絵本リードアラウド、聞く気にさせる心構え: その3.relatability〜認定講師講座2022年度第1回

2022年度リードアラウド認定講師講座第一回で取り上げた、英語絵本を子どもに読むときの心構え、ふたつは先日のブログ1とブログ2に記した。

 

最後、3つめの心構え、relatability とは関連しうることという意味だが、つまり、聞き手である子どもがその本からの情報を、自分に身近なものと関連づけられるようにすること。

 

今回の課題書を例にとれば、登場しているキャラクターのゾウを、こんな風に結びつける。

「この一番ちいさなゾウは、幼稚園の年長さんくらいの年かな、君と同じくらい?」など。

これは家族で読みあうときに、普通にやっていそうでもある。

 

「こんなこと、したことない?」

「これって、みんなだったらどうする?」

などと、質問もいい。

 

自分のこと、直接知っていることと、本の内容が結びつくと、興味がわいたり、イメージがリアルになって印象深くなるものだ。

関係ないと思っていた英語の絵本の内容を、少しでも頭に留めてくれるだろう。

 

今後は意識的に、積極的にrelatabilityを高めて行きたい。そして、それが読書のため、英語学習のためにもなるということを、保護者にも伝えたい。

 

 

 

 

絵本リードアラウド、聞く気にさせる心構え: その2.exprssion〜認定講師講座2022年度第1回

英語を母語としない子ども、そして「遠慮」とか「行儀」とかよりも「直感」がまだ強い年頃の子どもに、英語絵本を楽しませるには、読むわたしたちに本気の心構えが必要だ。

 

2022年度リードアラウド認定講師講座第一回でも、そうした心構え3つを語ったが、その1がenthusiasmで、それについては先日のブログに記した。

 

今回はその2、expression、表現について。

 

読み手が聞き手に、どう絵本を聞かせるか。

ただ漫然と読むのではなく、表現することなのだ、という心構えをすること。

 

わたしたちの表現は、主に聞かせることであるから、「音響効果」を考えたい。

たとえば、絵本によくあるrepetition。

繰り返しだが、その部分は作者が読み手に「ここを面白がってね」「面白がらせるように読んでね」と願っているところだろう。

効果的に音で、面白がらせる方法をいくつか。

 

ひとつは、節をつけること。

勝手な節ではなく、英語の流れから考えられる節、抑揚とも言える言い回しだ。

歌で言えばサビにあたるところ。

作者も、知恵を絞って「キャッチーな」音に乗せてあるだろう。

リードアラウドでも、子ども心を捕まえる大切なところだ。

 

ここで、つっかえたりするのはご法度。

せっかくの盛り上がりで、効果がガタ落ち。何度も練習したい。

 

しかし、繰り返すので、語り口がゆっくりすぎると、くどくなり飽きが来る。

滑舌よく、音楽のように、リズミカルに、少し速さが必要だ。

 

この部分の調子がいいと、子どもが勝手に真似してくれる。真似をしてくれたら、大成功。

 

表現のための「音響効果」は、声の要素(高低、大小、強弱、遠近など)を駆使してだす。

コツは、いつも自分が思うよりも大きく幅をとること。

 

そしてこのほか、特に日本人のわたしたちは、表現を豊かにするために、

Make a fool of yourself (ばかになる)、を心がける。

 

目の前のいい大人が、たとえば汗だくでゾウの鼻のつもりの腕をふりふり、「フワーン」とか鳴き声まで出して、elephant’s trunkとtrumpet(鼻からの音) を伝えようとしているの見たら、子どもは思う。

「この大人、面白いな」

目の前でmake herself(himself) a foolしている読み手の、表現しようとしていることを考えてくれる。

 

 

リードアラウド指導者のみなさん、

expressionするのだという心構えある読みを、子どもにも、そして家で読んであげる保護者にも、お見せしよう。

絵本リードアラウド、聞く気にさせる心構え: その1.enthusiasm〜認定講師講座2022年第1回

『絵本リードアラウド認定講師講座』の2022年度が始まった。気持ちを新たに、違った切り口からも、英語絵本のリードアラウドそしてReadingのAdvocate(提唱)をしていきたい。

先日の講座でも挙げたが、子どもに英語絵本の朗読を聞く気にさせる、わたしたち読み手の心構えがある。

心構えその1「enthusiasm」

「聞いて聞いて!」「この本の話は面白いから」という読み手(わたしたち)の心の躍動や熱のようなものを持つこと。この重要性をはっきりと意識したのは、ある経験が続いたときだった。

初めてリードアラウドする本があると、参考にするため、YouTubeで主に英語圏の人たちのread aloudを聞いてみる。作者自身の朗読が見つかった場合は、最後までちゃんと聞くことにしている。朗読自体の上手い下手は別にして、作者が意図した意味を読み方から推測できることが多いからだ。

問題は作者以外の人々の朗読だ。第一声で、「これ以上は聞きたくない」と再生を止めてしまうことがある。次の人はどうだろう。「もういい」と止める。次も、次も、次も……。運がよければ、「いいなあ」と感じるものを見つけられるという状態だ。これはどういうことなのだろう? わたしの耳に問題があるのか。耳が肥えすぎた? いやいや、そうではないだろう。なにかが足りないのだ。こんな朗読を子どもに聞かせたら、行儀のいい子以外は席を離れてしまうだろう。なにが足りない?

