1」がクリアできた訳:練習を各自よくしたため。その結果、読み間違いするのではという不安のない、ごまかしのない自信が感じられる読みで、表現する余裕があった。この余裕があればこそ、読む人は楽しく感じ、かつ聴衆に面白さを届けられる。

ここまででも実にめでたいが、ヒトは考える葦である!どうしたら、さらに良くなるのか考えてみたい。

【改善点1】ナレーションとGrinchの声の分離。

意識はしているのだろうが、自分が思っているよりはっきりさせないと、聴衆にはわかりづらい。分離の度合をもっとはっきりさせること。具体的にはGrinchの声を深くかつクリアに、前に押し出す。つまり、台詞を言うときに顔を上げ聴衆またはイメージした対話相手に向かって語るようにする。または遠くに向かって言う。すると顎が上がり、声が前に行く。舞台上でたとえるなら、会話部分は舞台の上に実際に立っているひとが言うが、ナレーション部分は声だけ、肉体を持たない声として聞こえるものだ。ナレーションと台詞の間に少しの間を置き、異空間を作るのも一手。この日に演習したpitchを言葉の出だしから変える方法も、前者と後者の存在感を変える方法になる。

【改善点いろいろ】あとは、以上の部分を改善したあとに、さらにもっと見えて来るだろうが、さしあたり気づいたことをいくつか挙げる。

盛り上がるところなど感情の起伏が少々弱めのひとは、もっと盛る。クリスマスやそれを祝うWhovilleの人たちへの嫌悪感は比較的よく出ていた。対して、人々の家でグッズをとっていく場面など「ウヒヒ感」がもう少し欲しいひとも。物の名前を挙げるところはクリアかつ速く、ピッチも感情も工夫して読みたい。滑舌を磨いて。

クリスマスがなくなったはずなのに、歌声がきこえてくるところの不思議さ。Grinchの心臓が大きくなってクリスマスを受け入れるところ。これらの場面でのナレーターの感情をもう少し表現したい。嬉しい、Grinchのためにも村人のためにも喜んでいる感じだ。

次回、第八回講座後、16:40すぎからグレードアップしたみなさんのGrinchを録画するつもり。練習およびサンタ帽をよろしく!

『絵本リードアラウド認定講師講座』受講者の感想〜リードアラウド研究会

『絵本リードアラウド認定講師講座』に、諸事情で一日だけ参加のAさんが、感想を寄せてくれました。

先日は、体験入学?ありがとうございました。

みなさん、そもそもの英語のレベルが高くて、復習でお話を読んでいたオープニングだけで十分楽しかったです。

(註:『How the Grinch Stole Christmas!』)


実際に読むのはとても難しく、発音やリズムなど感情豊かに読む以前のところでつっかかっていた程度なのですが、
そもそもの論がしっかりしていて分かりやすかったので日本語の絵本で試しても効果は絶大だろうと思いました。


3歳の娘がいるのですが、日本語がわかるようになってきてなかなか英語の絵本は読んでくれなくなってしまいました。そこで、今回で学んだリトルゴリラを読んだら、反応が全然違う!最後まで聞いてくれました(笑)

(註:『Little Gorilla』)


日本語でも絵本より、DVDやYouTubeを見たがる我が子にまた絵本に戻った来てもらえそうな気配です。母、頑張ります❗
ありがとうございました。

大人のリードアラウド、上達の秘密は?〜リードアラウド研究会

英語絵本のリードアラウド、一般の大人向けクラスでも、カルチャーセンターでも、みなさんの朗読が、(わたしの印象では)見違えるほど上達している。この上達、どんな指導が効果をもたらしているのだろうと、改めて考えてみた。

受講者は、もともと学生時代に大学受験を突破する程度まで英語の勉強をやってきたひとたちらしい。

日本のこれまでの「受験英語」はなかなか立派なもので、受験の英語、高校3年までの英語をある程度まで頑張った人なら、文法は大抵のところは頭に入っている。なので、絵本の本文の意味は「かなり」わかる。絵本で使われる語彙は意外と受験英語にカバーされていない場合も多いため「かなり」で、正しく意味がとれるのは6、7割になるかもしれない。それはそうなのだが、でも一番の問題は、音読の力。

ほとんどの人は「棒読み」で、表現のないただの読み上げができる程度で放り出されている。「棒読み」は、読んでいる文の意味がわかっていないという証拠でもある。今、英語圏の小学校から中学高校まで、英語教育の目標として、

Fluent reading、音読の流暢さというものが挙げられている。oral interpretationともいわれるもので、内容がわかっていればおのずと音読したときに表現が豊かになる。その表現ある読み、流暢さの程度を聞けば理解度がわかる、という認識。これが教育界の常識となっている。

にもかかわらず、日本の多くのわたしたちは、「棒読み」でも発音があっていればよしとする英語教育を受けてきた。

リードアラウドの朗読指導では、内容理解とそれを音読に反映させる読み方を指導する。文が表している内容や感情を言葉、句、文に乗せる直接的、具体的な演習をする。この指導法がどうやら効果的なようである。

