ちょっと長い絵本の練習法〜リードアラウド研究会

今度の認定講座の課題書は、年長生徒(小学校高学年〜大人、英語経験3年以上向け)指導にと選んだ『Mr. Rabbit and the Lovely Present』。

いつもの表現を中心にした練習とは、ちょっと違う練習が必要だ。

読み物と同じく、活字は一種類で、絵本のように視覚的に台詞や、特別な読み方をするところなどが選べない。

どんな練習がいいか。

 

1. 表現は後回しにして、平坦でもいいので音読する

 

2. ヴォリュームに慣れ、集中力を作るために、一回で通読する

 

3. 限られた時間しかない時は、1, 2に時間を向ける

 

4. 登場人物の誰の台詞か。本書の場合は3人に、声を分ける

 

5. 誰の台詞か間違えないように何度も通し練習する。時間が取れない時は、どれが誰の台詞か印をつける

 

(誰の台詞か混乱して読むと、聞いている方はもっと混乱するので注意!!

読み直しや躊躇による間はなくすこと!!)

 

6. 登場人物別の表現を考え、それぞれの台詞をそのように読む

 

7. 対話として、相手の台詞へのリアクションとしての間合いや、緩急、高低、強弱を工夫する

名優に学ぶ授業法~リードアラウド研究会

先生にとって授業は演劇、教室は舞台だなと思う。

81歳で現代の名優と言われる、山崎努さんの演技論にその思いを強くした。

 

準備期間中はどう演じようかと頭を悩ませていた。しかし撮影現場ではそのプランをいったん捨てる。それが理想だ

 

「演技はその場に応じて変わったほうがいいんじゃないか」

 

「その通りにやっても生きた演技にはならない。準備はあくまでも手がかり足がかりなんです」

「(ロッククライミングで言えば)滑落を覚悟の上で、新しい登り方をするのが、理想」

 

これなら間違いないということをやっていても、それで演技が死んでしまうのであれば、観ている観客は面白くない。

むしろ滑落したほうがやっている甲斐がある

 

下手であろうが多少うまくできようが、演技はそのとき、その場のもの

 

「演技」を全部「授業」におきかえると、ぴったりくる。

 

ということで、次回の認定講座のリードアラウド指導の仕方(模擬授業用)は、準備用にあらかじめ参加予定の皆さんに、遅くとも前日までに送っておく予定。

手がかり足がかりとして準備してみてください。

 

 

 

リードアラウドの先生が「五月蝿い(うるさい)」わけ〜キッズブックス英語スクール

 

言葉を学ぶのに大切な力は、読解力。

読解力は生活力にもつながる。

 

ならば、英語も読解力、reading comprehension が重要だ。

 

科学的な研究で、reading comprehensionとfluency(表現ある流暢な音読)に正の相関(どちらも一緒の方向に変化すること)が認められた。

 

つまり、読解が深まるほど、表現が立ち上がるような流暢な読み方になる。

逆に、読み方がたどたどしいのは、読んでいる文の内容が分かっていないことを示している。

 

comprehension (読解力)  ⇄  fluency(流暢な読み)

というわけだ。

 

そこで、読解力を高めるには、fluencyを育てればよい。

 

その方法は?

 

1. repeated reading:なんども読むこと

2. assisted reading:表現豊かでfluentな読みを手本にしながら読むこと

 

この二つの有効性は、英語圏で科学的に検証されているから、信じてもよいだろう。

 

そこでリードアラウドだが、

・・・・・・今までどおり。

「五月蝿い(うるさい)」先生たちが、あーでもないこーでもないとツッコミを入れて、皆さんに何度も読んでいただき、「ええっ〜」というような表現でお手本の読みをさせていただき、躊躇する皆さんにもマネしていただきます。

 

リードアラウドがやっていること:読解力をつける〜リードアラウド研究会

リードアラウドでは、表現ある読みを指導者自身もできるように、そして生徒たちにそれを伝授す流。

 

「表現ある読み」の基本は、reading fluency。

いろいろそれを見る要素がある。

なかでも

フレージング、

抑揚、

速度、

声の大きさ(強弱)

は、読み手がどのくらい文を理解しているか、読解の度合いが見えてくるものだ。

 

では具体的に、これらの要素によって示されるのは何か。

それは、次の3つだろう。

 

1. 文節

 

2. 係り受け

主語と述語の関係や、修飾語と被修飾語の関係

 

3. 照応

指示代名詞が何を指すか

 

 

これらが適切ならば(fluent readersならば)、その文を読解している。

逆に、その文を理解しているなら、1〜3が適切で読み方はfluentなはず、と考えられる。

 

 

そこで、まだよく読解ができていない初級者に、fluent readingを指導すると、読解につながる。

これが、リードアラウドのやっていること。

 

「豊かな表現で」とか「気持ちを込めて」のみを強調すると、

リードアラウドは感情や「芸術」的側面を指導している、そんなのは初級者にはまだまだいらない、

などと思われることもあるだろう。

 

そこで、

リードアラウドは上記、読解の要である、文節、係り受け、照応

この3つを踏まえた読解の指導でもある

ことを、きちんと説明したい。

 

 

新人を迎えて気づいたこと:絵本リードアラウド認定講師講座第2回〜リードアラウド研究会

四人の新人を迎えて始まった、新年度の『絵本リードアラウド認定講師講座』。
第2回は、『Mr. Gumpy’s Outing』が教材だった。

今回の教材に限らず、リードアラウドでは感情を文に乗せて読む演習を行う。
わたし自身のことを振り返ると、それはなかなか難しいものだ。
意識して練習を始めたころは、言葉にただ何かの感情を乗せようとすると、感情は出ても言葉に乗らず、ごろんと置き去りにされるようだった。

この現象、つまり「朗読で、感情と言葉は意識しないと一緒にならない」というのが、程度の差はあるが、今回の新人のほとんどに見て取れたのは、発見だった。

そしておもしろいことに、「程度」はリードアラウド経験の有無で違っていたのだ。
新人四人のなかの二人は、カルチャーセンターでリードアラウドを学んでいる。
カルチャーセンターの1クール(約三ヶ月)の間、毎回上達をみせていた人たちなので、まっさらの新人ではない。
まっさらな新人と、少し学んだ新人。
感情を言葉に乗せる演習のoutcomeは、この四人のリードアラウド経験回数どおりのものだった。

そうか。
感情と言葉をシンクロさせるのには、実際の練習を積むことが必要なんだ。
――改めて認識した。

まず感情を表出させる。
ここから、の人もいる。
今回の講座で、ここまでは新人もかなり自由にできるようになった。

それからどうする。ここが課題だ。
感情が表に出たはいいが、そこに残って、すぐに続けて口にした言葉は平坦なまま。
または、ときどき感情と言葉が一緒になったりこぼれたり。
はてまた、感情が乗ったはいいが、振幅が言葉と一緒になったとき、しょぼんと小さくなってしまう。
そしてたとえ感情が乗っても、その表現が頭で考えた型や、観念的なものになって、直前に表出させた自然な感情ではなくなる。

もちろん、新人だけでなくベテランも、取りこぼしや振幅の縮小や、はたまた型やクセの表出など、個々に問題は残る。
新人の悩みは、みんなの芸磨きのポイントでもある。
道は続く。

Mr. Gumpy's Outing