そして、はっと気づいた。「enthusiasm」じゃない? 読み手が、本の面白さや楽しさを伝えたいと思っていない。それどころか、面白いとも楽しいとも思っていないのかもしれない。面白さや楽しさが、全然表現されていない。「聞いて聞いて!」「この本の話は面白いから」という熱意、ほかの人を呼び込む「enthusiasm」がない。

では、これから読もうとする本に対して、enthusiasmを持つにはどうすればいいか。こう考えた。

  1. 選書を吟味する:面白いと思えそうな本を探すか、教えを乞う
  2. 読解する:自分でだけでなく、プロの解説を読んだり聞いたりする
  3. 好きなところや面白いと思うところを探す

リードアラウド指導者は、自分自身のenthusiasmをギラギラにして、親や大人がこの三点をクリアし、enthusiasmを持って子どもに朗読できるよう導きたい。

A Parade of Elephants

『絵本リードアラウド認定講師講座』今後の課題その2「滑舌」:2021年度リードアラウド認定審査終了〜リードアラウド研究会

『絵本リードアラウド認定講師講座』2021年度の審査会でみなさんのリードアラウドに耳を傾けていて、ときどきまどろっこしくなったり、せっかくのリズムが崩れたりして「もったいない」と思うことがあった。そこでの問題は「滑舌」だった。

今後の認定講師講座の課題のひとつ「語尾」については前回書いたとおり。もうひとつの課題、滑舌も挙げておこう。

滑舌がいいリードアラウドは、強調したい言葉が、記憶に留めてほしい音が聞き手の耳に入る。また、滑舌がいいと、緩急を楽しいくらい自由に変えられる。たとえ早く読んでもはっきり聞こえる。表現に適した速さで読んで、ちゃんと感情を乗せられるのは、滑舌ができているからこそでもある。

表現の幅を広げる術のひとつとして、演劇人が練習する滑舌は、リードアラウドを学ぶ人にもやはり必要だろう。これまでも取り入れてきたが、2022年度の認定講師講座(用賀オンライン)でも、機会があるごとに少しずつでも演習していきたい。

Fox in Socks (Dr. Seuss: Beginner Books) [With CD]

『絵本リードアラウド認定講師講座』今後の課題その1「語尾」:2021年度リードアラウド認定審査、発表会終了!〜リードアラウド研究会

リードアラウド認定講師講座、2021年度認定審査および発表会に参加のみなさん、お疲れ様でした。そしてどうもありがとう。

 

審査を対面で受けられなかったみなさん、オンラインで可能です。ご連絡ください。

 

さて、それぞれへの審査結果、講評を終えました。

それは近日中にみなさんのお手元に届きます。ここでは、全体から見えた、今後の課題について述べたいと思います。

 

今日はその1: 語尾問題

 

「ゴミ問題」に音は似ていますが、ごびです。

リードアラウドでの読み方で、まず努力するのが、言葉に感情を通わそうということ。

この意識は、認定講座やカルチャーセンターでのわたしの講座を、少なくとも合計6時間くらい受講すると、頭にかなりこびりつくようです。

 

これが、上達の第一段階。

本文を読むときに、ただ正確に読むのではなく、感情を考え、それを込めようと意識する。

 

第二段階は、感情が文になるべく同時に乗るように、シンクロさせる努力をする。

これは、経験的に言うと、なかなか結果が出ずもどかしい。感情は頭に浮んでくるが、文を読む自分の声にうまく乗らないことが続いたりする。

天性のものを持っている人は、すらっとこれができたりするが、時間がかかる人がいる。

 

第三段階。感情はほぼ文を読む声に乗っているが、語尾まで行き渡っていない。この段階の難しさは、多くの聞き手には「かなり上手だ」と聞こえるリードアラウドになっているので、褒められたりすること。自覚して努力しないと、この段階のままで終わってしまう。

 

認定講師のベテランでも、調子の悪い時、またはときどき、語尾が読んでいる本の表現になっていないことがある。読んでいる物語の内容とは関係なく、自分のクセがでる。

 

聞き分け方としては、同じリズム、ピッチ、強弱、抑揚などでどの文も終わっていないかどうか。

 

目指す表現は、人工的なリズムではなく、音が高く終わったり低く終わったり、強かったり弱かったり、上がったり下がったりする。

 

語尾を、自分のクセで読んでいないか。

もしくは、語尾で気を抜いて読んでいないか。

 

 

こんなことを聞き分ける耳も、プロとして養いましょう。

2022年度講座でも、「語尾問題」克服の演習を考えていきます。