人間の脳というものは、実に不思議だ。母語でない言葉に感情を吹き込むには、実際に母語で感情を動かしてそれを時間をおかず英語に反射的に移し替えるという、ほぼ運動みたいな演習が必要なようだ。

セミナーやカルチャーセンターでのみなさんの上達が、少なくともこの効果を示してくれているようで嬉しい。

朗読、ひとに聞いていただくには〜リードアラウド研究会

朗読はやはり人に聞いていただきたい。そのため、いろいろ努力が必要だが、一番はやはり声。

声を出すのは声帯。その声帯を強くする演習を、「声の科学者」Ingo R. Titze 先生がここで見せてくれている。

その名もStraw Phonation、ストロー発声法。簡単だ。ストロー一本(プラスティックを使うなら無駄なプラスティックごみを出さないよう、使い捨てないように)を加え、声をストローを通して出すだけ。

Pitchを下から上、上から下に移しながら、声を「ふうっー」と出し続ける。ストローの先に唇があるような感覚で、と先生はおっしゃる。そしてこの数分の演習のあと、自分の声が「まるで目から出てくるよう」だと表現する。たぶん、声が顔面の骨に共鳴してその骨が細かく振動することを言っているらしい。

たしかに声を響かせると、わたしの場合は「くすぐったい」感じになる。共鳴しているんだろう。元大学の物理の先生だったIngo R. Titze 先生だから、説得力があるように思う。

ピッチを変えて音を出す演習のあとは、先生はピッチの幅が大きいうえ、みんなが知っている曲だからと、合衆国国歌が適していると、これをstrawを通して「歌う」。日本人だったら「君が代」?でも、まあ「ちびまるこちゃん」の「ピーヒャラピーヒャラ」の歌あたりはどうだろう。かなり息が疲れるが、「ああ声帯使った〜」という感じがする。

Phonation exercises

声に力がない、疲れる、枯れる、というみなさん。ぜひこの演習を続けてみてください。

大阪でクマ狩り?!『絵本リードアラウド認定講師講座』その2〜リードアラウド研究会

表現豊かに読むリードアラウド、その指導者がまずは表現力をつけなければ話にならない。今回は『We re Going on a Bear Hunt』にどう表現をつけるかの挑戦だった。

まずは目立つところで、擬声語から。意外なことに、みなさんが気配りしていなかったのが、3度繰り返す swishy swashy/swishy swashy/swishy swashyなど擬声語のvolumeまたは強弱の変化。作者がせっかく活字の大きさを三通りにしているのだから、読み手はその意図をくまなきゃ失礼である。と指摘したとたん、さすがみなさんの読みはあっという間にさらに立体的になった。また、ペアで読んだときは、3度めをふたりの声で読む演出で、まるでハーモニーをつけた歌のように味わいが深くなった。読み手も気持ちがよかっただろう。

さあそれからだ。今回の経験豊富なみなさんに、表現のハードルを上げさせてもらったところである。

同じ調子で済ましてしまうこともある(特に子どもに読ませる場合は、たいてい一通りの表現でよしとしている)、What a beautiful day!/We re not scared. の2行。みなさんには、二、三通りを考えてもらった。つまり、

1. 本気 2. ちょっと怪しい。自信がない 3.かなり怪しく負け惜しみっぽい

この3種の表現をする。コツは母語でまず言ってみること。すぐさま、その母語での気持ちのまま、本文を読むと、ほんとらしい表現が英語に乗るものだ。

みなさん、少なくとも演習中はいい表現にたどりついた。そのときのやりかたをお忘れなく!

もうひとつ、本書の表現の肝は、Uh, uh!からの2行。背の高いヨシだかアシが生えているところを抜けて行かなければならなかったり、どろどろのとこだったり、いくつも困難を抜けていくところ。

初めのみなさんの自己流の読みでは、それぞれの困難を越える越え方がほとんど均等だった。でも、リアルに草むらを抜けたり皮をわたったりはそれぞれ違うだろう。越えるのにかかる時間も違うだろう。動作の記述は絵本のいたるところにある。そのたびに表現の仕方を思い出して欲しい。場面を見る(イメージする)ことを。

演習ではペアを作り、片方が登場人物になって困難を実際にマイムしながら越える。もう片方はそれを見ながら、本文を読むのだ。実際の肉体が動くのを見ることで、それなりに動作に掛かる時間や力の入り具合、歩の進め方の違いがわかる。それを実況中継するように読むことで、間合いや強弱など声の要素も使い方が変わってくる。

イメージして表現する、というのは経験的に、言うは易し行うは難しだということを知っている。そこから生まれたこの演習方法は、かなりイメージと読み方を結びつけるのが手っ取り早くうまくなる、リードアラウドがうまくなる方法だと自負している。

間合いなどわからなくなったら、書かれている動作をしてみるといいことを、今回記憶に刻んでもらえたらうれしい。

今回の講座、いつもながらの反省なのだが、またまた時間いっぱいになってしまったこと。伝えたいことがありすぎなのである。

3月末にぜひまた、新しい方も古い方もご一緒に!